巨人族の日記

王国歴６０１年 ７月１０日

王国歴６０１年
７月１０日

今日は海の魔物を退治しに海にやってきた。
海沿いの村から俺達に依頼がきて、海の魔物を退治しなくては、海開きができないとのことだ。
どんな魔物かというと巨大なイカらしい。

みんなはロボットを水中戦用にカスタマイズされているのに、俺だけパンツ一丁で手に持ってる斧をモリに替えただけなのはどういうことだ。
そう博士に文句を言うと、博士は水中メガネをくれた。

結論から言うと、巨大イカは強くなかった。
あっさりと俺達は巨大イカを退治して、戦果とともに浜に引き揚げてきた。
村長が巨大イカを焼いて食べようと言ってきたので、俺はこの巨大イカが人を襲ってないか村長に聞いた。
だって人を喰ってる奴を食べたくないからだ。
村長が言うには巨大イカは特に悪さはしなかったが、海水浴場の周りをずっと泳ぎ回ってて海開きができず困っていたのだそうだ。

デカいというだけで人から怖がられて、挙げ句の果てに退治される・・・
俺は巨大イカと俺自身を重ね、何か他人事のように思えない気がした。
俺自身も王国軍にいなければ今の仲間達が敵となり、討伐されていたかもしれない・・・

俺はしんみりしつつ、巨大イカの塩焼きを口に放り込み、キンキンに冷えたレモンサワーで胃に流しこんだ。