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十一月 親衛隊は諦めたくても脱退できずに本心に従うルール
2.
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「吉良っ!」
二人の行く手を阻むようにして現れたのは小田切だ。
小田切は怖い顔をして、チッと舌打ちしたあと「その手を離せよっ!」と白石を睨みつける。白石は離すまいとするように吉良を掴む手に少しだけ力を込めてきた。
「委員長でも抜け駆けなんて汚いことするんだな」
「抜け駆けじゃない。たまたま時間が空いたから二人で過ごしてただけだ」
「へぇ。学祭のシフトを決めた張本人のくせに、たまたまねぇ……」
小田切が胡乱な目つきで白石を見る。
「小田切こそ。いつも興味ないふりして虎視眈々と狙ってるんだろ」
小田切の視線に対しても白石はいたって冷静だ。
「うっせぇっ! 早く離せっ、見ててイライラする!」
小田切は白石の手を無理やりに吉良から引き剥がす。今度はぐいっと小田切に腕を引かれて岩野、紙屋のもとへと連行された。
それから小田切たちと学園祭を見てまわり、鳴宮の出番が近づいた頃、三人と別れて体育館へと向かう。
ギリギリになってしまい、走っていたときに体育館の入り口で人とぶつかってしまった。その拍子でよろけた吉良に「ごめんっ、大丈夫っ?!」と手を差し伸べてきたのは隠岐だ。
隠岐は吉良の無事をみてほっとした様子で笑う。
ああ、今の瞬間で思い出した。入学式の時も今みたいに慌てて体育館に駆け込もうとしているときにぶつかって、そこで隠岐と出会ったんだった。
「なんか今ので思い出したよ。吉良と初めて出会ったときのこと」
今日の隠岐はやけに穏やかだ。最近の隠岐はずっと冷ややかな態度だったのに。
「俺も」
二人久しぶりに笑い合う。あのときもこうやって笑い合ったことを思い出した。
初めての環境でうまくやっていけるか不安と緊張があったが、入学式の前に隠岐と知り合って、そこから話をしたり、隠岐と親しくなれたことですごく心が軽くなった。
「吉良と二人で過ごした毎日は楽しかったな。心からたくさん笑えたし、吉良のおかげでやる気がでてきて勉強でも部活でもなんでも頑張れた」
確かに隠岐は入学当初は吉良と同じく底辺生徒だったのに、途中からぐんと活躍しはじめた。今では勉強も部活もめざましい成長っぷりだ。
「隠岐。それはお前が努力したからだろ。俺は何もしちゃいない」
「そんなことない、そんなことないんだよ、僕には吉良が必要なんだっ」
その時、開演のアナウンスが流れる。吉良は「やっべぇ!」と再び走り出す。
「俺、歌を聴きにきてくれって鳴宮に言われてるんだ。約束したから行かなきゃならない。隠岐。お前もここにいるってことは、鳴宮目当てだろ? 一緒に行こうぜっ」
そう言ってニヤッと笑いかけると隠岐は頷き、一緒に走りだした。
鳴宮の人気は絶大だ。体育館みたいに小さなハコじゃ収まらない観客。事前に一切の宣伝がなかったのにも関わらず、リハーサルなどで気が付いてどこからか噂が広まったのだろう。
吉良が到着してすぐに鳴宮は歌い出した。
相変わらずの美声と鳴宮のカリスマ性にあっという間に皆が引き込まれる。会場がひとつになったみたいな感覚。まるで自分もこのライブを構成するもののひとつになったようだ。
最後のアンコールまであり、鳴宮最後の歌は恋愛ソング。
君に出会って世界が変わった僕が、君に憧れて、君に期待して、君に後悔して、君に囚われて。君にありがとう。君を守ってみせるから、僕の全てをあげるから、番つがいのように君と縛り合いたい。二人だけの世界。他に何もいらない。
そんな歌を、少しアップテンポな曲調で前向きなリリックで歌っていた。
歌い終えた鳴宮と、目が合った気がする。視力がいいからなんて鳴宮はふざけたことを言っていたが、この群衆の中、吉良を見つけるのは困難だろう。
