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第3章「正義のシスター」
第34話「次の標的」
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僕はまだまだあるパンの一つ、また頬張る。お腹に溜まっていく感じはあるけど、もう少し食べたい。
リリーはまだ何か言いたそうにしていたけど、ふいにライラの方を向いた。僕もつられて見ると、寝ていたはずのライラが目を開けていた。髪が避けられていて、初めて目を見ることができた。薄紫色の宝石のような綺麗な瞳。やっと起きたらしい。どこかとろんと眠そうにしている彼女はぼやっとこっちを見ている。僕を見ているのかパンを見ているのか。どっちなのか、彼女の薄紫色の瞳の視線の先を考えていると――盛大にお腹の音が屋根裏部屋に鳴り響いた。
どこから聞こえてきたのかは明白だった。僕が見ている先でライラはみるみる顔を真っ赤にしていった。ブランケットに顔を埋める。だが、彼女のお腹の音は何度も鳴り、とうとう一度は隠れた彼女の顔は再び姿を現わした。目だけをブランケットから出して、じっとパンを見ている。……なんだか、こっちが悪いことをしている気分になってくる。
僕は袋からパンを一つ取り出し――パンを移動させると、彼女の紫色の眼も動く――彼女の前に置いた。
「食べていいよ。お腹空いているでしょ?」
ライラは無言でこくっとうなずき、身体を起こした。僕の身体が限界なこともあって、まだ彼女はあの部屋にいた時と同じ黒いボロボロになった服のままだった。ライラはそのことに気付いたようでさっとブランケットで身体を包んだ。じとっと僕を見てくる。何も話してこないが無言の圧だけは感じる。
「いや、その……」
どこから言うべきか迷っていると、彼女のお腹の音がまた鳴る。ライラは目を伏せ、そっとパンに手を伸ばした。そして、さっとパンを手に取ると、もぐもぐと食べだした。幸せそうに顔が緩む。なんだか動物に餌を上げている気分だった。パン一つがあっという間になくなる。
じっと僕を見てくるので、またパンを一つ置くと同じようにもぐもぐと食べだす。
「ふふっ、可愛いね」
リリーにつられて、僕も笑ってしまう。
「むう、何笑ってるの?」
やや掠れた声で言いながら、ライラがじとっと見てくる。まだ、喉が治っていないのかもしれない。
ライラの問いには答えず、僕はベッドを降りた。近くに適当に置いておいたテーブルの上からコップを二つ持ってくる。
僕がベッドに戻ると、彼女は袋に入っているパンを漁っていた。このままでは僕の分までなくなりそうだ。すごい食欲だな。気持ちは分かるけど。
僕はベッドに上がると、ライラの前に座った。ベッドにコップを置くと、手に魔力を集めて水の玉を出す。それを数回繰り返して、コップに水を入れた。
「そんなに急いで食べると、喉つまらせるぞ。……あと、俺も食うからな」
コップを彼女の目の前に差し出すと、パンを食べるやめ、そっとコップに手を伸ばしてくる。両手でコップを掴んで、なぜかくんくんと水の匂いを嗅いでいた。
「毒なんか入れねえよ。今、目の前で入れただろ?」
ライラは視線を水と僕を何度か行き来して、ようやく水に口を付けた。かなり警戒していたくせに、かなり喉が渇いていたらしい。こくこくっと美味しそうに喉を鳴らして水を飲んでいく。おとがいを上げていって、ついには飲み切ったようで、コップから口を離すと、けぷっと軽いゲップ音を鳴らした。
ゲップしたことが恥ずかしかったようで、耳まで真っ赤にしている。それなのに、僕を見ながらずいっとコップを差し出してくる。水を飲みながら、一連の流れを見ていた僕は、コップから口を離すと、呆れつつも彼女のコップに水を入れた。彼女はコップに水が入るやいなや、またこくこくと水を飲みだす。
今のうちに、と僕は彼女が持っていたパンの入った袋に手を伸ばす。手元に引き寄せ、中を覗くと明らかに数が減っていた。この速さで食べて、よく喉を詰まらせなかったな。僕がパンを取り出しつつ、ライラをちらっと見ると、すでに水は飲み干されており、空になったコップがベッドに転がっていた。彼女の視線は僕の持っている袋に注がれていた。
「食いすぎるなよ」
「うん」
僕がライラとの間に袋を置くと、彼女は嬉しそうに返事した。二人でそうして食事をしていると、袋に大量に入っていたはずのパンはあっという間に無くなってしまった。
