33 / 41
8章 決戦
第33話 王様
しおりを挟む
フルームは違う部屋で隔離して寝かせた。キューは城へ帰る決意をした。
明くる日、キューは皆に礼を言った。
「みんな、ありがとう。僕は帰ります」
「キュー。行くのね」ちいが涙ぐんだ。
「元気でな」とコング。
バーバラ、サリー、ポルサ、魔女、ジルとみんな手をふった。
「じゃあ」キューが城の門番の所へ行った。
門番はキューを見て、とてもびっくりしていた。急いで城の門を開け、キューを中に入れた。城の中で大騒ぎになっている様子だった。
キューが入って、門が閉まった。
「さて、一旦宿屋に帰るか」コングが言った。
キューは王様である父と対面した。
「お、お父様・・・すみません。戻りました」
「おお・・アルフレッド。信じられん。戻ってきたか。黒の国のビブリン様のおかげだ。やはり、ビブリン様は偉大なお方だ」
(僕はアルフレッドっていうのか・・)
「あの・・ビブリン様とは?」
「お前を見つけてくれると、約束したお方だ。少しばかり、協力金が高かったがな・・」
「お父様。すみません。僕を探しだす為、高額なお金を・・でも、僕は帰りました。もうビブリンという者とは縁を切って下さい。ウイルス感染が町の人に流行り始めています」
「うむ・・しかし・・3年契約を交わしたのだ」
「お父様・・」キューは困惑した。
「これを飲みなさい。アルフレッド」王様は小瓶を出した。
「これは・・」
「ワクチンじゃ。これを定期的に飲んでいれば、感染しないぞ。ビブリン様は大量のワクチンを町人に売る計画がある」
「お父様・・なんてことを・・町の人はもうお金もなくて、大変です」
「しかしな・・」
「他の兵士はどうしたなのです?なぜ、こんなに静かなのです?」
「感染したんじゃ。奥の部屋で寝ている。ワクチンを渡すのが遅かったんじゃ」
「ワクチンは予防のみですか?治療には使えない?」
「そうじゃ。治療効果はない。治った者もおらんのじゃ。感染者は増える一方じゃ」
「なんて事を・・」
「お母様は・・。お母様はどこへ?」
「ん?どうしたんじゃ。あの事を忘れたのか?」
「え!いや、その・・あの・・そうなんです。記憶がないのです。壺を覗いたら、ブタになって・・記憶もなくして・・」
「そうじゃったか。壺の呪いじゃな。あの壺は撤去させるとしよう。母さんはな、もっと美しくなろうと思い、黒の国の魔物と取引をしたのじゃよ。お金を渡し、少しずつ綺麗になっていった。黒の魔法でな。だんだんお金の要求がエスカレートしてものすごく高額になったんじゃ。もう払えなくなると、顔がひどく醜くなっていったんじゃ。鬼のような顔じゃ。母さんはショックで地下の部屋にこもっておる」
「少し思い出しました。僕は母さんの部屋に行き、顔を見た気がする・・そしてショックを受けて、走って逃げた。とても喉が乾いて、壺に水がないか、覗き込んだ。そしてブタになった」
「うむ。誰かが呪いをかけた壺があったんじゃな。壺を撤去させるように、ちょっと指示を出してくる。ゆっくりしてなさい」
王は部屋を出ていった。
「母さんが・・地下に・・行ってみるか・・でもショックを受ける。ちいたんやコングはどうしているかな・・」
キューは母に会いに地下へ降りた。
地下は薄暗くて、じめっとしていた。
キューはドキドキしてきた。以前もこの地下で母を見て、ショックを受けたのだ。
しかし、キューは母に会いたかった。
一番奥の部屋の扉が開いていた。キューは近づいた。男の声と母の声がする。キューは聞き耳を立てた。
明くる日、キューは皆に礼を言った。
「みんな、ありがとう。僕は帰ります」
「キュー。行くのね」ちいが涙ぐんだ。
「元気でな」とコング。
バーバラ、サリー、ポルサ、魔女、ジルとみんな手をふった。
「じゃあ」キューが城の門番の所へ行った。
門番はキューを見て、とてもびっくりしていた。急いで城の門を開け、キューを中に入れた。城の中で大騒ぎになっている様子だった。
キューが入って、門が閉まった。
「さて、一旦宿屋に帰るか」コングが言った。
キューは王様である父と対面した。
「お、お父様・・・すみません。戻りました」
「おお・・アルフレッド。信じられん。戻ってきたか。黒の国のビブリン様のおかげだ。やはり、ビブリン様は偉大なお方だ」
(僕はアルフレッドっていうのか・・)
「あの・・ビブリン様とは?」
「お前を見つけてくれると、約束したお方だ。少しばかり、協力金が高かったがな・・」
「お父様。すみません。僕を探しだす為、高額なお金を・・でも、僕は帰りました。もうビブリンという者とは縁を切って下さい。ウイルス感染が町の人に流行り始めています」
「うむ・・しかし・・3年契約を交わしたのだ」
「お父様・・」キューは困惑した。
「これを飲みなさい。アルフレッド」王様は小瓶を出した。
「これは・・」
「ワクチンじゃ。これを定期的に飲んでいれば、感染しないぞ。ビブリン様は大量のワクチンを町人に売る計画がある」
「お父様・・なんてことを・・町の人はもうお金もなくて、大変です」
「しかしな・・」
「他の兵士はどうしたなのです?なぜ、こんなに静かなのです?」
「感染したんじゃ。奥の部屋で寝ている。ワクチンを渡すのが遅かったんじゃ」
「ワクチンは予防のみですか?治療には使えない?」
「そうじゃ。治療効果はない。治った者もおらんのじゃ。感染者は増える一方じゃ」
「なんて事を・・」
「お母様は・・。お母様はどこへ?」
「ん?どうしたんじゃ。あの事を忘れたのか?」
「え!いや、その・・あの・・そうなんです。記憶がないのです。壺を覗いたら、ブタになって・・記憶もなくして・・」
「そうじゃったか。壺の呪いじゃな。あの壺は撤去させるとしよう。母さんはな、もっと美しくなろうと思い、黒の国の魔物と取引をしたのじゃよ。お金を渡し、少しずつ綺麗になっていった。黒の魔法でな。だんだんお金の要求がエスカレートしてものすごく高額になったんじゃ。もう払えなくなると、顔がひどく醜くなっていったんじゃ。鬼のような顔じゃ。母さんはショックで地下の部屋にこもっておる」
「少し思い出しました。僕は母さんの部屋に行き、顔を見た気がする・・そしてショックを受けて、走って逃げた。とても喉が乾いて、壺に水がないか、覗き込んだ。そしてブタになった」
「うむ。誰かが呪いをかけた壺があったんじゃな。壺を撤去させるように、ちょっと指示を出してくる。ゆっくりしてなさい」
王は部屋を出ていった。
「母さんが・・地下に・・行ってみるか・・でもショックを受ける。ちいたんやコングはどうしているかな・・」
キューは母に会いに地下へ降りた。
地下は薄暗くて、じめっとしていた。
キューはドキドキしてきた。以前もこの地下で母を見て、ショックを受けたのだ。
しかし、キューは母に会いたかった。
一番奥の部屋の扉が開いていた。キューは近づいた。男の声と母の声がする。キューは聞き耳を立てた。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれた女子高生たちが小さな公園のトイレをみんなで使う話
赤髪命
大衆娯楽
少し田舎の土地にある女子校、華水黄杏女学園の1年生のあるクラスの乗ったバスが校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれてしまい、急遽トイレ休憩のために立ち寄った小さな公園のトイレでクラスの女子がトイレを済ませる話です(分かりにくくてすみません。詳しくは本文を読んで下さい)
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
MINKU エピソード2 SPACE MINKU
榊 直 (さかき ただし)
児童書・童話
コングが念願だった神の国へ行く方法が分かった。
ちいも無事に時空を再び超え、皆で神の国へ。
そこは、宇宙だった。
コング、ジル、キュー、ちい達の今度の冒険は宇宙!
宇宙にも黒の魔族がいて、支配していた。
今度は宇宙の平和を守れ!
ねえ、私の本性を暴いてよ♡ オナニークラブで働く女子大生
花野りら
恋愛
オナニークラブとは、個室で男性客のオナニーを見てあげたり手コキする風俗店のひとつ。
女子大生がエッチなアルバイトをしているという背徳感!
イケナイことをしている羞恥プレイからの過激なセックスシーンは必読♡
就職面接の感ドコロ!?
フルーツパフェ
大衆娯楽
今や十年前とは真逆の、売り手市場の就職活動。
学生達は賃金と休暇を貪欲に追い求め、いつ送られてくるかわからない採用辞退メールに怯えながら、それでも優秀な人材を発掘しようとしていた。
その業務ストレスのせいだろうか。
ある面接官は、女子学生達のリクルートスーツに興奮する性癖を備え、仕事のストレスから面接の現場を愉しむことに決めたのだった。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる