100 / 124
冬麻卯年LOVE作戦編6 ※
しおりを挟む
それからふたりは淫らな行為に没頭した。
久しぶりにイき狂って、お互いの欲望を吐き出し合って、疲れ果てるまで激しく抱き合った。
冬麻が目を覚ましたときには全裸で、同じく全裸で眠っている久我の腕に抱かれている状態だった。
外はまだ暗いが、明け方のようで、少し明るくなってきており、視界は薄暗い。
冬麻が身につけていたアダルトなグッズは布団の隅にまとめて追いやられているのが見えた。
その恥ずかしいアイテムを見た途端に、さっきまでの情事に対する羞恥の気持ちが湧き上がってきた。
恥ずかしいポーズや、卑猥な言葉。その他アレやコレ、今になって思い出すだけで顔から火が出そうなくらいだ。
不意に冬麻を抱き締めていた久我の手にぎゅうっと力が入った。
「うぅん……」
久我は冬麻の髪に顔を寄せてきた。どうやら久我も目を覚ましたようだ。
「俺、完全に冬麻のサプライズにやられたよ……」
うわ、忘れたいと思っていたその話をするつもりなのか……?
「なにアレ可愛すぎるよ冬麻。俺、そういう趣味はないと自分で思ってたけど、すごく興奮した。新たな世界の扉を開いちゃったかもしれない……」
「はい?!」
「冬麻はコスプレとか、好き?」
「えっ……!」
「次はドクターとナース、いってみようか。それともご主人様とメイドにする?」
「あ、あの……それは……」
男同士でコスプレエッチするのに、どっちがナース服やメイド服を着ることになるのでしょうか……。
「とりあえず露天風呂プレイ、しようか?」
「なんですか、それ……」
さっきまで散々抱き合ってたくせに、久我はまだやる気なのだろうか。
「大丈夫。ちょっと恥ずかしいだけ。でもそれも淫らになればすぐに忘れちゃうから」
やっぱり淫らな行為なんじゃないか! いったい何をされるのだろう……。
「冬麻、大好き。心から愛してる。俺、好きになったのが冬麻で本当によかった。冬麻といると毎日楽しくて仕方がない」
「ングッ……!」
久我に、息が止まるくらいぎゅっと強く抱き締められる。
「あぁ、もう本当に大好きだ!」
冬麻の髪に、久我のキスの嵐だ。何度もリップ音を立ててチュッチュッとキスされて、めちゃくちゃ久我に愛でられる。
そのうち唇同士のキスが始まり、一度は冷めたはずの身体が、触れ合ううちに再び熱を帯びてきた。
「く、久我さん……実は俺、まだ用意していたものがあって……さっきは結局必要なかったから出さなかったんですけど……」
「え! まだあるの?!」
「はい……」
エロ下着サイトを見ていたときに、つい気になって購入したものがある。
アダルトなグッズなんてサイトを覗くまで知らなかったが、冬麻には久我というパートナーがいるんだし、ちょっと試してみたくなったものだ。
冬麻は近くに置いた自分の鞄からゴソゴソとそのボトルを取り出した。
「媚薬ローション……」
冬麻が呟くと、久我が目をしばたかせた。
「それ、冬麻が買ったの……?!」
「はい……あの、お互いが気持ちよくなるって書いてあったから……どんなものかと……」
別にいまのセックスに満足していないわけじゃない。ウサギ下着セットと一緒に買えば送料無料になるし、勢いでポチッてしまったものだ。
「待ってよ冬麻。冬麻って実はエッチなこと好きなの?! こんな純情そうな顔して……」
「好きです……だって久我さんとするの、いつもすごく気持ちいいから……」
久我の顔も見れないくらいに恥ずかしいと思ったが、なぜか今は自分がすごく開放的な気持ちになっていた。エロ下着姿の自分を乗り越えて、久我に恥ずかしいことを伝えることができるようになったのかもしれない。
「やばい。過去最高に俺はやばい。冬麻。早速試してみよう!」
「え! 今からですか?!」
「うん。俺は今すぐしたくてたまらない。しかも冬麻にお願いがある」
久我の目は真剣そのものだ。こんなに真剣にものを頼まれたことなどないのではないか。
「な、なんですか……?」
「さっきのエロ下着。もう一回つけて欲しい。必ずウサ耳付きで。それと媚薬ローションとセットでやってみよう」
「またですか?!」
そんなにお気に召してくれたのなら嬉しいが、あの痴態をもう一回……。
「冬麻。お願いだ。つけてくれたら俺はなんでもするから!」
「なんでもって……」
いや、エロ下着にそこまで情熱を注いでくれなくていいのに……。
「久我さん、あれはもう、ちょっと無理です……色々汚れちゃいましたし……」
冬麻が断ると、久我が残念そうな顔をする。
この世の終わりみたいな顔をしている久我に、あとひとつ教えなければならない事実がある。
「あの……白でもいいですか?」
「白?!」
「あれの、色違いの白……」
「色違い?! まさか白もあるの?!」
「はい……白が黒か迷ってしまって……両方買いました」
冬麻の目の前の久我はなぜか悶絶している。
「今日の俺は冬麻に完全にやられた……」
これは、サプライズ成功ってことでいいのか……?