鳴宮が大きく手を振った。吉良の隣の女子がキャーキャー騒いでいる。吉良に向かって手を振っているように思えるが、きっとそう思っているのは吉良だけではないんだろう。
ライブが終わって、隠岐は「吉良に話したいことがある」と吉良を体育館の裏に誘った。
「ここで二人で過ごすのも久しぶりだね」
「そうだな」
隠岐は感慨深く思っているようだが、それは吉良も同じだ。昔よく二人で体育館裏の植え込みをベンチ代わりにして色んな話をした。
「安居院君と僕と僕の一歳上の姉貴は幼馴染で、小さい頃はよく三人で遊んでたんだ」
吉良の横に座っている隠岐は徐に話し始める。
「家の力関係でいうと、安居院君の家はうちと比べられないくらいの家だ。なのに安居院君は家の事情なんてお構いなしにしょっちゅううちに遊びに来てくれたんだ」
「そっか。安居院は昔からああいう奴だったんだな」
安居院は御曹司なのに気取ったところがない。平凡な吉良とも普通に話をしてくれるのだから、安居院家には劣るとしても家柄がいい隠岐姉弟なら多少の交流もあったのだろう。
「僕も姉貴も安居院君のことが大好きでさ。安居院君は本当になんでもできるし、いつも僕たちを助けてくれたし、背も高くてかっこよかったから」
さすが安居院だ。幼少の頃から今みたいに優れていたんだな。
「そんな時に、安居院君の許婚の話が姉貴のところに舞い込んできたんだ」
「え! お前の姉ちゃんが許婚候補なのか?!」
驚いた。こんな身近に安居院許婚候補の三人のうちのひとりがいたのか。
「安居院君から聞いたの? 吉良は知ってたんだね。安居院君の許婚の話」
「まぁ……最近聞いたばっかだけどな」
「そう。それでさ、ずっと乗り気じゃなかった安居院君がさ、急に姉貴と二人で会ってみるって言い出したんだよ。姉貴はすごい喜んでてさ。まぁ、候補は他にもいるからまだわからないけど、姉貴は安居院君とデートできるだけでもすごく喜んでる」
安居院は9月に二人で遊んだ日の最後に「俺、結婚を決めようかな」と呟いていた。
安居院に大きな心境の変化があったのか。
二人の行く手を阻むようにして現れたのは小田切だ。
小田切は怖い顔をして、チッと舌打ちしたあと「その手を離せよっ!」と白石を睨みつける。白石は離すまいとするように吉良を掴む手に少しだけ力を込めてきた。
「委員長でも抜け駆けなんて汚いことするんだな」
「抜け駆けじゃない。たまたま時間が空いたから二人で過ごしてただけだ」
「へぇ。学祭のシフトを決めた張本人のくせに、たまたまねぇ……」
小田切が胡乱な目つきで白石を見る。
「小田切こそ。いつも興味ないふりして虎視眈々と狙ってるんだろ」
小田切の視線に対しても白石はいたって冷静だ。
「うっせぇっ! 早く離せっ、見ててイライラする!」
小田切は白石の手を無理やりに吉良から引き剥がす。今度はぐいっと小田切に腕を引かれて岩野、紙屋のもとへと連行された。
それから小田切たちと学園祭を見てまわり、鳴宮の出番が近づいた頃、三人と別れて体育館へと向かう。
ギリギリになってしまい、走っていたときに体育館の入り口で人とぶつかってしまった。その拍子でよろけた吉良に「ごめんっ、大丈夫っ?!」と手を差し伸べてきたのは隠岐だ。
隠岐は吉良の無事をみてほっとした様子で笑う。
ああ、今の瞬間で思い出した。入学式の時も今みたいに慌てて体育館に駆け込もうとしているときにぶつかって、そこで隠岐と出会ったんだった。
「なんか今ので思い出したよ。吉良と初めて出会ったときのこと」
今日の隠岐はやけに穏やかだ。最近の隠岐はずっと冷ややかな態度だったのに。
「俺も」
二人久しぶりに笑い合う。あのときもこうやって笑い合ったことを思い出した。
初めての環境でうまくやっていけるか不安と緊張があったが、入学式の前に隠岐と知り合って、そこから話をしたり、隠岐と親しくなれたことですごく心が軽くなった。
