10 / 21
10.有栖には秘密
しおりを挟む
『明日ひま?』
昼休みに突然の浅宮からのLINE。俺は飛びつくように確認する。最近浅宮からの連絡が嬉しくてしょうがない。
明日は土曜日だ。何かの誘いなんだろうか。
明日は学校のあとは特に何も予定はない。一体何の用事かわからないけれど、浅宮と一緒にいられるなら、何の誘いでもいいか。
『暇だよ何?』
と俺が返信すると、
『学校のあと、俺んちに遊びに来いよ。ゲームやろ』
と即レス。
え?! 浅宮の家?!
浅宮の家になんて行ったことがないし、浅宮の家族もいるかもしれないし、ちょっと緊張するな。
『俺の他に誰か来んの?』
『来ない。誰も誘ってない』
おい、ふたりだけかよ! しかもまたしても即レス。俺はそんな速くレス返せないから!
どうしよう……。行きたいけど……。
「三倉? どうしたの?」
俺の異変に気がついて、俺と向かい合って昼メシを食べていた有栖が俺の様子を伺ってくる。
「えっ! いや……あのっ……」
有栖には浅宮とのことを知られたくない。浅宮が実は告白前から俺から情報収集したり、デートの下見をしたりしているなんて、有栖にはバレてはいけない。
「なに?」
うわぁやばいぞ。俺の誤魔化しが下手すぎて有栖は完全に何かあると察してる……。
「そのうちわかるよ」
「え?」
「今は言えなくてごめん。でも、有栖にとって悪いことじゃないよ」
有栖。君はもうすぐ浅宮に告白されるんだよ。
「そうなんだ。まぁ、三倉が困るようなことじゃなければいいけど……」
「俺には関係ない話だよ」
本当にそうだ。悲しいけど俺は脇役でしかない。
「有栖はいいよなぁ。人気があって、モテモテでさ」
俺の言葉に有栖が目をぱちくりさせている。その動作もすごく可愛らしい。
「三倉がそんなこと言うなんて珍しいね」
有栖はきょとんと不思議そうな顔をしている。
今まで有栖がモテてもこんな気持ちになんてならなかった。むしろ、さすが俺の幼馴染! としか思わなかったのに、今は有栖が羨ましいと思ってしまっている。
俺、耐えられるかな。
もしも浅宮と有栖が付き合うことになったら——。
今から覚悟を決めておいたほうがいい。親友と好きな人が付き合うことになるなんて、かなりの地獄だろうから。
昼休みに突然の浅宮からのLINE。俺は飛びつくように確認する。最近浅宮からの連絡が嬉しくてしょうがない。
明日は土曜日だ。何かの誘いなんだろうか。
明日は学校のあとは特に何も予定はない。一体何の用事かわからないけれど、浅宮と一緒にいられるなら、何の誘いでもいいか。
『暇だよ何?』
と俺が返信すると、
『学校のあと、俺んちに遊びに来いよ。ゲームやろ』
と即レス。
え?! 浅宮の家?!
浅宮の家になんて行ったことがないし、浅宮の家族もいるかもしれないし、ちょっと緊張するな。
『俺の他に誰か来んの?』
『来ない。誰も誘ってない』
おい、ふたりだけかよ! しかもまたしても即レス。俺はそんな速くレス返せないから!
どうしよう……。行きたいけど……。
「三倉? どうしたの?」
俺の異変に気がついて、俺と向かい合って昼メシを食べていた有栖が俺の様子を伺ってくる。
「えっ! いや……あのっ……」
有栖には浅宮とのことを知られたくない。浅宮が実は告白前から俺から情報収集したり、デートの下見をしたりしているなんて、有栖にはバレてはいけない。
「なに?」
うわぁやばいぞ。俺の誤魔化しが下手すぎて有栖は完全に何かあると察してる……。
「そのうちわかるよ」
「え?」
「今は言えなくてごめん。でも、有栖にとって悪いことじゃないよ」
有栖。君はもうすぐ浅宮に告白されるんだよ。
「そうなんだ。まぁ、三倉が困るようなことじゃなければいいけど……」
「俺には関係ない話だよ」
本当にそうだ。悲しいけど俺は脇役でしかない。
「有栖はいいよなぁ。人気があって、モテモテでさ」
俺の言葉に有栖が目をぱちくりさせている。その動作もすごく可愛らしい。
「三倉がそんなこと言うなんて珍しいね」
有栖はきょとんと不思議そうな顔をしている。
今まで有栖がモテてもこんな気持ちになんてならなかった。むしろ、さすが俺の幼馴染! としか思わなかったのに、今は有栖が羨ましいと思ってしまっている。
俺、耐えられるかな。
もしも浅宮と有栖が付き合うことになったら——。
今から覚悟を決めておいたほうがいい。親友と好きな人が付き合うことになるなんて、かなりの地獄だろうから。
114
お気に入りに追加
665
あなたにおすすめの小説
Q.親友のブラコン兄弟から敵意を向けられています。どうすれば助かりますか?
