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40:魔法使いごっこ

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 馬車に揺られる事、数時間…現在は11:30
 

 ソラは、エルトナが起きないので毛布にくるんで座席に寝かして移動している。彼女のこんな姿をみせるのもなんなのでディアンは、今回馬車の中だ。

(海の香りがしてきた、目的地に近いのか?今頃中で皆、おやつタイムかな~いいな~)

「おーいッ!起きろ~もうすぐ昼だぞ?」

 ウリウリ ぷにぷに

「あぁ~ん…ひゃっ!」

「おっ!起きたか?」

「あぁ…って、どこ触ってんだ?…触りたいなら…起き…」

「ん?おはようエルトナ」

「あぁ…おはようソラ」

「もうすぐタイタンに着くが…起こすとワルいと思ったからそのままだから。先ずは、服を着ろ!装備はそこにあるからな!」

「ひゃっ?…分かった手伝ってソラ?」

「そりゃいいが、お前はコレからどうすんだ?」

「どうしよう…取り敢えず報告しないと!」

「其なんだがエルトナッ!俺達の事はなるべく秘密にしてくれないか?通りすがりの旅人に拾われたとか何とかで、とくに配下の事は言わないでくれたら助かるんだが?」

「ん~分かったソラがそう言うなら仕方ないな…其より、彼等はちゃんと町に着いてるだろうか…」

「…」

(言えないッ!とっくに追い抜かしてるなんて…)

「おっ!海が見えてきた!…ん?町には城壁は無いのか?」

「タイタンは町とは言っても、元々は宿屋が数件集まっただけの宿場町だからな、最近になってやっと港が整備されたくらいだッ!」

「へ~じゃあ町に着いたら検問とか無いのか?」

「あぁ~そんなに重要な建物は無いしな発展途上というやつさッ!」

「エルトナは町で報告したあとどうするんだ?俺達はしばらく滞在して観光する予定だが…」

「退職届けを出してくるよ?」

「いいのか?まだ、仕事の途中だし…お前にも親とか家族が居るだろ…反対とかされないのか?」

「私はもう立派な大人だ、成人してからは家を出て一人立ちしているから家族は問題ない!仕事は途中だか…ほぼ壊滅だからな…新しい護衛を集めるだろうからな…最後まで勤めたいとは思うが…失敗した私はお役ごめんさ…まぁこんなに早く結婚して退職するとは思わなかったが…ンフフッ!」

「あぁ…何か嬉しそうだな…エルトナがいいんなら其でいいんだ!でも本当にいいのか?騎士なんてそうそうなれる職業じゃないだろ?」

「心配要らないよ、さっきはああ言ったが…私もそんなに志しがあるわけでは無いんだ…たまたま目をかけてもらった貴族の御方が居てな、その人の推薦だったんだが、今回の一件で、私にはむいて無かった事が改めて分かったよ。」

「その貴族に報いるとかってのは無いのか?」

「その御方はもう居ないんだ…今回の護衛した貴族の祖父なのだが…去年亡くなったんだ。私も初めは、あの御方の家族につかえる気でいたけどね…今回の件でもうどうでも良くなったよ、残念なことに、あの御方の家族はあの御方の器を引き継いで無かったみたいだ…」

「其は、残念だったね…」

(ん~なら、そろそろ皆を紹介しないと不味いな~)

「なぁ~エルトナ流石にそろそろ皆を紹介したいんだがいいか?」

「昨日、言ってたハーレムとかの事か?」

「あぁ~流石にこのままじゃ嫌だろ?」

「報告の後でもいいぞ?話は、あのメイドが詳しく話してくれてたから知ってるし。」

「何時の間に?」

「ソラが来る前にね、少し話して貰ってたんだッ!」

(メルのやつ全てお見通しなのか?道理でカレンも何か、知ってる風だったからあんなに余裕だったのか…マジかッ~!)

「じゃあ宿が決まったら一旦其処で別れて、終わったら訪ねて来てくれ!」

「わかったよ!」

 そして馬車は無事タイタンの町に到着した。

「エルトナ~オススメの宿とか知らないか?」

「其なら、この道を曲がって二件目がいいと思うぞ!」

 オススメの宿に着くとそこには(元祖クマさんの宿)と、看板が掛けてある宿があった。

(元祖?あそこと何か関係が有るのかな?まさかとは思うが、エルトナも宿の判断基準がカレンと同じなのか?)

「ここは、まさか宿の女将がクマの獣人ってやつか?」

「へ~そうなのか?」

(違うのかよッ!)

「いや、知らないならいいよ、空いてるか聞いてくるよ!スレイブッ!」

 ヒヒーンッ!