「もちろん白でいい。いや、白がいい。黒もいいけど清廉潔白な白もいい」
いや、全然清廉潔白じゃない。どちらかと言えば私欲に溢れているアイテムだ。
「あー! 早く! 早くやりたい! 俺も冬麻が白ウサギに変身するの手伝うから!」
「えっ……! いや、俺またひとりで風呂入って着替えてきますから……」
「駄目だよ冬麻。今度こそ俺と一緒に入ろう。露天風呂エッチからの白ウサギ媚薬ローションのフルコンボでいこう!」
そのフルコンボに、俺は耐えられるのだろうか……。
「ほら、お風呂行こう?」
「立てません……連れてって……」
布団から起き上がるのが面倒だからそう言うと、久我は意を汲んで冬麻をいつもの横抱きにしてくれた。
「好き」
冬麻は久我の首に腕を回してつかまって、身体を預ける。
仕事上では社長でも、プライベートになると、冬麻の我儘をたくさん聞いてくれるところが好きだ。
「俺もだよ」
こんな甘い雰囲気の中、連れて行かれたのに、まさかその後にあそこまで壮絶なコンボが待ち受けていようとはこのときの冬麻は微塵も思わなかった。
——完。
久しぶりにイき狂って、お互いの欲望を吐き出し合って、疲れ果てるまで激しく抱き合った。
冬麻が目を覚ましたときには全裸で、同じく全裸で眠っている久我の腕に抱かれている状態だった。
外はまだ暗いが、明け方のようで、少し明るくなってきており、視界は薄暗い。
冬麻が身につけていたアダルトなグッズは布団の隅にまとめて追いやられているのが見えた。
その恥ずかしいアイテムを見た途端に、さっきまでの情事に対する羞恥の気持ちが湧き上がってきた。
恥ずかしいポーズや、卑猥な言葉。その他アレやコレ、今になって思い出すだけで顔から火が出そうなくらいだ。
不意に冬麻を抱き締めていた久我の手にぎゅうっと力が入った。
「うぅん……」
久我は冬麻の髪に顔を寄せてきた。どうやら久我も目を覚ましたようだ。
「俺、完全に冬麻のサプライズにやられたよ……」
うわ、忘れたいと思っていたその話をするつもりなのか……?
「なにアレ可愛すぎるよ冬麻。俺、そういう趣味はないと自分で思ってたけど、すごく興奮した。新たな世界の扉を開いちゃったかもしれない……」
「はい?!」
「冬麻はコスプレとか、好き?」
「えっ……!」
「次はドクターとナース、いってみようか。それともご主人様とメイドにする?」
「あ、あの……それは……」
男同士でコスプレエッチするのに、どっちがナース服やメイド服を着ることになるのでしょうか……。
「とりあえず露天風呂プレイ、しようか?」
「なんですか、それ……」
さっきまで散々抱き合ってたくせに、久我はまだやる気なのだろうか。
「大丈夫。ちょっと恥ずかしいだけ。でもそれも淫らになればすぐに忘れちゃうから」
やっぱり淫らな行為なんじゃないか! いったい何をされるのだろう……。
「冬麻、大好き。心から愛してる。俺、好きになったのが冬麻で本当によかった。冬麻といると毎日楽しくて仕方がない」
「ングッ……!」
久我に、息が止まるくらいぎゅっと強く抱き締められる。
「あぁ、もう本当に大好きだ!」
冬麻の髪に、久我のキスの嵐だ。何度もリップ音を立ててチュッチュッとキスされて、めちゃくちゃ久我に愛でられる。
そのうち唇同士のキスが始まり、一度は冷めたはずの身体が、触れ合ううちに再び熱を帯びてきた。
「く、久我さん……実は俺、まだ用意していたものがあって……さっきは結局必要なかったから出さなかったんですけど……」
「え! まだあるの?!」
「はい……」
エロ下着サイトを見ていたときに、つい気になって購入したものがある。
アダルトなグッズなんてサイトを覗くまで知らなかったが、冬麻には久我というパートナーがいるんだし、ちょっと試してみたくなったものだ。
冬麻は近くに置いた自分の鞄からゴソゴソとそのボトルを取り出した。
「媚薬ローション……」
冬麻が呟くと、久我が目をしばたかせた。
「それ、冬麻が買ったの……?!」
「はい……あの、お互いが気持ちよくなるって書いてあったから……どんなものかと……」
別にいまのセックスに満足していないわけじゃない。ウサギ下着セットと一緒に買えば送料無料になるし、勢いでポチッてしまったものだ。
「待ってよ冬麻。冬麻って実はエッチなこと好きなの?! こんな純情そうな顔して……」
「好きです……だって久我さんとするの、いつもすごく気持ちいいから……」
久我の顔も見れないくらいに恥ずかしいと思ったが、なぜか今は自分がすごく開放的な気持ちになっていた。エロ下着姿の自分を乗り越えて、久我に恥ずかしいことを伝えることができるようになったのかもしれない。
「やばい。過去最高に俺はやばい。冬麻。早速試してみよう!」
「え! 今からですか?!」
「うん。俺は今すぐしたくてたまらない。しかも冬麻にお願いがある」
久我の目は真剣そのものだ。こんなに真剣にものを頼まれたことなどないのではないか。
「な、なんですか……?」
「さっきのエロ下着。もう一回つけて欲しい。必ずウサ耳付きで。それと媚薬ローションとセットでやってみよう」
「またですか?!」
そんなにお気に召してくれたのなら嬉しいが、あの痴態をもう一回……。
「冬麻。お願いだ。つけてくれたら俺はなんでもするから!」
「なんでもって……」
いや、エロ下着にそこまで情熱を注いでくれなくていいのに……。
「久我さん、あれはもう、ちょっと無理です……色々汚れちゃいましたし……」
冬麻が断ると、久我が残念そうな顔をする。
この世の終わりみたいな顔をしている久我に、あとひとつ教えなければならない事実がある。
「あの……白でもいいですか?」
「白?!」
「あれの、色違いの白……」
「色違い?! まさか白もあるの?!」
「はい……白が黒か迷ってしまって……両方買いました」
冬麻の目の前の久我はなぜか悶絶している。
「今日の俺は冬麻に完全にやられた……」
これは、サプライズ成功ってことでいいのか……?
「もちろん白でいい。いや、白がいい。黒もいいけど清廉潔白な白もいい」
いや、全然清廉潔白じゃない。どちらかと言えば私欲に溢れているアイテムだ。
「あー! 早く! 早くやりたい! 俺も冬麻が白ウサギに変身するの手伝うから!」
「えっ……! いや、俺またひとりで風呂入って着替えてきますから……」
「駄目だよ冬麻。今度こそ俺と一緒に入ろう。露天風呂エッチからの白ウサギ媚薬ローションのフルコンボでいこう!」
そのフルコンボに、俺は耐えられるのだろうか……。
「ほら、お風呂行こう?」
「立てません……連れてって……」
布団から起き上がるのが面倒だからそう言うと、久我は意を汲んで冬麻をいつもの横抱きにしてくれた。
「好き」
冬麻は久我の首に腕を回してつかまって、身体を預ける。
仕事上では社長でも、プライベートになると、冬麻の我儘をたくさん聞いてくれるところが好きだ。
「俺もだよ」
こんな甘い雰囲気の中、連れて行かれたのに、まさかその後にあそこまで壮絶なコンボが待ち受けていようとはこのときの冬麻は微塵も思わなかった。
——完。
75
お気に入りに追加
1,031
あなたにおすすめの小説
隠れヤンデレは自制しながら、鈍感幼なじみを溺愛する
知世
BL
大輝は悩んでいた。
完璧な幼なじみ―聖にとって、自分の存在は負担なんじゃないか。
自分に優しい…むしろ甘い聖は、俺のせいで、色んなことを我慢しているのでは?
