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プロローグ
しおりを挟むバン!!
突然、執務室の扉が勢いよく開け放たれ、何事かと書類からそちらに目を向けるとそこには、濃茶のウェーブ髪を頭上に一つにくくりつけ澄みきった青空の瞳をキラキラとさせて村娘の様なワンピース(生地は上物)姿の奥さんが、意気揚々と立っていました。そして、僕に何かを訴えるような顔をしているのは何故でしょう?
僕には心当たりはありません。
しかし、何故か嫌な予感がするのです。
「どうしたのですか?」
僕は、揺ったりとした口調で奥さんに声を掛けましたが、奥さんは僕の目も見ず明後日の方向に向いています。
あぁ、これ何時もの衝動ですか……。
何て思っていれば。
「旦那様。私は行かなければならない場所があるのです。ですのでこのまま行かせて頂きます。」
そう口にすると、目の前から忽然と姿を消したのです。
本当に、行動力有り過ぎです!!
ハァ~。
これで何度目でしょうね。
僕の奥さんは、好奇心旺盛で仕方ないのです。ですから、普段から彼女の耳に入らぬように細心の注意を払っていたのですが……。今回は、何処で耳に入れてきたんでしょうね。
昨日までは普通に過ごしていたので、本日の予定の中にあったのでしょう。
僕には、今の処止める手立てがありませんので、仕事を片付けてから迎えに行くしか無いのです。
まぁ、先程の事でお気付きでしょうが、奥さんは魔力を持て余す程有る人なので、何かあれば直ぐに飛んで行ってしまうのですが、生憎僕には魔力が無いので直ぐに追う事は出来ないのです。
今回の場所は把握済みなのですが、迎えに行くまでに何日懸るのやら……。
彼女は跳ねっ返りの所があり、何時も目的と違う事件(?)を引き起こす天才で、それを納めるのに毎度頭を痛めていますけど……。
しかし、今回は上手く隠せていたと思うんですが、一体何処で耳にして来たのでしょうか?
僕は、奥さんの本日の予定を追順していった。
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