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ちいさなまほうつかい
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「ねえ、おかあさんはまほうつかいなの?」
ひなちゃんはようふくをたたんでいる おかあさんにききました。
ひなちゃんもおてつだいをしています。
「どうしてそうおもうの?」
「だって、おかあさんはなんでもできるから」
おかあさんのたたんだおようふくは、おみせにならんでいるみたいにきれいでした。
それにくらべてひなちゃんのたたんだハンカチは、きれいなしかくになりません。
「おりょうりもじょうずでしょ?」
おかあさんのりょうりはどれもおいしくて、おうちがレストランになるとひなちゃんはおもっていました。
「それから、ひながうれしいことなんでもわかるでしょ?」
おかあさんはひなちゃんがこまっているときやかなしいときにそばにいてくれます。
そんなときひなちゃんはとてもうれしいきもちになります。
おかあさんは「うふふ」とわらって、
「それはまほうとはちがうのよ。おせんたくもおりょうりもたくさんやってうまくできるようになったの」
そういうとひなちゃんのめのまえでじょうずにおようふくをたたんでみせました。
「だけどひなのことがわかるのは、わたしのまほうかもしれないな」
「ひなにもまほうがつかえるかな?」
「ひなもまほうつかってるでしょ?」
ひなちゃんはびっくりしました。じぶんのまほうなんておもいあたりませんでした。
「ひなはいろんなモノとおはなしができるじゃない」
ひなちゃんはおうちにいるときにはヌイグルミとよくおしゃべりをしていました。
ようちえんにいるときには、おにわでアリのぎょうれつをみたり、あさひらいたばかりのおはなをよくみていました。
そんなときは、どこにいくの? そこからのながめはどうですか? と、こころのなかでおはなしをしていました。
「でも、そうたくんはひなをのろまっていうの」
「そうたくんはいつでもげんきだものね。つかえるまほうはみんなちがうのよ」
「みくちゃんはおうたがうまくて、まことくんはえがじょうず」
ひなちゃんはほいくえんのおともだちのことをよくみていました。
「でもね、みんなおとなになるとまほうをつかえなくなるの」
「どうして?」
「おとなってまいにちきめられたことをしたり、まわりにあわせたりして、すきなことをわすれちゃうの」
「おとなって、たいへんね」
ひなちゃんがおとなびたことをいったのでおかあさんはなんだかおかしくなりました。
ひなちゃんはこれからもすきなことをだいじにしようとおもいました。
「うちにはまだ、まほうをつかえるおとながいるわよ」
おかあさんがそういうと「ただいま」とこえがして、ぱんぱんにふくれたマイバッグをもったおとうさんがかえってきました。
キッチンでおやさいやおにくをバッグからだしています。
「おとうさんもまほうつかえるの?」
「まほう? つかえるよ」
そういうと、ごにょごにょとじゅもんをとなえて、りょうてでおかしなどうさをしました。
「えがおになあれ」
こちょこちょこちょ……。
おとうさんはひなちゃんのからだをりょうてでくすぐりました。
「あははは、ずるいよ。それはまほうとちがう」
ひなちゃんはからだをくねらせておとうさんからにげだしました。
「ほら、イチゴかってきたぞ」
バッグからとりだしたイチゴをひなちゃんにわたしました。
「うわあ、おおきなイチゴ!」
ひなちゃんはとたんにえがおになりました。
パシャリ。
おとうさんはとったしゃしんをひなちゃんへみせました。
「ほうら、えがお」
ひなちゃんとおかあさんはかおをあわせていっしょにわらいました。
おとうさんはこどものころからきかいがすきで、じぶんでカメラをつくったことがあるとおかあさんからきいたことがあります。
「ひなももうすぐねんちょうさんだな」
「そっか、ひなもおねえさんね」
はるからひなちゃんのようちえんにもちいさなおともだちがやってきます。
