偽りの姿(仮)

麻沙綺

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11話 好きだからこそ…成瀬side

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  幸矢アイツに告白した翌日。
  俺は、幸矢アイツの傍を付き纏う事にした。
  少しでも、俺の存在を意識して欲しいから。
  ストーカー行為だと言われても仕方ないと思う。
  それだけ、アイツの事が気になるんだ。


  周りが、どう言おうと俺はアイツが好きだから……。


「どうしたんだ。溜め息なんかついて……。」
  俺は、机に突っ伏してる奴に声を掛けた。
  すると奴は、下から俺を睨んでくる。
  睨まれても、全然凄みがないけど……。
  逆に可愛いと思ってしまう俺は、可笑しいのかもしれない…が。

「なぁ、幸矢」
  前から、下の名前で呼びたいと思ってたから、口にしたが、案外恥ずかしいもんだな。
  そんなことを悟られないように気を付けていると。
「何だ、急に……。」
  奴は、不服そうな声をあげる。
  名前で呼ばれるの嫌だったのか。
「親友なんだから、下の名前で呼んでも構わないだろ?」
  不安になりながらもそう提案する。
「…って言うか、オレ、成瀬の下の名前知らないぜ。」
  って、詫びれもせず淡々と答える幸矢。
「ひっでー。忘れたのかよ。祥だよ。」
  俺は、頬を膨らませつつ幸矢に言う。
  何で、コイツは俺の事気にしてくれないんだ。
  俺は、こんなにも気になってるのに……。
「って言うか。次体育だぜ。幸矢は着替えないのか?」
  俺の言葉に奴がキョロキョロしだす。

  なんだ、挙動不審か?

  俺は、そんなやつの前で、制服を脱いだ。
  すると、みるみるうちに顔が赤くなっていきやがる。

  何でだ?

  男の身体見て、赤くなるって……。
  しかも、凄く狼狽えてるし……。

「何、ジロジロ見てるんだよ。お前も早く着替えろよ。時間無くなるぜ。」
  と言う俺に。
「オレは、後で……。」
  そう言うと奴は、慌てて教室を出ていった。



  何だよ。
  人に見られて困るようなことでもあるのか?

  もしかして……。
  嫌、それは無いだろう。
  俺は、さっさと着替えるとグランドに向かった。





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