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やってまいりました。
しおりを挟む色々と濃い1日から早くも一週間が立ちました。
わたくしの前にはとてつもなく不機嫌な黒色の男が居て、わたくしにはとてもスタイル抜群な金髪美少女がへばりついております。
そう、察しの方も居ると思いますが、この方たちが魔王とエリザベート様です。
エリザベート様は想像の大人びたお姉さま系ではなく、なんと言いましょうか。
「巨乳幼女だろ?」
「え、あ、その。」
「あら、そう見えるなんて嬉しい。魔界なんて、そんな事を言ってくれないんだもの。」
こう見えて40歳過ぎてるわよ。
なんて言われましたら、驚きであんぐりしてしまいました。隣で魔王にニコニコと笑いかけていたレオが教えて下さらなかったらしばらくはそのままでしたでしょう。
「エリザ、いい加減に戻ってこい。」
「あら、貴方も混じりたいのならそう言いなさい。」
「混じりたい。」
…。
いや、魔王様?
もしかして不機嫌なのは混ざれないからですか?
「そうだ。こんなにも綺麗な魂は初めて見る。魔族は過度な光とかは苦手だがお前の魂の輝きは心地よい。その点で言えば、そこの男は苦手だ。」
そこの男、いわゆるレオの事ですね。
ああ、この場にはわたくし、レオ、魔王、エリザベート様の四人が居ます。父や陛下は忙しいらしいので最初の挨拶を終えたら直ぐに居なくなってしまいました。
エリザベート様が、順番よと声をだしたらいそいそと並ぶお姿はかつての恐怖の姿とは掛け離れております。陛下の事といいもしかして偉い人って対面を整えるの大変なのかしら。
「エルザは良いがテメェは駄目だからな。」
「レオナルドったら嫉妬深い男は嫌われるわよ。」
エリザベート様の言葉に、一瞬だけ問う視線が投げられた。
大丈夫です。
独占したい想いはわたくしにとっては嬉しいことで、嫌いになどなりませんから。
しばらく、エリザベート様にわきゃわきゃと可愛がっていただいたあと、レオの視線などお構いなしに魔王がわたくしの手にそっと触れ微かな笑みと共に身体を調べるかの様に見つめました。
「うん。良い魂だ。もし、そこの男にあきたら魔界にぜひ来て欲しいな。」
「たぶんそれは無いでしょうからあきらめてください。」
「それは残念だ。で、俺たちに話があるそうだが。」
名残惜しそうに解放されるとレオに威嚇の声をあげながら回収されました。エリザベート様に心が狭いわねなんて言われてますが、お構いなしです。
前はこんな事されたことがありませんから、わたくしとしては嬉しいのですが。
それはそうと。
「魔術、魔法についてお尋ねしたいのです。」
「ほう。」
「サーチ魔術が効かないのです。その者に掛けても何の反応が得られないのです。もしかしたら種族で違うのかなと思いまして。ですから何か解らないかと。」
「そんなの当たり前じゃない。」
わたくしの問いに難しい顔をした魔王を尻目に、気軽に答えてくれたのはエリザベート様でした。
視線が一気にエリザベート様に集中します。
「サーチ魔術って、魔力の変動をとか言ってるけど要は魔力の残り香を調べてるのよ。」
「残り香?」
「魔族、神族、人族。それどれ異なっているもの。その者が人族以外ならその魔力の性質を知らなかったら意味無いわよ。って、知らないの?」
エリザベート様の話に、目を丸くして聞いていた三人は同時にコクりと頷いた。
では、あの三人に効かなかったのはわたくしの思っていた通りかもしれない。
「ラスレア様がこっちと魔族の魔力の混在したなり方だったから知っていると思ってたら。」
「魔力が見えるのですか。」
「多少ね。」
なんと言うことでしょう。
わたくしの魔力はハイブリッドだったようです。
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