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仲違い
6.
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今日はヒカルとのデートの日だ。きっと、ヒカルとの最後のデートになる。
一真とヒカルは絶対に仲違いしてはいけない。
ずっと仲のよかった二人があんなになってしまったのはきっと弦のせいだ。
二人の人生にとって弦は邪魔者でしかない。
ヒカルに借りた本が大量にある。今日でそれを全部返したいと思って、ずっと持ち歩くには重いので『ヒカルんちで遊ぼう』と提案してヒカルは了承してくれた。
だが、弦はヒカルの家まで行くと言ったのに、そこは、ヒカルは駅まで迎えに行くと言って譲らなかった。
昼下がりの午後。ヒカルは待ち合わせしていた駅の改札前で待っていた。今日こそヒカルを待たせないようにと15分も早く駅に着いたのに、既にヒカルはそこにいた。
相変わらずヒカルはかっこいい。あんな長身美形の男がいたら誰もが振り返るだろう。案の定、ヒカルはチラチラ見られて周りから注目を集めていた。何もせずに突っ立っているだけでかっこいいのだから本当にすごい。
そんな畏れ多いヒカルのもとへ弦は向かっていく。
「ヒカル!」
「弦、早いな」
「ヒカルのほうが俺より早いじゃん」
「そっか」
ヒカルは笑った。いつもは嬉しくなるヒカルの笑顔が、今日はチクッと弦の胸に突き刺さる。
だってこの笑顔を見られるのはこれが最後かもしれない。
「本。持つよ」
ヒカルは弦が持ってきた本が入った袋を弦から奪い取った。
「こんな急に全部返してくれなくてもいいのに」
「もう読み終わったから」
実は全部は読み終えてない。でも今日返さないと、今度ヒカルに会える日はいつかわからないと思って全部持ってきた。
「重いだろ、俺が持つよ」
弦が取り返そうとすると「俺を誰だと思ってる? お前の彼氏だぞ」とヒカルに怒られた。
「行こう、弦」
ヒカルから差し伸べられた手。いつもはそれを握ったりはしないが、今日だけはヒカルに触れたくて仕方がなくて、その手をぎゅっと握った。
驚いた様子のヒカルは一瞬目を見開いたが、すぐに笑顔になり弦の手指にヒカルの指を絡めてきた。
ヒカルの家でゲームをしたり、オヤツを食べたりしていつもどおりに過ごした。
ヒカルの家のオヤツはすごい。専属パティシエが要望を言えばなんでも作ってくれるらしい。ヒカルはショートケーキをお願いしたそうだ。
「やっと誕生日ケーキにありつけた」
ヒカルはそんな冗談を言った。
ヒカルの誕生日だったあの日、一真の事故の電話でケーキも食べずにこの店を飛び出してしまったから、そのことを言っているのだろう。
「ヒカルは甘いもの好きなのか?」
「いや、そうでもない」
「じゃあなんでそんなにケーキを食べたがったんだよ」
誕生日のときも、今日だってそうだ。なんでヒカルはケーキにこだわるんだろう。
「弦。誕生日にどうして俺があのカフェに弦を誘ったと思う?」
「えっ? ケーキが食べたいってヒカルが自分で言ってたじゃん」
「違う。あの店の立地」
「立地?」
「建ってる場所。すぐ裏がラブホ。あの店は恋人といい雰囲気になれれば、流れでホテルに誘いやすい。そういう使い方もできるって聞いたんだ」
「はっ……?」
ラブホ?! ヒカルの口からそんな単語が飛び出すなんて。
「これでわかったか? 俺は狡い奴だ。誕生日を理由に、弦をホテルに連れ込もうとしたんだから」
「…………っ!」
嘘だろ。ヒカルがそんなことを考えていただなんて。
「引いた? 悪いな。俺にも性欲があって、弦のことを思うとムラムラする。それだけの話」
ヒカルはそこで話を終わらせようとする。
「俺はそれでも構わないよ、ヒカル」
「いや、今のは誘ったんじゃない。逆だ。俺のことを信用するなって意味で——」
「いいよ、俺は、ヒカルとなら……」
弦にとっても願ってもない話だ。別れる前にヒカルと一度でいいからそういうことをしてみたかった。
「弦、急にどうしたんだ?!」