「吉良と二人で過ごした毎日は楽しかったな。心からたくさん笑えたし、吉良のおかげでやる気がでてきて勉強でも部活でもなんでも頑張れた」
確かに隠岐は入学当初は吉良と同じく底辺生徒だったのに、途中からぐんと活躍しはじめた。今では勉強も部活もめざましい成長っぷりだ。
「隠岐。それはお前が努力したからだろ。俺は何もしちゃいない」
「そんなことない、そんなことないんだよ、僕には吉良が必要なんだっ」
その時、開演のアナウンスが流れる。吉良は「やっべぇ!」と再び走り出す。
「俺、歌を聴きにきてくれって鳴宮に言われてるんだ。約束したから行かなきゃならない。隠岐。お前もここにいるってことは、鳴宮目当てだろ? 一緒に行こうぜっ」
そう言ってニヤッと笑いかけると隠岐は頷き、一緒に走りだした。
鳴宮の人気は絶大だ。体育館みたいに小さなハコじゃ収まらない観客。事前に一切の宣伝がなかったのにも関わらず、リハーサルなどで気が付いてどこからか噂が広まったのだろう。
吉良が到着してすぐに鳴宮は歌い出した。
相変わらずの美声と鳴宮のカリスマ性にあっという間に皆が引き込まれる。会場がひとつになったみたいな感覚。まるで自分もこのライブを構成するもののひとつになったようだ。
最後のアンコールまであり、鳴宮最後の歌は恋愛ソング。
君に出会って世界が変わった僕が、君に憧れて、君に期待して、君に後悔して、君に囚われて。君にありがとう。君を守ってみせるから、僕の全てをあげるから、番つがいのように君と縛り合いたい。二人だけの世界。他に何もいらない。
そんな歌を、少しアップテンポな曲調で前向きなリリックで歌っていた。
歌い終えた鳴宮と、目が合った気がする。視力がいいからなんて鳴宮はふざけたことを言っていたが、この群衆の中、吉良を見つけるのは困難だろう。
鳴宮が大きく手を振った。吉良の隣の女子がキャーキャー騒いでいる。吉良に向かって手を振っているように思えるが、きっとそう思っているのは吉良だけではないんだろう。
ライブが終わって、隠岐は「吉良に話したいことがある」と吉良を体育館の裏に誘った。
「ここで二人で過ごすのも久しぶりだね」
「そうだな」
隠岐は感慨深く思っているようだが、それは吉良も同じだ。昔よく二人で体育館裏の植え込みをベンチ代わりにして色んな話をした。
「安居院君と僕と僕の一歳上の姉貴は幼馴染で、小さい頃はよく三人で遊んでたんだ」
吉良の横に座っている隠岐は徐に話し始める。
「家の力関係でいうと、安居院君の家はうちと比べられないくらいの家だ。なのに安居院君は家の事情なんてお構いなしにしょっちゅううちに遊びに来てくれたんだ」
「そっか。安居院は昔からああいう奴だったんだな」
安居院は御曹司なのに気取ったところがない。平凡な吉良とも普通に話をしてくれるのだから、安居院家には劣るとしても家柄がいい隠岐姉弟なら多少の交流もあったのだろう。
「僕も姉貴も安居院君のことが大好きでさ。安居院君は本当になんでもできるし、いつも僕たちを助けてくれたし、背も高くてかっこよかったから」
さすが安居院だ。幼少の頃から今みたいに優れていたんだな。
「そんな時に、安居院君の許婚の話が姉貴のところに舞い込んできたんだ」
「え! お前の姉ちゃんが許婚候補なのか?!」
驚いた。こんな身近に安居院許婚候補の三人のうちのひとりがいたのか。
「安居院君から聞いたの? 吉良は知ってたんだね。安居院君の許婚の話」
「まぁ……最近聞いたばっかだけどな」
「そう。それでさ、ずっと乗り気じゃなかった安居院君がさ、急に姉貴と二人で会ってみるって言い出したんだよ。姉貴はすごい喜んでてさ。まぁ、候補は他にもいるからまだわからないけど、姉貴は安居院君とデートできるだけでもすごく喜んでる」
安居院は9月に二人で遊んだ日の最後に「俺、結婚を決めようかな」と呟いていた。
安居院に大きな心境の変化があったのか。
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