「行ってらっしゃい!」

「あぁ~」

数分後…

「部屋取れたぞ!じゃあまた後でなッ!」

「空いててよかったなッ!早速私は、報告に行ってくるよ!」

「あぁ行ってらっしゃい!気を付けてな~エルトナッ!」

(馬車をとめに行くか…何事も無ければいいが…メルッ!)

〔はいマスター〕

(問題ないと思うが…エルトナを頼む!何かあれば教えてくれッ!できるだけ目立たない様に気を付けろよ!)

〔了解ですマスター〕

 馬車の中から黒い何かが飛び出して行った…多分メルだろう。

(隠密の護衛か~格好いいな…昔の戦国武将とかにもいたのかな~確か…真田とか徳川の忍者とか有名だったよな~アニメやゲームとかで見たこと有るけど憧れるよな…)

「おーい、着いたぞ?取り敢えず宿でゆっくりしよ~」

「パパッ!ユキ疲れてないもんッ!其より、海は~?」

「海~ッ!」

「お前達は元気だな~確かに馬車の中は快適だからいいけど、ずっと揺れてたから体はダメージ受けてるんだぞ!ちゃんと休まないと明日、筋肉痛になっても知らないぞ(俺が)!」

「それは嫌だ~じゃあ明日ならいい?」

「あぁ~勿論だ!」

「「は~い!」」

(聞き分けのいい娘達で助かるよ本当に…)

「…まさかここはッ!話には聞いた事があったがソラッ!」

「ん?ここは、元祖クマの宿とか書いてあったな…知ってるのか?」

「カリオスの宿の女将の実家だ!確か…今は、お姉さんが切り盛りしているらしい!流石ソラだなッ!私の夢が1つ叶ったよ…ムフフッ!」

セシル、リアスは、良く分からないと首を傾げている。

「「ん?」」

(相変わらずだなカレンは…其より、スレイブをどうしよう…ここでバラすか?うぅ~ん)

 …考える事数分…

「ユキとホタル!スレイブをここに一人ぼっちにするのは可愛そうじゃないかと思わないか?」

「「うん」かわいそ~」

「じゃあスレイブも人化出来るようにするから二人も協力してくれるか?」

「「するする~!」やりたいッ!」

「それじゃあコレを振って応援してくれ!分かったか?そしたらパパが魔力をかけるからな?」

 ソラが取り出したのはピンク色のハートのオブジェが付いた(おもちゃの)ステッキだ。

 プリティーステッキ(レプリカ)

 物理0、魔法0、
 
 攻撃力は皆無だが、振るとキラキラとハートや星形のエフェクトが発生するステッキのレプリカ。

「うわ~パパッ!かしてかして~」

「ワタシもやる~」

 ブンブンッ!ぶんぶんッ!ブンブンッ…

「「うわ~うわ~」キレ~」

「いいな私も欲しいかも~」

「キレイにゃ~」

「こらこら~慌てるな慌てるなッ!合図したらスレイブに向かって降ってくれよ?」

「「ハーイ!」」

 カレンは、みんなの後ろで辺りを警戒しつつ見守っている。

「フフッ楽しそうねッ!ソラ此方は大丈夫だ。」

「分かったカレン、よしッ!いまだッ!」

「キャーそれ~」ブンブンぶんぶん

「ヤァー」ブンブンぶんぶん

「よーし魔力がたまったぞッ!それ~」

(スレイブ今だッ!)

〔ハーイ!〕ピカーン

 スレイブの体が光を放ち獣人に変身した。

(まぁ本来はこんな事しなくてもいいんだが…このおもちゃのお披露目も出来たしいっかな?)

「成功だ~コレで何時でもスレイブは人化できるからなッ!スレイブお姉さんは、メルと双子だからコレからも仲良くしてやってくれ!」

「ユキ様、ホタルちゃんヨロシクね?」

「お姉ちゃんヨロシク~」

「スレイブお姉ちゃんヨロシクです。」

「皆さんもヨロシクね~」

「「御姉様宜しくお願いします」にゃ」

「フフッ!宜しくスレイブ」

「よ~し、それじゃあ宿に入るか!」

「「「ハーイ」」」

ブンブンッぶんぶんッブンブンッ…

(何か、おっきい子供が増えてないか?)

〔マスター宜しいでしょうか?〕

(メルか、どうした何かあったか?)

〔それが…〕





最後まで読んで下さりありがとうございます。事件の予感…カモシレナイ…先が分からないので、作者も違う意味ではらはらドキドキです…

 次回も良かったら暇潰ししていって下さい宜しくお願いします。
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