ちいさなまほうつかいたちがどんなまほうをつかうのか、ひなちゃんはいまからたのしみになりました。
ひなちゃんはようふくをたたんでいる おかあさんにききました。
ひなちゃんもおてつだいをしています。
「どうしてそうおもうの?」
「だって、おかあさんはなんでもできるから」
おかあさんのたたんだおようふくは、おみせにならんでいるみたいにきれいでした。
それにくらべてひなちゃんのたたんだハンカチは、きれいなしかくになりません。
「おりょうりもじょうずでしょ?」
おかあさんのりょうりはどれもおいしくて、おうちがレストランになるとひなちゃんはおもっていました。
「それから、ひながうれしいことなんでもわかるでしょ?」
おかあさんはひなちゃんがこまっているときやかなしいときにそばにいてくれます。
そんなときひなちゃんはとてもうれしいきもちになります。
おかあさんは「うふふ」とわらって、
「それはまほうとはちがうのよ。おせんたくもおりょうりもたくさんやってうまくできるようになったの」
そういうとひなちゃんのめのまえでじょうずにおようふくをたたんでみせました。
「だけどひなのことがわかるのは、わたしのまほうかもしれないな」
「ひなにもまほうがつかえるかな?」
「ひなもまほうつかってるでしょ?」
ひなちゃんはびっくりしました。じぶんのまほうなんておもいあたりませんでした。
「ひなはいろんなモノとおはなしができるじゃない」
ひなちゃんはおうちにいるときにはヌイグルミとよくおしゃべりをしていました。
ようちえんにいるときには、おにわでアリのぎょうれつをみたり、あさひらいたばかりのおはなをよくみていました。
そんなときは、どこにいくの? そこからのながめはどうですか? と、こころのなかでおはなしをしていました。
「でも、そうたくんはひなをのろまっていうの」
「そうたくんはいつでもげんきだものね。つかえるまほうはみんなちがうのよ」
「みくちゃんはおうたがうまくて、まことくんはえがじょうず」
ひなちゃんはほいくえんのおともだちのことをよくみていました。
「でもね、みんなおとなになるとまほうをつかえなくなるの」
「どうして?」
「おとなってまいにちきめられたことをしたり、まわりにあわせたりして、すきなことをわすれちゃうの」
「おとなって、たいへんね」
ひなちゃんがおとなびたことをいったのでおかあさんはなんだかおかしくなりました。
ひなちゃんはこれからもすきなことをだいじにしようとおもいました。
「うちにはまだ、まほうをつかえるおとながいるわよ」
おかあさんがそういうと「ただいま」とこえがして、ぱんぱんにふくれたマイバッグをもったおとうさんがかえってきました。
キッチンでおやさいやおにくをバッグからだしています。
「おとうさんもまほうつかえるの?」
「まほう? つかえるよ」
そういうと、ごにょごにょとじゅもんをとなえて、りょうてでおかしなどうさをしました。
「えがおになあれ」
こちょこちょこちょ……。
おとうさんはひなちゃんのからだをりょうてでくすぐりました。
「あははは、ずるいよ。それはまほうとちがう」
ひなちゃんはからだをくねらせておとうさんからにげだしました。
「ほら、イチゴかってきたぞ」
バッグからとりだしたイチゴをひなちゃんにわたしました。
「うわあ、おおきなイチゴ!」
ひなちゃんはとたんにえがおになりました。
パシャリ。
おとうさんはとったしゃしんをひなちゃんへみせました。
「ほうら、えがお」
ひなちゃんとおかあさんはかおをあわせていっしょにわらいました。
おとうさんはこどものころからきかいがすきで、じぶんでカメラをつくったことがあるとおかあさんからきいたことがあります。
「ひなももうすぐねんちょうさんだな」
「そっか、ひなもおねえさんね」
はるからひなちゃんのようちえんにもちいさなおともだちがやってきます。
ちいさなまほうつかいたちがどんなまほうをつかうのか、ひなちゃんはいまからたのしみになりました。
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