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27.気をつけて下さい、ソイツはホモです。

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 「どうやって入った?」

 俺が唸ると、ソイツは肩を竦めてニヤッと笑った。相変わらず嫌な顔だ。

 「どっかに鍵置いてないかな?って部屋の前でウロウロしてたら、ちょうど大家さんが通って開けてくれたww」

 俺は先輩の脇を抜けて奴を制止するために部屋に入った。

 「勝手に触んな」

 立て掛けておいたベースに触れようとする奴の手をはたき飛ばして、部屋の中を見渡した。一体いつから居たのかPCは起動中、テレビはゲーム画面、DVDのデッキは空いたまま。テーブルの上には朝にはなかったペットボトルと空になったアイスの容器、スナック菓子の袋がそのまま置いてあった。実家に電話した後だろうから、昼一でここに来たのか。

 「…ユキちゃん?お知り合い??」

 先輩がドアの外に立ったまま、部屋の中を覗き込むようにして、にっこりと最高の営業スマイルを浮かべた。

 「あ、前に言ってた愚弟です。皓季こうき。最悪な方の双子の片割れです」

 「双子?!ユキちゃん双子だったの?!」

 先輩は瞬きもせず俺と奴を交互に見ながら呟いた。

 「はい、残念なことに」


 昼休みに実家に電話していた本当の目的は、皓季コイツを召喚するためだった。
最悪なことに皓季コイツと俺は一卵性双生児だ。
 昨日、俺と先輩の出会いの発端を聞かされた時、俺は真っ先に皓季コイツの顔を思い浮かべた。近場で俺とほぼ同じ顔の人間を、俺は少なくとも五人知っている。一人は禿オトンで、一人は同じ歳の百貫肥満野郎イトコで、あとは四十代の主婦オカンアネだから、冷静に見れば間違うことはない。

 『問題は皓季コイツだ』

 咲希アネを除いて、両親でさえ見分けがつかない俺達だ。先輩の知るアンジーという男と俺が似ているのなら、皓季コイツも似ていることになる。今後、先輩がどこかで皓季コイツを見掛けて、また後をついて行ってしまわないように、存在だけでも知らせておかなければいけないと思っていた。用はなくても俺が実家に電話したとあれば、近日中に皓季コイツは俺に接触してくるだろうと踏んでいた。今日の夜にでも先輩に話を通しておけばと思っていたが、よほど暇らしく皓季コイツの動きは、予想の上をいく早さだった。


◇  ◇  ◇


 「驚いたよ。こんなにそっくりだなんて…ユキちゃんは唯一無二だと思ってたから…」

 先輩は、極上のタンを俺の皿に取り分けてくれながら言った。

 『先輩…たとえ俺が八つ子だったとしても、俺という存在は唯一無二です』

 俺は腹の中で呟いた。

 俺が焼き網に乗せた肉が、次々と皓季ヤツの口に放り込まれていく。
ラーメン屋に行く筈だったが、先輩がゆっくり出来るところが良いだろうと言って、連れてきてくれたのは焼肉屋だった。皓季コイツを前にして肉を食うくらいなら、俺は家でカップ麺でも啜っていた方がマシだった。本当に皓季コイツは、遠慮ってものを知らない。折角の美味い筈の肉が、そもそも俺の口に入ってこない。

 「ユキちゃん、レモンどうぞ」

 先輩が甲斐甲斐しく俺の前に皿を置いてくれた。

 「ぁあ、ありがとうございます、ってか、先輩食べて下さいよ」

 ラーメン、ドライブ、折角のサボり、そしてこの焼肉が、全て皓季コイツの所為で台無しになった。まともに顔を合わせるのは二年ぶりだというのに、こういう最高の瞬間を最低に変える絶妙なタイミングを突いてくるのも皓季コイツならではだ。

 「へぇーでも、俺も信じられないっすよ?優季コイツが正社員なんてwww優季コイツ、ちゃんとやってます?」

 皓季こうきは手当り次第に食いながら、止めどなく喋り続けた。

 「すごく優秀だよ。いつも助かってるよ」

 こんなどうしようもない愚弟にさえ、先輩は慈愛に満ちた笑みを浮かべて肉を勧めている。

 『そうだ、もっと食え。たらふく食って醜く太ってしまえ』

 俺は向かいに座った皓季こうきに念を送った。

 「えー?!でも優季コイツ、全然笑わないでしょ?昔からヌボーっとしてるんですよ」

 俺がヌボーっとしているようにお前に見えてる間、俺はお前のどうしようもなさに耐えていたんだと言ってやりたかったが、面倒臭かった。俺は皓季コイツと先輩の会話をBGMに、これからどうやって皓季コイツを追い払うかと考えていた。

 「そう?覚えが良くて、よく気が付くし、優秀だよ。お客様にも好かれてるし… 皓季こうきくんは、学生なんだね?」

 「専門、服飾関係なんですけど、パターンナー目指してます!」

 「技術職だね。すごいね。実家から通ってるの?」

 「はい、学校も家から近いっすからねwあ、優季コイツのアパートもwww」

 そうだ。俺の実家は俺のアパートから自転車チャリで三十分の距離にある。そもそも俺が近居の実家を出たのも、せめて一分一秒、永遠に皓季コイツから離れたかったからだ。本来なら三万光年離れた地にでも引っ越すべきだったんだろうが、その頃は俺はまだ学生で、学校に手近に通える距離から出られなかった。そして学校を辞めてからも引っ越す金がなくて、その後は惰性で住んでいる。

 生まれてこのかた俺のアイデンティティは、皓季コイツと双子であるという現実の前にすり潰されてきた。俺は物心ついた頃から、ひたすら皓季コイツから距離を取ることに気を割いて生きてきたのだ。

 親が阿呆だと子供は苦労する。ウチの親は、俺達を二人で一人前だと認識しているらしかった。服も持ち物も、全く同じもの。何もかも、どこへ行くのも一緒。その上、ただでさえ見分けのつかない外見なのに、皓季コイツと俺の名前は、カナも漢字も一字しか違わない。生まれてこの方、俺の人生は、誤認と訂正の連続だった。俺の過去十七年間で、紛らわしい名前の双子であることによって生じた不都合と訂正により排出された二酸化炭素量は、日本国民一人あたりの一年間の二酸化炭素排出量を優に超えていると俺は踏んでいる。

 双子と言ったって、其々は一個の人間だ。性格だって、食べ物の好みだって、やりたいことだって違う。だが、俺達のそういった差異は、あたかもどちらかが誤りであるかのように無視され、双子という呼び名の下に常に一括ひとくくりで定義されてきた。そうだ、常に声のデカイ方、皓季こうきが優先されてきたのだ。だがそれさえ俺達の親は気付いていない。何故なら全く見分けがついていないからだ。故に俺達を平等に扱ってきたと思っている。

 俺だって、ただ黙ってそんな状況を受け入れてきたわけじゃない。なんとか見た目に差をつけようと、頭を丸刈りにしたことだってある。だが翌日には、同じ様に丸刈りにした皓季コイツが現れ、俺は自分の無力さを思い知った。後に残された俺が出来ることと言えば、普段から目を半開きにしておくことくらいだった。
そんな状態が中学まで続いた。義務教育さえ終えてしまえば、皓季コイツと離れられる。俺は策を練り、皓季コイツと親を騙して、想定されていたのとは別の学校を受験した。結果、皓季コイツは私立の男子校に、俺は共学の公立高校へと入学し、本来なら俺に掛かったであろう学費コストを三分の一に抑えた上で、ようやく俺は普通の一人前の人生を手に入れた。俺は高校ではバンドをやり、ビッチの彼女を作って一人前の自分の人生を謳歌し、皓季コイツはコイツで、どの角度から見ても満遍なく地雷原の”私立の男子校”という閉鎖空間で、持ち前の老け顔を武器に二次性徴前の可愛いらし目の下級生を侍らせては拗らせ、順当にク◯ビッ◯ホモ野郎になったようだが、そんなことはどうでも良かった。
 そして俺は高校を卒業した後、実家を出た。専学をドロップアウトしたのは俺の中でも想定外だったが、今や俺は社会人、一方、皓季コイツは学生。距離は順調に開いていっている。

