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8、お家デート①〜side 拓真〜
③
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「「…あははははっ…」」
俺はたちはそんなちょっとマヌケな格好と音で気が抜け大笑いした。
「はは、昨日から何も食べてないしお腹すいたな」
「そうですよね。もう3時ですし、軽食っぽい…サンドウィッチなんてどうですか?」
ベッド脇にある時計を見ながら尊くんは提案してきた。無意識の提案だろうが、喫茶店の軽食の定番を提案したことに微笑ましく思った。彼の頭の中は大部分が喫茶店のことで占められているのだろう。
「いいね。じゃあ起きるか」
提案を承諾し、伸びをしながら起き上がる。少し寝過ぎたせいか腕を上げるとポキポキと関節が鳴った。
尊くんもベッドから立ち上がり、前髪を縛っている。俺もベッドから出ようとタオルケットを取った。思い切り剥いだため、一気に脚全体が冷気に晒された。
そういえば何故か下半身は何も纏っていなかったのをすっかり忘れていた。尊くんのことだ、絶対わざとズボンだけ貸してくれなかったに違いない。でも俺の反応を面白がるためだったのなら、ミッションは達成したわけだし、今言えば貸してくれるかもしれない。Tシャツと下着を借りといておまけにズボンも貸してくれなんて言い辛いが、流石に人の家を下着でうろちょろするのは忍びない。彼のTシャツの裾を掴み、少し申し訳なさそうに頼んでみた。
「Tシャツも下着も借りといてなんだけど、ズボンも貸してもらえますか…」
「Tシャツで隠れるからいいかなって思ったんですが、ダメですか?」
まさか真顔で言われるとは思わなかった。本当にこの格好で大丈夫と思っていたなんて。それか尊くんは意外と物語に出てくるようなエロいシチュエーションってやつが当たり前なことだと思ってたりするのか?少女漫画で華奢な女子がやってたら可愛いかもしれないが、相手は大の男だ。むしろ気持ち悪いだろ!これは改めなければと俺は尊くんを諭した。
「いいか、こういう格好は可愛い女の子がするからいいのであって、成人男性にさせる格好じゃないから!」
「拓真さんがやっても可愛いです」
「真顔で何言ってんの!可愛いわけないだろ」
「可愛いです!これは譲れません。可愛い女性とか、成人男性とか関係ないです。拓真さんだから可愛いって僕は思うんです」
俺だから?まさかそんなこと言われるとは思わずうっかりドキッとしてしまった。
そこには揶揄っているとかそういうことは一切ない感じなかった。真剣な顔で俺を見つめるその瞳は吸い込まれそうなくらい純粋で、俺は思わず「そういうなら」と何故か納得してしまった。
だが結局俺が恥ずかしいことは変わらないわけで…俺って本当に押しに弱いんだなと改めて認識した。
でも尊くんは嬉しそうだし、それだけでもこの格好でいる価値はあるのだと俺は無理やり自分を納得させた。
俺はたちはそんなちょっとマヌケな格好と音で気が抜け大笑いした。
「はは、昨日から何も食べてないしお腹すいたな」
「そうですよね。もう3時ですし、軽食っぽい…サンドウィッチなんてどうですか?」
ベッド脇にある時計を見ながら尊くんは提案してきた。無意識の提案だろうが、喫茶店の軽食の定番を提案したことに微笑ましく思った。彼の頭の中は大部分が喫茶店のことで占められているのだろう。
「いいね。じゃあ起きるか」
提案を承諾し、伸びをしながら起き上がる。少し寝過ぎたせいか腕を上げるとポキポキと関節が鳴った。
尊くんもベッドから立ち上がり、前髪を縛っている。俺もベッドから出ようとタオルケットを取った。思い切り剥いだため、一気に脚全体が冷気に晒された。
そういえば何故か下半身は何も纏っていなかったのをすっかり忘れていた。尊くんのことだ、絶対わざとズボンだけ貸してくれなかったに違いない。でも俺の反応を面白がるためだったのなら、ミッションは達成したわけだし、今言えば貸してくれるかもしれない。Tシャツと下着を借りといておまけにズボンも貸してくれなんて言い辛いが、流石に人の家を下着でうろちょろするのは忍びない。彼のTシャツの裾を掴み、少し申し訳なさそうに頼んでみた。
「Tシャツも下着も借りといてなんだけど、ズボンも貸してもらえますか…」
「Tシャツで隠れるからいいかなって思ったんですが、ダメですか?」
まさか真顔で言われるとは思わなかった。本当にこの格好で大丈夫と思っていたなんて。それか尊くんは意外と物語に出てくるようなエロいシチュエーションってやつが当たり前なことだと思ってたりするのか?少女漫画で華奢な女子がやってたら可愛いかもしれないが、相手は大の男だ。むしろ気持ち悪いだろ!これは改めなければと俺は尊くんを諭した。
「いいか、こういう格好は可愛い女の子がするからいいのであって、成人男性にさせる格好じゃないから!」
「拓真さんがやっても可愛いです」
「真顔で何言ってんの!可愛いわけないだろ」
「可愛いです!これは譲れません。可愛い女性とか、成人男性とか関係ないです。拓真さんだから可愛いって僕は思うんです」
俺だから?まさかそんなこと言われるとは思わずうっかりドキッとしてしまった。
そこには揶揄っているとかそういうことは一切ない感じなかった。真剣な顔で俺を見つめるその瞳は吸い込まれそうなくらい純粋で、俺は思わず「そういうなら」と何故か納得してしまった。
だが結局俺が恥ずかしいことは変わらないわけで…俺って本当に押しに弱いんだなと改めて認識した。
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