自分は聖の邪魔なのでは?
ネガティブな思考に陥った大輝は、ある日、決断する。
幼なじみ離れをしよう、と。
一方で、聖もまた、悩んでいた。
彼は狂おしいまでの愛情を抑え込み、大輝の隣にいる。
自制しがたい恋情を、暴走してしまいそうな心身を、理性でひたすら耐えていた。
心から愛する人を、大切にしたい、慈しみたい、その一心で。
大輝が望むなら、ずっと親友でいるよ。頼りになって、甘えられる、そんな幼なじみのままでいい。
だから、せめて、隣にいたい。一生。死ぬまで共にいよう、大輝。
それが叶わないなら、俺は…。俺は、大輝の望む、幼なじみで親友の聖、ではいられなくなるかもしれない。
小説未満、小ネタ以上、な短編です(スランプの時、思い付いたので書きました)
受けと攻め、交互に視点が変わります。
受けは現在、攻めは過去から現在の話です。
拙い文章ですが、少しでも楽しんで頂けたら幸いです。
宜しくお願い致します。
多分前世から続いているふたりの追いかけっこ
雨宮里玖
BL
執着ヤバめの美形攻め×絆されノンケ受け
《あらすじ》
高校に入って初日から桐野がやたらと蒼井に迫ってくる。うわ、こいつヤバい奴だ。関わってはいけないと蒼井は逃げる——。
桐野柊(17)高校三年生。風紀委員。芸能人。
蒼井(15)高校一年生。あだ名『アオ』。
告白ゲームの攻略対象にされたので面倒くさい奴になって嫌われることにした
雨宮里玖
BL
《あらすじ》
昼休みに乃木は、イケメン三人の話に聞き耳を立てていた。そこで「それぞれが最初にぶつかった奴を口説いて告白する。それで一番早く告白オッケーもらえた奴が勝ち」という告白ゲームをする話を聞いた。
その直後、乃木は三人のうちで一番のモテ男・早坂とぶつかってしまった。
その日の放課後から早坂は乃木にぐいぐい近づいてきて——。
早坂(18)モッテモテのイケメン帰国子女。勉強運動なんでもできる。物静か。
乃木(18)普通の高校三年生。
波田野(17)早坂の友人。
蓑島(17)早坂の友人。
石井(18)乃木の友人。
初心者オメガは執着アルファの腕のなか
深嶋
BL
自分がベータであることを信じて疑わずに生きてきた圭人は、見知らぬアルファに声をかけられたことがきっかけとなり、二次性の再検査をすることに。その結果、自身が本当はオメガであったと知り、愕然とする。
オメガだと判明したことで否応なく変化していく日常に圭人は戸惑い、悩み、葛藤する日々。そんな圭人の前に、「運命の番」を自称するアルファの男が再び現れて……。
オメガとして未成熟な大学生の圭人と、圭人を番にしたい社会人アルファの男が、ゆっくりと愛を深めていきます。
穏やかさに滲む執着愛。望まぬ幸運に恵まれた主人公が、悩みながらも運命の出会いに向き合っていくお話です。本編、攻め編ともに完結済。
僕のために、忘れていて
ことわ子
BL
男子高校生のリュージは事故に遭い、最近の記憶を無くしてしまった。しかし、無くしたのは最近の記憶で家族や友人のことは覚えており、別段困ることは無いと思っていた。ある一点、全く記憶にない人物、黒咲アキが自分の恋人だと訪ねてくるまでは────
親友だと思ってた完璧幼馴染に執着されて監禁される平凡男子俺
toki
BL
エリート執着美形×平凡リーマン(幼馴染)
※監禁、無理矢理の要素があります。また、軽度ですが性的描写があります。
pixivでも同タイトルで投稿しています。
https://www.pixiv.net/users/3179376
もしよろしければ感想などいただけましたら大変励みになります✿
感想(匿名)➡ https://odaibako.net/u/toki_doki_
Twitter➡ https://twitter.com/toki_doki109
素敵な表紙お借りしました!
https://www.pixiv.net/artworks/98346398
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる