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四月 親衛隊は推しに選ばれるまでは想いを伝えてはいけないルール
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吉良琉平(17)受。ニブい。
楯山(17)攻。吉良と同室。文武両道。
川上(17)攻。モデル。インフルエンサー。
倉木(17)攻。優男。頭脳明晰。医者志望。
神宮寺(17)攻。寮長。
やっぱ住む世界が違うんだよな……。
高校三年生になった 吉良は三階の教室の窓から階下を眺めながらそう思った。
4月。桜の花びらが風に舞い、そっと吉良の頬を撫でていく。
桜の木の下。今、まさに目の前でカップルが誕生しようとしているようだ。
状況から察するに、告白しているのは川上。実家はかなりの資産家、嘘みたいに完璧なスタイルと超絶整った顔をした美男子で、高校生モデルとして有名だ。事務所に言われて始めたらしいSNSではかなりのインフルエンサー。本人はそんな気はないようだが、川上の着る服、行く店、全部流行る。そして男女問わずにものすごくモテる。
告白されているのは楯山だ。楯山の家も川上と負けず劣らずの名家で、代々優秀な一族のようだが、楯山も例外ではない。成績は常に上位。運動神経抜群、背が高いのでバスケ部でSG(シューティングガード)として活躍し、主将を務めている。
全寮制のこの学校はそもそも金持ちエリートが集まる傾向にある。学費も寮費も他の私立高校より群を抜いて高いからだ。
日本の高校卒業資格だけでなくカナダの高校の卒業資格まで取れる。理系文系共に洗練されたカリキュラム。世界を見据え、授業の半分はオールイングリッシュ。ディベートや経営、大学並みの科学を学べる環境まで整っている。卒業生は皆、国内外問わずトップクラスの大学に進学し、将来は起業したり、士業や医者などエリート街道まっしぐらだ。
そんな高校に平凡な家庭出身の吉良が入学できたのは奇跡だ。吉良は母親がダメ元で応募したこの学校の「生まれながらの教育格差を無くそうプロジェクト」に見事当選し、学費寮費ともに一切負担なし、奨学金で通っている。
つまりは周りは皆選りすぐりの人間ばかりで、吉良だけが平凡なのだ。
楯山は吉良の学生寮での同室者だ。
楯山は最初から吉良に愛想良く話しかけてくれ、吉良が困っているとすぐに手を差し伸べてくれたし、毎晩二人でたくさんのことを話した。くだらない話から、真面目な相談まで。
「吉良が同室でマジで良かったよ。お前といると俺、すごく楽しいよ」
楯山はことある毎にそう言ってくれた。
楯山のことは何でも話せる仲だと思っていたが、今日初めて知った。楯山は川上の事が好きだったのか。
あ。楯山が頷いている。一方の川上も照れている様子だ。
連絡先でも聞いているのか、二人はスマホを取り出して、やり取りしている。
やがて二人は距離を縮める。肩を寄せ合って、二人視線を合わせてはお互いデレている様子に見える。
川上がスマホを大切そうに胸に抱えながら、楯山に「ありがとう」を伝えている。楯山と連絡先が交換出来たことがとても嬉しい様子だ。楯山の表情も、満更ではなさそうだ。
川上の告白が上手くいったんだろうな……。
楯山と川上、ハイスペック同士お似合いだ。
俺、この学校入ったの間違いだったのかな……。
周りが凄すぎていつもものすごい劣等感だ。場違いだと思われてるんじゃないかと自信が無くなってきた……。
◆◆◆
寮の部屋に戻り、吉良はすぐさま自分のベットに倒れ込んだ。何かをする気力など湧いてこない。ただ横になってぼんやりと部屋を眺めている。
この部屋は入って中央にロータイプのシェルフがあり、それによって部屋が二つにエリア分けされている。ドアから見て右側が吉良、左側が楯山の使用するエリアだ。それぞれあるのはシングルベッドと、勉強机。収納は小さなクローゼットと中央に置かれたシェルフ程度。
学生寮なのだから不便で狭いと思うのだろうが、吉良はこの部屋が大好きだった。なぜならいつも隣には楯山がいたからだ。
これからも卒業までは楯山と一緒だ。でもこれからはノロケ話や恋愛相談にも乗ってやらなければならなくなるのだろうか。
「吉良! いたいた!」
勢いよく部屋のドアを開け、部屋に入ってくるなり楯山が嬉々として話しかけてきた。なんとなくだるいが、このままふて寝しているのも「どうした」と楯山に突っ込まれそうなので無理して起きて「おー、楯山じゃん」と平静を装う。
「吉良、お前の好きな肉まんと、コンビニチキン買ってきたから一緒に食おうぜ。珍しく俺の奢りってことで」