 「えーでもでも!!エージさんってー!」

 ハイテンションな皓季こうきの声が耳に入ってきた。遇ってまだ一時間足らずで『逸崎さん』から『エージさん』に発展させてやがる。俺は目を上げて、この時初めてマトモに皓季こうきの顔を見た。獲物を狙う目だ。有り得ないことに先輩を狙ってやがる。皓季コイツ、ショタガキ限定じゃなかったのかよ💢‼︎

 「先輩、気をつけて下さい。皓季コイツはホモです」

 俺が口を挟むと、皓季こうきが箸で摘んでいたキャベツを投げつけてきた。

 「ちょっ!優季オマエ、何言ってんだよ!!」

 「事実じゃねーか」

 俺はキャベツを払い除け、焼き網に載せた。

 「皓季オマエ、コレ、責任持って食えよ?」

 「はあっ?!事実って?こういう話は繊細なワケ。場所とかタイミングとかいろいろあんだろーが?フツー?!」

 「何がタイミングだよ… 皓季オマエ、鏡見てこい。下心がアッチコッチからハミ出してんぞ。眼光ギラつかせて言うことかよ?」

 「はあ?!ギラついてねーし💢」

 「だから鏡見て来いつってんだろ💢気付いてねーのお前だけだからよ?」

 「ぁあ“ん💢?!」
 「💢ぉう”?!」

 「ユキちゃん…二人とも…喧嘩しちゃだめだよ?」先輩が割って入った。

 「喧嘩じゃないです、これが俺達の通常運転、皓季コイツがホモ野郎なのも通常運転です」

 「優季オマエ、バカにしてんだろ?!」

 「だったら何だ、あ“?」

 「エージさん、酷いと思いません?これって差別ですよね?!」

 隣の先輩を見ると目が合った。先輩はめちゃくちゃ素敵な笑顔を貼り付けたまま、何か言いたそうに俺の方を向いていた。だが、今の俺は先輩のフォローに周っている場合じゃない。取り掛かるべきは、目の前の敵の排除だ。

 「ちげーよ。皓季オマエがホモ野郎なのは事実だし、ホモにホモって言っただけで『ホモはバカ』とか言ってねーし」

 「ホモホモ連呼してるじゃねーか、態度で判んだよ!この低能💢」

 「それは皓季オマエの被害妄想だ」

 何故なら俺もホモだからだ。
だが俺は、皓季コイツに此方のカードを見せてやるつもりはない。少なくとも俺はこれまで皓季コイツが汚れきったペドホモ全開の高校生活を送っていた時でさえ、ホモネタで弄ったことはなかった。
 俺がヘテロだったからだ。これでも俺は人として最低限のラインを守ってきたつもりだ。だがこれからは違う。差別を悪とし、多様性を尊ぶ文化的に高度な社会においては、黒人を“Nで始まるあの単語“で呼んでいいのは黒人だけだと言われるように、ホモセクシャルを『ホモ』と呼び捨てて良いのもホモだけなのだ。そして、先輩と付き合う覚悟をつけた俺も当然ホモであるから、ホモをいくら『ホモ』と呼び捨ててもなんら問題はない。
 ホモを公然と『ホモ』と呼べるのは、ホモだけに許された当然の権利、否、寧ろ、ホモの特権と言っていい。もう俺は、皓季コイツに躊躇も遠慮もいらないのだ。勿論だが、ここでゲイと呼ばずに『ホモ』と呼び捨てているのは、嫌がらせと煽りの意図であり、態とだ。卑怯だろうがなんだろうが、皓季コイツに勝ち、その上で排除出来るなら、俺にとって手段はなんだって構わない。そして俺は今、皓季コイツが色気を出している先輩と密かに付き合っているということで、この勝負で皓季コイツよりも数歩先に出ている。俺は優越感にほくそ笑んだ。

 「ユキちゃんも皓季こうきくんも…楽しく食べよう?」

 先輩がサラダを取り分けた皿を俺の前に置いてくれた。

 「あ、ありがとうございます…」

 「ね?先輩、優季コイツ感じ悪いでしょ?いっつもこんなカンジなんですよ」

 クッソ💢
『エージさん』から『先輩』に言い換えて来やがった。俺を煽って来やがる。俺は怒りに身震いした。俺は半ば炭になったキャベツを皓季こうきの皿に置いた。

 「食えよ」

 「はあっ?! 優季オマエに言われなくても食うし」

 皓季こうきは、自分の皿の上のものを掻き込んだ。殆ど炭のキャベツを食ったことだけは評価してやろう。発がん性物質だったかもしれないが、直ちに死に至る毒じゃないからまあいいだろう。皓季コイツのことは嫌いだが、死んで欲しいとまでは思わない。ただ、俺と被らなければそれでいいのだ。

 「…でも、いいなあ。エージさんみたいな上司の下でなら、俺も働きたいっすよ❤️」

 皓季こうきが言った。俺はそれを聞きながら『そら来た』と思った。皓季コイツは、昔からそうだ。こうやって“俺が居る場所”に必ず割り込んで来ようとする。

 「ふふ…僕は仕事の時は厳しいよね?」

 先輩は、緩やかに笑いながら俺に首を向けた。

 「いや、そんなことないです、でも厳しくても当然です」

 俺は態とキッパリ口調で茶番に乗った。

 厳しい?全然。本当はユルユルだ。うちの会社で一番苦労することと言ったら、遊びに行くのか仕事に行くのか境目がつかなくなることくらいだ。だが俺はそんなことは口が裂けても言わない。俺は何が何でも今のこの場所を死守するつもりだった。
 俺にはわかる。今でこそ二年のブランクがあるから髪型だって違うが、明日になれば、皓季コイツは絶対に俺と同じ髪型にして見た目を寄せてくる。やっと自分で築き上げた場所を、皓季コイツなんかに1ミクロンたりとも入り込ませない。

 「営業?ってどんな仕事するんですか?俺にも出来ますか?」

 だが、皓季コイツもちょっとやそっとでは、引かなさそうだ。

 「きっと出来るよ…それにしてもユキちゃんが双子で、二人がこんなにソックリだなんて、社長が知ったら驚くだろうなー」

この緊迫した状況でも、先輩はのんびりしたもんだった。

 「あー、社長はこういうオプション、好きそうですよね」

 俺は先輩の話に合わせながら、皓季こうきを如何にして排除するかと考えあぐねていた。

 「うん、基本、”オプション全盛り“の人だからねw絶対会いたがると思うよ」

 「皓季コイツなら顔パスですもんね?」

 「そうだねw」

 皓季こうきの顔に、一瞬、クエスチョンマークが過るのを俺は見逃さなかった。

 「あ、ウチの会社は社員全員『顔採用』だから。俺もそうだけど、皓季オマエは、おんなじ顔だから、全然オッケー。クリアしてるってこと。…うちの会社はちょっと変わったトコあるけど…でも居心地は良いから…?親族会社だからアットホーム?って感じだし、社長も『社員は全員自分の息子』とか言ってるしwちょっと変わってるけど社長も専務もいい人だし、休みの日とか、社員で集まって遊んだりするし…」

 つらつらと言っている内に、俺の中でここ一、二年、すっかり眠っていた“ 対皓季こうきスキルが覚醒した。ここからは俺のターンだ 。 俺は、いつもは七割程度の開眼率を十割まで引き上げ、一気に捲し立てた。

 「給料は…まあ、高卒にしては貰ってる方だと思うけど、でもそれは重要なことじゃない!大事なのは、やり甲斐だし!!」

 「自分が会社にどれだけ貢献できるかっていうのが一番大事だし、会社からも求められてる??それを一個一個自分の中で確実なものにしていけるかっていうのが、本来の仕事なんだと思う!!」

 「そういう意味で、ウチの会社は、なんていうか、イレブンっていうの?いやワンチーム?すごく纏まってるし、その中に自分が居るってことも今は凄い重要&誇りに思ってる!!!」

 「必要とされているってことがすごく自分にキてる、その辺、感謝してるしその感謝をこう、自分でも返していきたいっていうか、そういう気持ちにさせてくれるのがイマの会社で!!!!!」

 後半は何を言ってるのか自分でも判らなかった。呆気にとられて俺を眺める先輩を横目に、俺は眼に光を滾らせ、熱く語りまくった。目の前の皓季こうきの顔が引き痙っている。ブサイクな顔だ。俺も気をつけよう。引き潮のように皓季コイツの興味が引いていくのがわかる。そうだ、もっと引け。御風呂場豆腐店に皓季オマエの椅子はない。

 俺はその後も更に三十分くらい熱く語り続け、黙ったのはデザートの時くらい、帰りの車の中でも喋り続けた。最後の方は俺しか喋ってなかったが、そんなことはどうでもいい。実家の近くのコンビニで、皓季こうきを降ろし、ケツを蹴っ飛ばして家に返すと、俺はようやく一息ついた。ついでにコンビニで紅茶と水を買って、先輩の待つ車に乗り込んだ。

 「先輩、レモンティーでよかったですか?」

 「うん、ありがとう」

 喋りすぎて喉がカラカラに乾いていた。冷えた水を一気に喉に流し込むと、指先まで染み込んでいく気がした。俺はひと仕事終えた達成感を噛み締めた。これで皓季こうきは、当分、俺に寄り付かないだろう。ふっ…俺は笑いを噛み殺した。

 『これが社会人と親に養われているお子ちゃまとの差だ…』

 「…ユキちゃんは… 皓季こうきくんと、あまり仲が良くないのかな?」

 それまで黙っていた先輩が、遠慮がちに俺の顔を覗き込んだ。

 「今後アイツと顔を合わさずに済むカードが目の前にあるなら、迷わずに引く…ってくらいには。大嫌いです」

 「急に様子が変わったから驚いたよ。ユキちゃん、あんな顔するんだね。すっごく目がキラキラして周りに星が飛んでたよ?」

 「ええ。でも、言ったことは全部ウソじゃないです…ちょっとテンションが違ってただけで」

 そう言うと、先輩が思い出したように、小さく吹き出した。俺も可笑しくなって笑った。

 「呆れました?」

 「うぅ…うん、なんか一生懸命で可愛かったw」

 「会社で密かに学んだことです」

 「テンション?星の飛ばし方?」

 「そうですww今後は、花の咲かせ方もがんばります」

 「うん、期待してる。がんばってww」

 先輩は、まだ可笑しそうに肩を震わせながらハンドルに突っ伏していた。それを眺めながら俺は、そこはかとなく幸せな気分に浸った。

 「遭わせましたからね?」

 先輩がハンドルから顔を上げて俺を見た。

 「もう街で見掛けても、後を付いて行ったりしちゃ駄目ですよ?」

 そう言うと、先輩は、少し驚いた顔をした。
俺はその顔を見ながら、俺も結構『重い』かも知れない、と思った。



 ※ この回は、2019年12月頃書いたもので、通俗的な皮肉を交えたジョークという以外の特別な意味合いはありません。また、2020年2月以降に始まったポリティカル・コレクトネスにまつわる運動や活動については、一切関係がありません。また、そういった政治的な活動や発言を意図したものではありません。



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