書鈴 夏(ショベルカー)
BL
平々凡々な高校生、茂部正人«もぶまさと»にはひとつの悩みがある。
それは、親友である八乙女楓真«やおとめふうま»の兄と弟から、尋常でない敵意を向けられることであった。ブラコンである彼らは、大切な彼と仲良くしている茂部を警戒しているのだ──そう考える茂部は悩みつつも、楓真と仲を深めていく。
友達関係を続けるため、たまに折れそうにもなるけど圧には負けない!!頑張れ、茂部!!
なお、兄弟は三人とも好意を茂部に向けているものとする。
7/28
一度完結しました。小ネタなど書けたら追加していきたいと思います。
魔王様の瘴気を払った俺、何だかんだ愛されてます。
柴傘
BL
ごく普通の高校生東雲 叶太(しののめ かなた)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。
そこで初めて出会った大型の狼の獣に助けられ、その獣の瘴気を無意識に払ってしまう。
すると突然獣は大柄な男性へと姿を変え、この世界の魔王オリオンだと名乗る。そしてそのまま、叶太は魔王城へと連れて行かれてしまった。
「カナタ、君を私の伴侶として迎えたい」
そう真摯に告白する魔王の姿に、不覚にもときめいてしまい…。
魔王×高校生、ド天然攻め×絆され受け。
甘々ハピエン。
クズ彼氏にサヨナラして一途な攻めに告白される話
雨宮里玖
BL
密かに好きだった一条と成り行きで恋人同士になった真下。恋人になったはいいが、一条の態度は冷ややかで、真下は耐えきれずにこのことを塔矢に相談する。真下の事を一途に想っていた塔矢は一条に腹を立て、復讐を開始する——。
塔矢(21)攻。大学生&俳優業。一途に真下が好き。
真下(21)受。大学生。一条と恋人同士になるが早くも後悔。
一条廉(21)大学生。モテる。イケメン。真下のクズ彼氏。
理香は俺のカノジョじゃねえ
中屋沙鳥
BL
篠原亮は料理が得意な高校3年生。受験生なのに卒業後に兄の周と結婚する予定の遠山理香に料理を教えてやらなければならなくなった。弁当を作ってやったり一緒に帰ったり…理香が18歳になるまではなぜか兄のカノジョだということはみんなに内緒にしなければならない。そのため友だちでイケメンの櫻井和樹やチャラ男の大宮司から亮が理香と付き合ってるんじゃないかと疑われてしまうことに。そうこうしているうちに和樹の様子がおかしくなって?口の悪い高校生男子の学生ライフ/男女CPあります。
好きなあいつの嫉妬がすごい
カムカム
BL
新しいクラスで新しい友達ができることを楽しみにしていたが、特に気になる存在がいた。それは幼馴染のランだった。
ランはいつもクールで落ち着いていて、どこか遠くを見ているような眼差しが印象的だった。レンとは対照的に、内向的で多くの人と打ち解けることが少なかった。しかし、レンだけは違った。ランはレンに対してだけ心を開き、笑顔を見せることが多かった。
教室に入ると、運命的にレンとランは隣同士の席になった。レンは心の中でガッツポーズをしながら、ランに話しかけた。
「ラン、おはよう!今年も一緒のクラスだね。」
ランは少し驚いた表情を見せたが、すぐに微笑み返した。「おはよう、レン。そうだね、今年もよろしく。」
前世から俺の事好きだという犬系イケメンに迫られた結果
はかまる
BL
突然好きですと告白してきた年下の美形の後輩。話を聞くと前世から好きだったと話され「????」状態の平凡男子高校生がなんだかんだと丸め込まれていく話。
多分前世から続いているふたりの追いかけっこ
雨宮里玖
BL
執着ヤバめの美形攻め×絆されノンケ受け
《あらすじ》
高校に入って初日から桐野がやたらと蒼井に迫ってくる。うわ、こいつヤバい奴だ。関わってはいけないと蒼井は逃げる——。
桐野柊(17)高校三年生。風紀委員。芸能人。
蒼井(15)高校一年生。あだ名『アオ』。
転移したらなぜかコワモテ騎士団長に俺だけ子供扱いされてる
塩チーズ
BL
平々凡々が似合うちょっと中性的で童顔なだけの成人男性。転移して拾ってもらった家の息子がコワモテ騎士団長だった!
特に何も無く平凡な日常を過ごすが、騎士団長の妙な噂を耳にしてある悩みが出来てしまう。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる