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劣情 2 ※致してますのでご注意を

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 耳と心を擽ったその一言に、ぎりぎりのラインで保っていた理性の箍が外れて行く音が聞こえ、気がつけば夢中になって悠の身体を貪っていた。

 腫れ上がってしまうのではと思えるくらいに重ねた唇から首筋へ舌を這わせ、仕事上痕はつけないように慎重に口づけ、そこから続く隆起のない滑らかな肌を滑り降りて淡く色づく小さな先端に吸い付けば、小さく身体を震わせた悠の声が漏れ聞こえて来る。

 執拗にそこを舌で攻め立てながら片手を下着の中へ滑り込ませると、そこは自分と同じように熱を持って膨らみ、ぬめりを帯びた体液が滲み出ていた。

 掌にそれを塗りつけ膨らんでいるそこ全体へ伸ばすように扱けば、くちゅりと卑猥な音を立てながら更に嵩を増し、完全に下着を取り払った所で大きく膨らんだ先を口に含むと、悠の手がそれを制するように頭へ載せられ、けれど、決してそれから口を放さないまま、どうしたと言う意味合いを含めた視線だけを寄越せば、


「やめろよ……っ、そこっ、汚いから」


 今にも泣き出してしまいそうな顔をして、あまりにも初々しい反応を見せる悠に、つい意地悪をして見たくなる。


「えー……、じゃあ俺のも汚いって事? ショックだなぁ……」


 そう意地悪く言い放ち、わざとらしく肩を落として見せると、慌てた悠がそうじゃないと首を振って懸命に否定する。

 少し意地悪が過ぎただろうかと罪悪感を覚えた玲央が、冗談だといつもの通りに笑って行為を続けようと再び舌先を伸ばした直後、何を思ったのか、起き上がった悠は玲央の下着に手をかけると一気にそれを剥ぎ取り、あろう事か空気に晒された玲央の物を口に咥え込んで見せ、拙いながらもくちびるで甘く食み、舌で懸命にそれを愛撫し手で扱き始めた。


「悠っ……、何やって……」


 予想外の出来事に悠を引き剥がそうと試みるも、悠から与えられる刺激には抗えず、時折、じゅるりと啜り上げる音が更に興奮を煽り、快感が高まると同時に気がつけば悠の頭を押さえ込んで、そのまま欲の塊を吐き出してしまった。

 息苦しさから解放され、喉の奥に絡みつく体液に咽る悠へ、慌ててティッシュを差し出し吐き出せと促したが、彼は頑として口を開けることはなく、そのまま全て飲み下すと、


「玲央のは……っ、汚くなくなんて、ないから」


 どうしてこうも嬉しい事を言ってくれるのかと、悠の紅い口端を汚している薄く濁った体液と唾液を指で拭って口付けながら、悠の穴隙(けつげき)へ拭った体液を馴染ませるように撫でつければ、初めて他人に触れられた違和感のせいか、悠の肩が大きく揺れるのが見えた。

 少し、性急すぎただろうか。


「悠の嫌がることはしたくないし、この先が怖いなら、今日はこれでやめるから」


 緊張からなのか、それとも未知の領域へ足を踏み出さんとしている不安からなのか、小さく震えている悠の身体を安心させるように抱き締めて頭を撫でてやれば、何かを決意したかのように玲央を押しやり、視線を合わせた悠は、


「やめない。玲央だから、続きがしたいし……、もうずっと、玲央のことは信頼してるから、大丈夫」
「そんな事言ったら、本当にやめて欲しくなっても、俺、やめらんねーからな」


 悠に最終宣告だと言わんばかりにそう告げれば、彼は大丈夫だからと強く頷いて見せ、それを確認した玲央は、乾き初めていた自分の指をぺろりと舐めて湿らすと、再び緊張して窄まっている穴へと這わせ始めた。

 緊張を解すように優しく丁寧に刺激を与えながら、緩みを見せたところで少しずつ指を押し入れ、今度は内部の粘膜を傷つけないよう、慎重に指を動かし慣らしながら頃合を見てまた一本と指を押入れて行く。

 時折、指の動きに反応して声を洩らしがら不安そうな顔で様子を窺う悠を安心させるように、何度も口づけて、空いている手で頭を撫でてやれば、いつの間にかそこは、3本目の指まで飲み込んでいた。


「そろそろ、かな?」


 そう口にしてふと、思い立った玲央が布団の横に置いてあった鞄を探って取り出したものは、どこにでも市販されているコンドームで、いつの間に用意していたのかと聞きたそうな顔をしている悠に、


「大事だろ、こう言うの。お互いの為にも。紳士のたしなみってやつ?」


 緊張を煽らないよう、いつもどおりの調子でそう言いながら手早く装着を済ませた玲央は、じっと此方を見つめていた悠の額にくちびるを落とすと、粘膜を傷つけないよう慎重に先端から悠の中へと沈み込ませて行く。


「っ……、いっ……、ぁっ」
「悠っ、……大丈夫?」


 悠の緊張を取り払い、時間をかけ丁寧に解したとは言え、元々こう言う行為をする為の器官ではないせいか、異物を押し出そうとする抵抗に加えて締め付けも想像以上に強く、思わず眉を顰めると、心配そうな顔して此方の様子を窺っている悠が目に映った。

 一番痛い思いをしているのは悠の方だと言うのに、痛みを訴える言葉を出さないように手で口元を押さえている健気な姿が愛しく、たまらずその手を掴み悠の上体を引き上げ、向かい合わせになるように腿の上に座らせれば、更に深く悠の中へと玲央が沈み込み、これ以上は沈み切らないと言う場所まで入った事を確認すると、悠が慣れるまでは決して乱暴な動きにならないよう、浅くゆっくりと動き始める。

 それから漸くのことで悠が僅かな快感を覚え始めた頃には、甘い声が微かに漏れ出し、弱い刺激に物足りなさを感じていたのか、玲央の首に回した腕で身体を支え、自らもっと強い刺激を求めて動く様がいやらしく目に映り、既に我慢も限界に達していた玲央は悠の身体を倒し組み敷くと、今まで堪えていた欲を吐き出すかの如く、激しく悠へ腰を打ち付けた。


「……悠、……好きだ、っ」
「っ…、ぁ……、玲、央、」



 快楽に蕩けた悠の扇情的な瞳に映っているのが、自分だけである事を何度も確認するように覗き込んでは瞼に口付けを落とし、何度口にしても伝え足りないと想いを告げ重ねて激しく欲をぶつけ揺さぶる玲央に、悠は必死でしがみ付いてくる。



「悠……、好き……、好きだ」
「玲……っ央……、す……きっ」




 与える快感に身を捩じらせながら、うわ言のように自分の名を呼ぶ悠が愛しくてたまらない。

 その名を呼ぶ声すらも空気に溶けて行くのが惜しくて、悠の吐息ひとつもすべて飲み込むかのように深く口付ければ、息苦しさのせいか、玲央を必死で受け止める穴の締め付けが一層強まり、それと同時に悠の物からも快楽の証跡が溢れ出し、燻り続けていた玲央の欲念も、搾り取られるかのようにゴム越しに悠の中へと吐き出される。

 最後の一滴も溢すまいとして離さない貪欲な悠の身体を強く抱き締めると、遠慮がちに伸ばされた両腕が背に回され、冷め遣らぬ余韻に二人で酔い痴れた。

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