「二人ともよく食べたねー」
感心半分、呆れ半分と言った様子でリリー僕の後ろで言葉を漏らした。自分で思っていたよりもお腹が減っていたらしい。かなり夢中になってしまった。
「ふうー……」
ごくっとコップに入った水を飲み切って、僕は一心地ついた。やっと色々落ち着くと、次のことについて頭が考え始める。次の標的はナンシーだ。彼女を殺すにあたって、僕は街に勇者パーティーの黒い噂を流すのと、勇者教会を調べようと思っていた。
黒い噂でアーサー達が孤立すれば、勇者教会からも圧力もあって、アーサーも相当苛立つだろう。そして、油断が、隙が出来る。真正面から勝てないのは分かっている。ジェナがいなくなった今、アーサーとナンシーを別々に行動させたかった。なんだかんだ言って、ナンシーは勇者教会側の人間だ。アーサーが勇者に相応しくないと判断すれば、あっさり切るはず。彼女ならそう行動する。その間に、まずはナンシーを殺す。
ナンシーはいわば勇者パーティーの頭脳で、彼女がいなくなれば大分やりやすくなるはず。
ナンシーはただの人間じゃない。はっきりと訊いたことはないけど、彼女は人間にも関わらず数百年は生きているはずだった。ジェナがその辺のことをいじっているのを聞いたことがあり、半ば冗談だろうと思っていたけど……、この国に置いて魔法最強と言われる聖女の彼女なら有り得そうな話だった。どういう理屈かは分からないけど、魔法で不老不死にでもなっていたら困る。いざという時に殺せない。彼女のパーティーハウス以外の拠点――勇者教会を調べれば本当なのかどうなのかも分かるかもしれない。というかそれ以外に調べようがなない。パーティーハウスは以前、散々調べて何もなかったし、なにかあるすれば勇者教会だけだ。
それにしても、不死なのかと考えると、いくつか思い当たる節はあった。ナンシーが自信以外の治療をしているのは見たことはあるけど、大怪我をした時でさえ自分自身の治療をしているのを見たことは無かった。大抵戦闘中でナンシーを見ている暇はなく、彼女はいつの間にか復活していた。僕はてっきり、自身の魔法でどうにかしていると思っていたけど、元々不死の身体になっているとしたら話は別だ。僕の復讐の障害になる。
だから、勇者教会を調べたいけど――まずは、街に噂を流してからになるだろうか。担ぎ上げている勇者に不信感が募れば、色々ともろくなるだろう。
リリーはまだ何か言いたそうにしていたけど、ふいにライラの方を向いた。僕もつられて見ると、寝ていたはずのライラが目を開けていた。髪が避けられていて、初めて目を見ることができた。薄紫色の宝石のような綺麗な瞳。やっと起きたらしい。どこかとろんと眠そうにしている彼女はぼやっとこっちを見ている。僕を見ているのかパンを見ているのか。どっちなのか、彼女の薄紫色の瞳の視線の先を考えていると――盛大にお腹の音が屋根裏部屋に鳴り響いた。
どこから聞こえてきたのかは明白だった。僕が見ている先でライラはみるみる顔を真っ赤にしていった。ブランケットに顔を埋める。だが、彼女のお腹の音は何度も鳴り、とうとう一度は隠れた彼女の顔は再び姿を現わした。目だけをブランケットから出して、じっとパンを見ている。……なんだか、こっちが悪いことをしている気分になってくる。
僕は袋からパンを一つ取り出し――パンを移動させると、彼女の紫色の眼も動く――彼女の前に置いた。
「食べていいよ。お腹空いているでしょ?」
ライラは無言でこくっとうなずき、身体を起こした。僕の身体が限界なこともあって、まだ彼女はあの部屋にいた時と同じ黒いボロボロになった服のままだった。ライラはそのことに気付いたようでさっとブランケットで身体を包んだ。じとっと僕を見てくる。何も話してこないが無言の圧だけは感じる。
「いや、その……」
どこから言うべきか迷っていると、彼女のお腹の音がまた鳴る。ライラは目を伏せ、そっとパンに手を伸ばした。そして、さっとパンを手に取ると、もぐもぐと食べだした。幸せそうに顔が緩む。なんだか動物に餌を上げている気分だった。パン一つがあっという間になくなる。
じっと僕を見てくるので、またパンを一つ置くと同じようにもぐもぐと食べだす。
「ふふっ、可愛いね」
リリーにつられて、僕も笑ってしまう。
「むう、何笑ってるの?」
やや掠れた声で言いながら、ライラがじとっと見てくる。まだ、喉が治っていないのかもしれない。
ライラの問いには答えず、僕はベッドを降りた。近くに適当に置いておいたテーブルの上からコップを二つ持ってくる。
