128 / 145
高校生編と再婚約の条件
不安案件…悠磨
しおりを挟む今日は、校内レク。
何時ものように亜耶と待ち合わせて、学校に行くが、亜耶の様子が可笑しい。
「亜耶、大丈夫か?」
オレは、心配になって声をかけた。
何かあってからでは、遅いし。
でも。
「大丈夫だよ。」
笑顔で返してくるが、それがとてもギコチない。
また、無理するんじゃないかと心配になる。
「もし辛かったら、保健室に行く事。もしくは、透に言う事、わかった?」
オレは、強くそう言いはなったが。
「悠磨くんったら、心配性なんだから……。」
言いながら苦笑してるけど、笑えてないから。
その顔、すごく痛々しいから……。
亜耶は、心配性だと言うが、好きな娘が辛そうにしてるのを心配しな奴は居ないと思う。亜耶以外の娘が辛そうにしてても、オレは気付かないと、思う。
亜耶が、何か言いたそうな顔をしてるが言い出せない言葉があるのは、オレも気が付いてる。
オレが、それを言えるわけがない。この関係が壊れてしまうことをわかってるから……。
学校に着くと教室には入らず、グランドに集まることになっていた。
オレは、亜耶と別れ、自分の班が集まってる(あらかじめ決められてる)場所に向かった。
「おはよう、渡辺。」
そう声をかけてきたのは、亜耶のクラスメートの河合龍哉。
「おはよう、河合くん。」
オレがそう返すと。
「なぁなぁ、堅いの嫌いだから、亜耶ちゃんが呼ぶように“悠磨”って呼んでいいか? もちろん俺の事は、龍哉でいいし。」
軽いノリで言われれば、頷くしかない。
「今日は、宜しくな。悠磨。」
「こちらこそ、宜しく龍哉。」
気軽に返してた。
「ここって、11班でいいのかな?」
と聞かれて。
「あっ、はい、そうです。」
龍哉が答える。
「えっと。僕は、舘石馨って言います。宜しくお願いします。」
丁寧に挨拶されて、オレ等も各々名のった。
「じゃあ、僕が二つ上なんだね。」
ってにっこり笑う。
目の前に居るこの人、少し幼さを残してて同じ歳にしか見えないんだけど……。
「馨くん。馨くんも11班なの?」
嬉しそうな顔をして、舘石先輩に抱き付く女性徒。
「はい、そうですよ。僕は、昨日の班振り分けのプリントで気付いてましたが、葉子さんまた、プリントちゃんと見てなかったのですね。」
舘石先輩がそう言うと、呆れたような顔をして溜め息を付く。
見てると面白い、夫婦漫才みたいだ。
「ほら、葉子さん。二人に挨拶してください。」
苦笑混じりで舘石先輩が言う。
彼女も、オレ達に気付き少し恥ずかしそうに。
「乾葉子と申します。学年は、1年で馨くん……舘石先輩の彼女です。」
と挨拶した。
そんな彼女を愛しそうな目で見つめて、頭を撫でている舘石先輩。
この二人を羨ましく思ってしまう。
その間にも龍哉が自己紹介をする。
オレも後に続いてした。
「なぁ、悠磨。お前、元気なくねぇ?」
龍哉が、心配気に聞いてきた。
「そんな表情に出てたか。」
オレの言葉に龍哉が頷く。
「亜耶の事が、心配なんだよ。一緒に登校してきたんだが、顔色がよくなくてな。あいつ、他の人に頼らないところがあるから、気になるんだよ。」
中学三年間で、思ったんだよなぁ。
誰の手も借りずに自分だけで片付けてしまう。少しは、頼って欲しいって思ってた。
「あぁ、そうだな。亜耶ちゃん、人に頼るの苦手そうだ。育った環境のせいじゃないか?」
龍哉が、淡々と口にする。
何で、そんなこと知ってるんだ?
こいつ、もしかして透と同類なのか?