「急じゃない。ヒカルは? 嫌だ?」
「いやじゃ……」
ヒカルと目が合った。ヒカルが珍しく顔を赤らめて、動揺している。
「弦……」
ヒカルの手が弦の身体に伸びてきて、弦の腰に触れる。そのままヒカルのほうに身体を引き寄せられた。
お互いの視線を絡ませ、どちらともなく唇を重ねる。
「んっ…ふぅ……」
ヒカルはキスが上手だ。蕩けるようなキスにあっという間に魅了されていく。
「…………っ!」
ぐわっと両足をすくわれ、ヒカルに横抱きにされる。姫扱いされているみたいで恥ずかしいが、落とされてはかなわないとヒカルの首にしがみついた。
そのままヒカルに連れていかれた先はベッドだ。丁寧にベッドの上に下ろされ、ヒカルが上から覆い被さってきた。
「今日は最後までしない。だからそんなに緊張するな」
ヒカルが弦の髪を撫で、額に優しくキスをする。
「嫌だ。ヒカルお願い、最後までしよ?」
今日、行為が終わったらヒカルに別れを告げるつもりだ。もう次はないのだから、最後までして欲しい。
「焦らなくていい。弦」
「焦ってないよ、お願いだから」
ヒカルがじーっと顔を覗き込んでくる。その目は弦の心中を見透かすかのように鋭い。
「……な、なんだよヒカル」
「おかしい。弦、俺に何か隠してる」
「えっ?」
「言えよ。今日の弦は変だ」
ヒカルは弦を組み敷いて、弦の頭の横に両手をついたまま睨みつけてくる。
「なんでもない——」
「ある。言えよ。見当はついてるから」
感情を押し殺したような声だった。
ヒカルはきっと怒っている。平静を装っているが、ヒカルの手が微かに震えている。
「ヒカル……」
言いたくもない。せっかくヒカルと恋人同士になれたのに。
「俺たち、別れようか……」
ヒカルは何も言わない。さすがヒカルだ。表情ひとつ変えなかった。
「ヒカルには大事な将来があるだろ? 俺がヒカルのそばにいたらそれが台無しになる」
ヒカルには一真とともに代々引き継がれた家を守っていく使命がある。弦ごときで一真と仲違いしている場合じゃない。それにヒカルならこの先いくらでも弦よりいい相手に恵まれるはずだ。
「やっぱりな。こうなると思ってたよ」
ヒカルは気がついていたのか……?
「あの、俺はヒカルのことを嫌いになったわけじゃなくて——」
「理由はわかってるからわざわざ言うなっ!」
ヒカルに勢いよく言われて、弦は身体をビクッと震わせた。
ヒカルは弦の真意をわかっているのだろうか。
「うん……だから、最後にヒカルと……」
弦がヒカルに触れようと、ヒカルの右腕に手を伸ばしたら、ヒカルはサッと手を引き、ベッドから降りた。
「抱かない。俺にはもう弦に触れる権利はないから」
弦を見下ろすヒカルの目は冷たい。
弦に開かれ始めていた、ヒカルの心の扉がバタンと閉じた音が聞こえた気がした。
「告白されて、振ったときによく言われるんだ。『付き合うのが無理なら一度だけ抱いてください』とか『キスしてください』とか。なんなんだあれは。俺とそんなことしても、後で本当の恋人ができたときに後悔するだけだろ」
弦はヒカルの言葉をベッドの上に座ったまま聞いている。
「弦はどうせ義務感だろ? 俺に同情してるんだ。付き合っておいて、一回もヤらせてあげないのは俺が可哀想だとでも思ったんだろ? だから最後にこんなことを言い出したんだ」
「違う……」
ヒカルの氷の刃のような言葉が一つ一つ弦の胸を突き刺していく。苦しくて涙が溢れそうだ。
「自惚れんなバーカ。誰がお前なんか抱くか! もうお前になんの興味もない」
ダメだ。ひと言でも声を洩らしたら、嗚咽を上げてしまいそうだった。
「さっさとお前の行きたいところに行けよっ」
ヒカルからの拒絶。これは当然の仕打ちだ。
弦はヒカルのプライドをズタズタに引き裂いた。
ヒカルほどの人間が、二度も振られるわけがない。
ヒカルはきちんと弦を愛してくれていた。そんなヒカルを理不尽に傷つけたのだから、嫌われて当然だ。
——さよなら。ヒカル。
最後にヒカルを見た。
こんな酷い真似をしたら、冷徹の仮面のヒカルから見下されると思っていた。
だが、あんなに冷たい言葉を投げかけてきたヒカルは、なぜか今にも泣き出しそうな顔をしていた。
弱々しいヒカル。
あの顔こそヒカルの本性だったのかもしれない。
一真とヒカルは絶対に仲違いしてはいけない。
ずっと仲のよかった二人があんなになってしまったのはきっと弦のせいだ。
二人の人生にとって弦は邪魔者でしかない。
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だが、弦はヒカルの家まで行くと言ったのに、そこは、ヒカルは駅まで迎えに行くと言って譲らなかった。
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相変わらずヒカルはかっこいい。あんな長身美形の男がいたら誰もが振り返るだろう。案の定、ヒカルはチラチラ見られて周りから注目を集めていた。何もせずに突っ立っているだけでかっこいいのだから本当にすごい。
そんな畏れ多いヒカルのもとへ弦は向かっていく。
「ヒカル!」
「弦、早いな」
「ヒカルのほうが俺より早いじゃん」
「そっか」
ヒカルは笑った。いつもは嬉しくなるヒカルの笑顔が、今日はチクッと弦の胸に突き刺さる。
だってこの笑顔を見られるのはこれが最後かもしれない。
「本。持つよ」
ヒカルは弦が持ってきた本が入った袋を弦から奪い取った。
「こんな急に全部返してくれなくてもいいのに」
「もう読み終わったから」
実は全部は読み終えてない。でも今日返さないと、今度ヒカルに会える日はいつかわからないと思って全部持ってきた。
「重いだろ、俺が持つよ」
弦が取り返そうとすると「俺を誰だと思ってる? お前の彼氏だぞ」とヒカルに怒られた。
「行こう、弦」
ヒカルから差し伸べられた手。いつもはそれを握ったりはしないが、今日だけはヒカルに触れたくて仕方がなくて、その手をぎゅっと握った。
驚いた様子のヒカルは一瞬目を見開いたが、すぐに笑顔になり弦の手指にヒカルの指を絡めてきた。
ヒカルの家でゲームをしたり、オヤツを食べたりしていつもどおりに過ごした。
ヒカルの家のオヤツはすごい。専属パティシエが要望を言えばなんでも作ってくれるらしい。ヒカルはショートケーキをお願いしたそうだ。
「やっと誕生日ケーキにありつけた」
ヒカルはそんな冗談を言った。
ヒカルの誕生日だったあの日、一真の事故の電話でケーキも食べずにこの店を飛び出してしまったから、そのことを言っているのだろう。
「ヒカルは甘いもの好きなのか?」
「いや、そうでもない」
「じゃあなんでそんなにケーキを食べたがったんだよ」
誕生日のときも、今日だってそうだ。なんでヒカルはケーキにこだわるんだろう。
「弦。誕生日にどうして俺があのカフェに弦を誘ったと思う?」
「えっ? ケーキが食べたいってヒカルが自分で言ってたじゃん」
「違う。あの店の立地」
「立地?」
「建ってる場所。すぐ裏がラブホ。あの店は恋人といい雰囲気になれれば、流れでホテルに誘いやすい。そういう使い方もできるって聞いたんだ」
「はっ……?」
ラブホ?! ヒカルの口からそんな単語が飛び出すなんて。
「これでわかったか? 俺は狡い奴だ。誕生日を理由に、弦をホテルに連れ込もうとしたんだから」
「…………っ!」
嘘だろ。ヒカルがそんなことを考えていただなんて。
「引いた? 悪いな。俺にも性欲があって、弦のことを思うとムラムラする。それだけの話」
ヒカルはそこで話を終わらせようとする。
「俺はそれでも構わないよ、ヒカル」
「いや、今のは誘ったんじゃない。逆だ。俺のことを信用するなって意味で——」
「いいよ、俺は、ヒカルとなら……」
弦にとっても願ってもない話だ。別れる前にヒカルと一度でいいからそういうことをしてみたかった。
「弦、急にどうしたんだ?!」
「急じゃない。ヒカルは? 嫌だ?」
「いやじゃ……」
ヒカルと目が合った。ヒカルが珍しく顔を赤らめて、動揺している。
「弦……」
ヒカルの手が弦の身体に伸びてきて、弦の腰に触れる。そのままヒカルのほうに身体を引き寄せられた。
お互いの視線を絡ませ、どちらともなく唇を重ねる。
「んっ…ふぅ……」
ヒカルはキスが上手だ。蕩けるようなキスにあっという間に魅了されていく。
「…………っ!」
ぐわっと両足をすくわれ、ヒカルに横抱きにされる。姫扱いされているみたいで恥ずかしいが、落とされてはかなわないとヒカルの首にしがみついた。
そのままヒカルに連れていかれた先はベッドだ。丁寧にベッドの上に下ろされ、ヒカルが上から覆い被さってきた。
「今日は最後までしない。だからそんなに緊張するな」
ヒカルが弦の髪を撫で、額に優しくキスをする。
「嫌だ。ヒカルお願い、最後までしよ?」
今日、行為が終わったらヒカルに別れを告げるつもりだ。もう次はないのだから、最後までして欲しい。
「焦らなくていい。弦」
「焦ってないよ、お願いだから」
ヒカルがじーっと顔を覗き込んでくる。その目は弦の心中を見透かすかのように鋭い。
「……な、なんだよヒカル」
「おかしい。弦、俺に何か隠してる」
「えっ?」
「言えよ。今日の弦は変だ」
ヒカルは弦を組み敷いて、弦の頭の横に両手をついたまま睨みつけてくる。
「なんでもない——」
「ある。言えよ。見当はついてるから」
感情を押し殺したような声だった。
ヒカルはきっと怒っている。平静を装っているが、ヒカルの手が微かに震えている。
「ヒカル……」
言いたくもない。せっかくヒカルと恋人同士になれたのに。
「俺たち、別れようか……」
ヒカルは何も言わない。さすがヒカルだ。表情ひとつ変えなかった。
「ヒカルには大事な将来があるだろ? 俺がヒカルのそばにいたらそれが台無しになる」
ヒカルには一真とともに代々引き継がれた家を守っていく使命がある。弦ごときで一真と仲違いしている場合じゃない。それにヒカルならこの先いくらでも弦よりいい相手に恵まれるはずだ。
「やっぱりな。こうなると思ってたよ」
ヒカルは気がついていたのか……?
「あの、俺はヒカルのことを嫌いになったわけじゃなくて——」
「理由はわかってるからわざわざ言うなっ!」
ヒカルに勢いよく言われて、弦は身体をビクッと震わせた。
ヒカルは弦の真意をわかっているのだろうか。
「うん……だから、最後にヒカルと……」
弦がヒカルに触れようと、ヒカルの右腕に手を伸ばしたら、ヒカルはサッと手を引き、ベッドから降りた。
「抱かない。俺にはもう弦に触れる権利はないから」
弦を見下ろすヒカルの目は冷たい。
弦に開かれ始めていた、ヒカルの心の扉がバタンと閉じた音が聞こえた気がした。
「告白されて、振ったときによく言われるんだ。『付き合うのが無理なら一度だけ抱いてください』とか『キスしてください』とか。なんなんだあれは。俺とそんなことしても、後で本当の恋人ができたときに後悔するだけだろ」
弦はヒカルの言葉をベッドの上に座ったまま聞いている。
「弦はどうせ義務感だろ? 俺に同情してるんだ。付き合っておいて、一回もヤらせてあげないのは俺が可哀想だとでも思ったんだろ? だから最後にこんなことを言い出したんだ」
「違う……」
ヒカルの氷の刃のような言葉が一つ一つ弦の胸を突き刺していく。苦しくて涙が溢れそうだ。
「自惚れんなバーカ。誰がお前なんか抱くか! もうお前になんの興味もない」
ダメだ。ひと言でも声を洩らしたら、嗚咽を上げてしまいそうだった。
「さっさとお前の行きたいところに行けよっ」
ヒカルからの拒絶。これは当然の仕打ちだ。
弦はヒカルのプライドをズタズタに引き裂いた。
ヒカルほどの人間が、二度も振られるわけがない。
ヒカルはきちんと弦を愛してくれていた。そんなヒカルを理不尽に傷つけたのだから、嫌われて当然だ。
——さよなら。ヒカル。
最後にヒカルを見た。
こんな酷い真似をしたら、冷徹の仮面のヒカルから見下されると思っていた。
だが、あんなに冷たい言葉を投げかけてきたヒカルは、なぜか今にも泣き出しそうな顔をしていた。
弱々しいヒカル。
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