笑顔の楯山の顔を見ているだけで辛い。
「お前の奢りなんて気持ち悪りぃな。なんかいいことでもあったのか?」
知ってて聞いてやる。きっと楯山は話したいだろうから。
「え? 特に何も……ただ、なんとなく?」
惚けた顔をしている楯山を見て、ああ。と吉良の中で合点がいく。
——楯山は川上との交際は隠したいんだな。
学内カップルの噂なんてあっという間に広がってしまう。そのため同室の吉良にすら隠し通すつもりなのだろう。
確かに川上と付き合ってるなんてなったら、学校中から嫉妬の嵐。川上親衛隊に恨まれ、学校生活に支障が出るかもしれない。そもそも楯山にも親衛隊がいるのだから、楯山に恋人が出来たなんて知れたら大ごとになりそうだ。
「そっか……。なんか楯山が嬉しそうだからそう思っただけだ」
「俺が嬉しくなるのは吉良が笑ってくれた時だけだよ。吉良。お前こそなんかあったのか? いつもより暗い顔してさ」
楯山に顔を覗き込まれそうになり、思わず「何もない」と顔を背ける。
まさか交際を隠したがっている様子の楯山に向かって「お前が川上と付き合うことになってなんか寂しくて」だなんて言えそうにない。
「つ、追試だよ。英単語の追試が毎回でちょっとヘコんでるだけだ」
気にしてもいない、英語の授業の毎にある英単語の小テストのせいにする。
「あー、そうなんだ。英単語も覚え方ってのがある。俺が教えてやるよ。10分もあれば全部覚えられる方法だ。吉良さえ良ければこれからテストの度に毎回付き合うぜ」
やめろ。そんなこと言うな。
いつもなら嬉しいはずの楯山の優しさ。だが楯山には川上がいると思うと妙に距離を取ってしまう。
「いいよ。別に。俺一人で大丈夫だから」
「遠慮すんなって! えっと明日の範囲は——」
楯山は英単語帳を手にして遠慮なく吉良の隣に座ってくる。膝同士がくっつくくらいの距離だ。
おい、距離感気をつけろよ。
「吉良、どうした……? 具合でも悪いのか……?」
楯山は心配そうな顔で手を吉良の額に当ててきた。
「熱は無さそうだけど……」
楯山は天然たらしだったのか……? 好きでもない俺にもこんな風に優しくして、スキンシップを取って……。
「やめろ!」
耐えられなくて楯山の手を振り払う。突然の吉良の拒絶に、楯山は「え……?」と驚いている。
「ごめん……。ちょっと頭冷やしてくる……」
ダメだ。全然ダメだ。今まで通りにだなんて振る舞えそうにない。
吉良はいたたまれずに部屋を出た。
楯山(17)攻。吉良と同室。文武両道。
川上(17)攻。モデル。インフルエンサー。
倉木(17)攻。優男。頭脳明晰。医者志望。
神宮寺(17)攻。寮長。
やっぱ住む世界が違うんだよな……。
高校三年生になった 吉良は三階の教室の窓から階下を眺めながらそう思った。
4月。桜の花びらが風に舞い、そっと吉良の頬を撫でていく。
桜の木の下。今、まさに目の前でカップルが誕生しようとしているようだ。
状況から察するに、告白しているのは川上。実家はかなりの資産家、嘘みたいに完璧なスタイルと超絶整った顔をした美男子で、高校生モデルとして有名だ。事務所に言われて始めたらしいSNSではかなりのインフルエンサー。本人はそんな気はないようだが、川上の着る服、行く店、全部流行る。そして男女問わずにものすごくモテる。
告白されているのは楯山だ。楯山の家も川上と負けず劣らずの名家で、代々優秀な一族のようだが、楯山も例外ではない。成績は常に上位。運動神経抜群、背が高いのでバスケ部でSG(シューティングガード)として活躍し、主将を務めている。
全寮制のこの学校はそもそも金持ちエリートが集まる傾向にある。学費も寮費も他の私立高校より群を抜いて高いからだ。
日本の高校卒業資格だけでなくカナダの高校の卒業資格まで取れる。理系文系共に洗練されたカリキュラム。世界を見据え、授業の半分はオールイングリッシュ。ディベートや経営、大学並みの科学を学べる環境まで整っている。卒業生は皆、国内外問わずトップクラスの大学に進学し、将来は起業したり、士業や医者などエリート街道まっしぐらだ。
そんな高校に平凡な家庭出身の吉良が入学できたのは奇跡だ。吉良は母親がダメ元で応募したこの学校の「生まれながらの教育格差を無くそうプロジェクト」に見事当選し、学費寮費ともに一切負担なし、奨学金で通っている。
つまりは周りは皆選りすぐりの人間ばかりで、吉良だけが平凡なのだ。
楯山は吉良の学生寮での同室者だ。
楯山は最初から吉良に愛想良く話しかけてくれ、吉良が困っているとすぐに手を差し伸べてくれたし、毎晩二人でたくさんのことを話した。くだらない話から、真面目な相談まで。
「吉良が同室でマジで良かったよ。お前といると俺、すごく楽しいよ」
楯山はことある毎にそう言ってくれた。
楯山のことは何でも話せる仲だと思っていたが、今日初めて知った。楯山は川上の事が好きだったのか。
あ。楯山が頷いている。一方の川上も照れている様子だ。
連絡先でも聞いているのか、二人はスマホを取り出して、やり取りしている。
やがて二人は距離を縮める。肩を寄せ合って、二人視線を合わせてはお互いデレている様子に見える。
川上がスマホを大切そうに胸に抱えながら、楯山に「ありがとう」を伝えている。楯山と連絡先が交換出来たことがとても嬉しい様子だ。楯山の表情も、満更ではなさそうだ。
川上の告白が上手くいったんだろうな……。
楯山と川上、ハイスペック同士お似合いだ。
俺、この学校入ったの間違いだったのかな……。
周りが凄すぎていつもものすごい劣等感だ。場違いだと思われてるんじゃないかと自信が無くなってきた……。
◆◆◆
寮の部屋に戻り、吉良はすぐさま自分のベットに倒れ込んだ。何かをする気力など湧いてこない。ただ横になってぼんやりと部屋を眺めている。
この部屋は入って中央にロータイプのシェルフがあり、それによって部屋が二つにエリア分けされている。ドアから見て右側が吉良、左側が楯山の使用するエリアだ。それぞれあるのはシングルベッドと、勉強机。収納は小さなクローゼットと中央に置かれたシェルフ程度。
学生寮なのだから不便で狭いと思うのだろうが、吉良はこの部屋が大好きだった。なぜならいつも隣には楯山がいたからだ。
これからも卒業までは楯山と一緒だ。でもこれからはノロケ話や恋愛相談にも乗ってやらなければならなくなるのだろうか。
「吉良! いたいた!」
勢いよく部屋のドアを開け、部屋に入ってくるなり楯山が嬉々として話しかけてきた。なんとなくだるいが、このままふて寝しているのも「どうした」と楯山に突っ込まれそうなので無理して起きて「おー、楯山じゃん」と平静を装う。
「吉良、お前の好きな肉まんと、コンビニチキン買ってきたから一緒に食おうぜ。珍しく俺の奢りってことで」
笑顔の楯山の顔を見ているだけで辛い。
「お前の奢りなんて気持ち悪りぃな。なんかいいことでもあったのか?」
知ってて聞いてやる。きっと楯山は話したいだろうから。
「え? 特に何も……ただ、なんとなく?」
惚けた顔をしている楯山を見て、ああ。と吉良の中で合点がいく。
——楯山は川上との交際は隠したいんだな。
学内カップルの噂なんてあっという間に広がってしまう。そのため同室の吉良にすら隠し通すつもりなのだろう。
確かに川上と付き合ってるなんてなったら、学校中から嫉妬の嵐。川上親衛隊に恨まれ、学校生活に支障が出るかもしれない。そもそも楯山にも親衛隊がいるのだから、楯山に恋人が出来たなんて知れたら大ごとになりそうだ。
「そっか……。なんか楯山が嬉しそうだからそう思っただけだ」
「俺が嬉しくなるのは吉良が笑ってくれた時だけだよ。吉良。お前こそなんかあったのか? いつもより暗い顔してさ」
楯山に顔を覗き込まれそうになり、思わず「何もない」と顔を背ける。
まさか交際を隠したがっている様子の楯山に向かって「お前が川上と付き合うことになってなんか寂しくて」だなんて言えそうにない。
「つ、追試だよ。英単語の追試が毎回でちょっとヘコんでるだけだ」
気にしてもいない、英語の授業の毎にある英単語の小テストのせいにする。
「あー、そうなんだ。英単語も覚え方ってのがある。俺が教えてやるよ。10分もあれば全部覚えられる方法だ。吉良さえ良ければこれからテストの度に毎回付き合うぜ」
やめろ。そんなこと言うな。
いつもなら嬉しいはずの楯山の優しさ。だが楯山には川上がいると思うと妙に距離を取ってしまう。
「いいよ。別に。俺一人で大丈夫だから」
「遠慮すんなって! えっと明日の範囲は——」
楯山は英単語帳を手にして遠慮なく吉良の隣に座ってくる。膝同士がくっつくくらいの距離だ。
おい、距離感気をつけろよ。
「吉良、どうした……? 具合でも悪いのか……?」
楯山は心配そうな顔で手を吉良の額に当ててきた。
「熱は無さそうだけど……」
楯山は天然たらしだったのか……? 好きでもない俺にもこんな風に優しくして、スキンシップを取って……。
「やめろ!」
耐えられなくて楯山の手を振り払う。突然の吉良の拒絶に、楯山は「え……?」と驚いている。
「ごめん……。ちょっと頭冷やしてくる……」
ダメだ。全然ダメだ。今まで通りにだなんて振る舞えそうにない。
吉良はいたたまれずに部屋を出た。
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