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第1章 疫病と言う夫婦喧嘩
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しおりを挟む「ファ~アッ……」
と、失礼いたしました。
只今、徹夜明けの中馬車に揺られております。
その揺れが、僕に少し眠れと要ってるようで、目蓋がゆっくりと落ちてきてるのです。
あれから三日間の徹夜で机の上の仕事を片付けて、城勤の僕は上司である宰相閣下休暇申請しに向かったが、休暇扱いではなく仕事として現地に向かうことになり、仕事の次いでに奥さんの回収する事となりました(義父曰く、元々現地に誰かを派遣予定だったらしいです)。
暴走した奥さんを回収するなら、次いでに仕事 "ヨロ" みたいな感じで、とても良い笑顔で僕に押し付けてきました(確信犯だと思いますが……)。
暴走した奥さんが悪いのか、その奥さんを娶った僕が悪いのか……。些か疑問もありますが仕方無いですね。
そう言えば、自己紹介してませんでしたね。
僕は、メンテリオス・クロディア。爵位は、侯爵位を賜っていますが、これは、奥さんの絡みでこの爵位を賜っていると言った方が早いでしょう。元は、伯爵位なのですからね。実家は兄が継ぐので、僕は家を出ました。
実家は、代々魔法剣士の家系なのですが、何故か僕は魔力無し(家のお荷物)として生まれたのです。まぁ、僕自身魔力が無いからって僻んでもいませんし、両親も兄も邪険に扱われた事もありません(稀に親戚筋から嫌味は言われたこと有るけど)。
ただ、家を継がない僕がどうやって生計を立てていけば良いのか? 考えなければならなかった。家は、先程述べたように魔法剣士。魔法を使えなくても剣義は極める事は出来るので、親に稽古を付けて貰っていました。気付けば、兄と互角以上になっておりました。だけど、剣で生計を立てるつもりは、最初から考えていなかったので、官僚になれば城勤めになれば、それなりのお給金を得れるのではと思い、十三歳から十八歳の子息令嬢が通う王立学園で、政治・経済の勉強を専攻しつつ、貴族の在り方を改めて学び直していた(この間浮いた話しは一つもありませんが、何か)。
そして、念願の城勤めが叶ったのですが、何故か配属された場所が、宰務省でした。僕にとっては、嬉しくない場所でした。何故かと言うと、学園の諸先輩方から聞いた話では、"宰相様は、怒りやすく周りを困らせる天才だ" とか "無理難題を突きつけてくる" とか聞いたので、自分では到底無理だと尻込みしていたのですが、入ってみるととてもクリーンな環境で無理難題を押し付けて来る事もなく、全て計算し尽くされた場所でした。宰相閣下は、各々の得意分野を把握しているみたいで、それに乗っ取って仕事をしていると言う物でした。その時、流石だと思ったんです。そして、僕が入った途端に全ての仕事を僕に嫌がらせのように渡されましたが、驚きはしたものの、渡された仕事を全て一人でこなし、宰相閣下に渡せば。
「これ全て一人でやったのか?」
僕が渡した書類に目を通しながら聞かれたので。
「先輩方に聞きながら、本や資料を調べて全て自分の手でやりました。」
萎縮しながらも答える。
「ほう、そうか。お前は今から私の右腕になって、馬車馬のように働け。」
と仰ったんです。
僕は、その言葉に呆然とするしか有りませんでした。
後に先輩方に聞いたのですが、新人に一度全ての仕事を任せ、得意不得意を把握する為だけに有るそうなんですが、僕には、そういうのが無かったた為右腕とされたようでした。
「早速だが、君には今からラウドに行って調査してきて貰おうか。」
唐突な言葉に疑ったが、何やらの悪事が起きているらしい。
それが、街ぐるみなのか、一部の者が起こしているのかを調査してこいとの事だ。
街ぐるみでの事ならばその長を、一部の者ならその者達を見つけ出し連れて来いとほぼ命令口調で告げられたのだ。
命令だから従うしかないが、これって警羅隊が必要なのでは? と思わなくもないが。
「わかりました。」
僕は、渋々ながらその手渡された書類を手にし部署を出ると、直ぐに準備に取り掛かり調査を行い、結果報告をすると何故か宰相閣下に気に入られてしまいました。
気付けばそれ以来、宰相閣下にこき使われ……あっちこっちに飛ばされていました。
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