僕がベッドに戻ると、彼女は袋に入っているパンを漁っていた。このままでは僕の分までなくなりそうだ。すごい食欲だな。気持ちは分かるけど。
僕はベッドに上がると、ライラの前に座った。ベッドにコップを置くと、手に魔力を集めて水の玉を出す。それを数回繰り返して、コップに水を入れた。
「そんなに急いで食べると、喉つまらせるぞ。……あと、俺も食うからな」
コップを彼女の目の前に差し出すと、パンを食べるやめ、そっとコップに手を伸ばしてくる。両手でコップを掴んで、なぜかくんくんと水の匂いを嗅いでいた。
「毒なんか入れねえよ。今、目の前で入れただろ?」
ライラは視線を水と僕を何度か行き来して、ようやく水に口を付けた。かなり警戒していたくせに、かなり喉が渇いていたらしい。こくこくっと美味しそうに喉を鳴らして水を飲んでいく。おとがいを上げていって、ついには飲み切ったようで、コップから口を離すと、けぷっと軽いゲップ音を鳴らした。
ゲップしたことが恥ずかしかったようで、耳まで真っ赤にしている。それなのに、僕を見ながらずいっとコップを差し出してくる。水を飲みながら、一連の流れを見ていた僕は、コップから口を離すと、呆れつつも彼女のコップに水を入れた。彼女はコップに水が入るやいなや、またこくこくと水を飲みだす。
今のうちに、と僕は彼女が持っていたパンの入った袋に手を伸ばす。手元に引き寄せ、中を覗くと明らかに数が減っていた。この速さで食べて、よく喉を詰まらせなかったな。僕がパンを取り出しつつ、ライラをちらっと見ると、すでに水は飲み干されており、空になったコップがベッドに転がっていた。彼女の視線は僕の持っている袋に注がれていた。
「食いすぎるなよ」
「うん」
僕がライラとの間に袋を置くと、彼女は嬉しそうに返事した。二人でそうして食事をしていると、袋に大量に入っていたはずのパンはあっという間に無くなってしまった。
「二人ともよく食べたねー」
感心半分、呆れ半分と言った様子でリリー僕の後ろで言葉を漏らした。自分で思っていたよりもお腹が減っていたらしい。かなり夢中になってしまった。
「ふうー……」
ごくっとコップに入った水を飲み切って、僕は一心地ついた。やっと色々落ち着くと、次のことについて頭が考え始める。次の標的はナンシーだ。彼女を殺すにあたって、僕は街に勇者パーティーの黒い噂を流すのと、勇者教会を調べようと思っていた。
黒い噂でアーサー達が孤立すれば、勇者教会からも圧力もあって、アーサーも相当苛立つだろう。そして、油断が、隙が出来る。真正面から勝てないのは分かっている。ジェナがいなくなった今、アーサーとナンシーを別々に行動させたかった。なんだかんだ言って、ナンシーは勇者教会側の人間だ。アーサーが勇者に相応しくないと判断すれば、あっさり切るはず。彼女ならそう行動する。その間に、まずはナンシーを殺す。
ナンシーはいわば勇者パーティーの頭脳で、彼女がいなくなれば大分やりやすくなるはず。
ナンシーはただの人間じゃない。はっきりと訊いたことはないけど、彼女は人間にも関わらず数百年は生きているはずだった。ジェナがその辺のことをいじっているのを聞いたことがあり、半ば冗談だろうと思っていたけど……、この国に置いて魔法最強と言われる聖女の彼女なら有り得そうな話だった。どういう理屈かは分からないけど、魔法で不老不死にでもなっていたら困る。いざという時に殺せない。彼女のパーティーハウス以外の拠点――勇者教会を調べれば本当なのかどうなのかも分かるかもしれない。というかそれ以外に調べようがなない。パーティーハウスは以前、散々調べて何もなかったし、なにかあるすれば勇者教会だけだ。
それにしても、不死なのかと考えると、いくつか思い当たる節はあった。ナンシーが自信以外の治療をしているのは見たことはあるけど、大怪我をした時でさえ自分自身の治療をしているのを見たことは無かった。大抵戦闘中でナンシーを見ている暇はなく、彼女はいつの間にか復活していた。僕はてっきり、自身の魔法でどうにかしていると思っていたけど、元々不死の身体になっているとしたら話は別だ。僕の復讐の障害になる。
だから、勇者教会を調べたいけど――まずは、街に噂を流してからになるだろうか。担ぎ上げている勇者に不信感が募れば、色々ともろくなるだろう。
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