そこに残りの二人のメンバーが着て、舘石先輩がテントに報告しに行った。
0
お気に入りに追加
114
あなたにおすすめの小説
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
ずぶ濡れで帰ったら彼氏が浮気してました
宵闇 月
恋愛
突然の雨にずぶ濡れになって帰ったら彼氏が知らない女の子とお風呂に入ってました。
ーーそれではお幸せに。
以前書いていたお話です。
投稿するか悩んでそのままにしていたお話ですが、折角書いたのでやはり投稿しようかと…
十話完結で既に書き終えてます。
【完結】やさしい嘘のその先に
鷹槻れん
恋愛
妊娠初期でつわり真っ只中の永田美千花(ながたみちか・24歳)は、街で偶然夫の律顕(りつあき・28歳)が、会社の元先輩で律顕の同期の女性・西園稀更(にしぞのきさら・28歳)と仲睦まじくデートしている姿を見かけてしまい。
妊娠してから律顕に冷たくあたっていた自覚があった美千花は、自分に優しく接してくれる律顕に真相を問う事ができなくて、一人悶々と悩みを抱えてしまう。
※30,000字程度で完結します。
(執筆期間:2022/05/03〜05/24)
✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
2022/05/30、エタニティブックスにて一位、本当に有難うございます!
✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
---------------------
○表紙絵は市瀬雪さまに依頼しました。
(作品シェア以外での無断転載など固くお断りします)
○雪さま
(Twitter)https://twitter.com/yukiyukisnow7?s=21
(pixiv)https://www.pixiv.net/users/2362274
---------------------
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
完)嫁いだつもりでしたがメイドに間違われています
オリハルコン陸
恋愛
嫁いだはずなのに、格好のせいか本気でメイドと勘違いされた貧乏令嬢。そのままうっかりメイドとして馴染んで、その生活を楽しみ始めてしまいます。
◇◇◇◇◇◇◇
「オマケのようでオマケじゃない〜」では、本編の小話や後日談というかたちでまだ語られてない部分を補完しています。
14回恋愛大賞奨励賞受賞しました!
これも読んでくださったり投票してくださった皆様のおかげです。
ありがとうございました!
ざっくりと見直し終わりました。完璧じゃないけど、とりあえずこれで。
この後本格的に手直し予定。(多分時間がかかります)
冷血弁護士と契約結婚したら、極上の溺愛を注がれています
朱音ゆうひ
恋愛
恋人に浮気された果絵は、弁護士・颯斗に契約結婚を持ちかけられる。
颯斗は美男子で超ハイスペックだが、冷血弁護士と呼ばれている。
結婚してみると超一方的な溺愛が始まり……
「俺は君のことを愛すが、愛されなくても構わない」
冷血サイコパス弁護士x健気ワーキング大人女子が契約結婚を元に両片想いになり、最終的に両想いになるストーリーです。
別サイトにも投稿しています(https://www.berrys-cafe.jp/book/n1726839)
私が死ねば楽になれるのでしょう?~愛妻家の後悔~
希猫 ゆうみ
恋愛
伯爵令嬢オリヴィアは伯爵令息ダーフィトと婚約中。
しかし結婚準備中オリヴィアは熱病に罹り冷酷にも婚約破棄されてしまう。
それを知った幼馴染の伯爵令息リカードがオリヴィアへの愛を伝えるが…
【 ⚠ 】
・前半は夫婦の闘病記です。合わない方は自衛のほどお願いいたします。
・架空の猛毒です。作中の症状は抗生物質の発明以前に猛威を奮った複数の症例を参考にしています。尚、R15はこの為です。
夫の不貞現場を目撃してしまいました
秋月乃衣
恋愛
伯爵夫人ミレーユは、夫との間に子供が授からないまま、閨を共にしなくなって一年。
何故か夫から閨を拒否されてしまっているが、理由が分からない。
そんな時に夜会中の庭園で、夫と未亡人のマデリーンが、情事に耽っている場面を目撃してしまう。
なろう様でも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる