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強面の男2
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ミズキとの逢瀬を楽しんでいた男……アーサー
アーサー・ブランクとは、王国筆頭のブランク公爵家の長男だ
長男で次期当主として育てられていたが、貴族が入るのが義務付けられていた騎士団に入るとメキメキと頭角を表し、気がついたら騎士団長となっていた
身長190センチを超える筋肉がついた厚い胸板と、力強く蛮族を葬り去る拳に、強靭な足
何より鋭い赤い瞳がひとたび相手を見れば、怯み逃げ出し女は泣いて失神する
公爵家長男として好物件なハズが誰も彼には近づかなかった
何人か命知らずの縁談が来たが、会えば目も合わせない娘と信頼関係など結べず、破談が続き遂には誰からも声が掛からなくなったが、アーサーは騎士団長と公爵家の次期当主として週2日程の酒場巡りを除き忙しい日々を過ごしていた
彼女との逢瀬は何よりも優先されるべき順位で、しわ寄せがきた騎士団と公爵家での仕事に影響が出始めたため彼女を側に置く事にしたのだ
ーー俺だけの姫が来る
そう思うだけで居ても立っても居られなくなり彼女の住む男爵家へ直接攫いに向かおうかと、気が早る
しかし彼女はあくまでも"平民"として身分を偽り変装し酒場へ出稼ぎという名目で働いている事を思い出し、彼女の屋敷に行ったら拒絶されかねないと思い留まる
騎士団付きの侍女というのは、本来なら血の気の多い騎士団ではあり得ない待遇だが彼女は騎士団長専属・・・・・・として配属される
…これはあの男爵家にも知らされていないが、まあ、構わないだろう
ーーなんせ彼女のお給金は直接俺が払うのだから
今まで物にも人にも頓着せず心突き動かすものがなかった淡白な男だと思っていたが
己の何処にこんな執着心があるのかと、苦笑する
先日の彼女が最後と思っていたこの半月の情事を思い出し下半身が反応するのを感じる
酷く情熱的で離れないように腰に巻き付ける脚に力が入り隙間なくピッタリとくっついたし、私を忘れないでと己の熱に奉仕する姿は目に焼き付き彼女と別れても、ひとりで数えきれないほど慰めた
それが目の前に、住み込みの為本当の意味で一日中一緒に居れると思うと面倒な事務書類も難なく進む
そんな団長の側で事務書類を手伝う男ーー副団長のライサムが、遅れている仕事を補佐していたが
こんな早くに処理できるならどうしてやらなかったんだと目が語る
ライサムの何か言いたげな視線を無視し、本日の緊急の件と明日の雑務を午前中に済ませた俺は彼女が扉を叩いて入ってくるまで書類の処理を進める
入ってきた彼女が俺を見て驚くのか、それとも外行きの顔をして他人の振りをするのかを想像してニヤけるのを堪えるために眉間に皺がより、余計に強面の顔になるのが分かる
ひっと怯える声が聞こえたが、多分ライサムは俺が難しい書類を見ていると勘違いしているのだろう
コンコンとノックされる扉にライサムが返事をすると
世界一美しい鈴の音が「今日から騎士団付き侍女として勤めるミズナ・カルローイです」入室の許可を求める
ライサムが扉を開くと、ピキッと固まるライサム
どうした?とライサムの方を執務机から見ると
はっと目を奪われた
彼女が
ミズキが…
いやミズナが、酒場の時とは違い
豊満で柔らかそうな胸ときゅっと締まった細い腰が服越しでも分かる白い襟と袖のシンプルな黒いワンピースを着、軽くお団子にしまとめたツヤのある黒い髪が小さい頭の形を教えてくれる、澄んだ大きな黒い瞳につるんとしたきめ細やかな肌と頬は血色の良いほのかなピンク、口は瑞々しく赤いぷっくりした唇に小さな顔から首までの白い肌の色を際立たせ美しい姫そのものだった
ーーなぜ…なぜ変装してこない
と沸々と沸き上がる怒りを抑えられず、顔が険しくなる
ライサムがうっとりと惚けているのがはっきりと分かり更に荒ぶる心に低い唸りが出るが扉まで遠いので誰も気がつかない
そんな俺の心情など知らない…入室する前に一礼し顔を上げたミズナは、机に座る俺を見て驚きで目を見開いたのだった
アーサー・ブランクとは、王国筆頭のブランク公爵家の長男だ
長男で次期当主として育てられていたが、貴族が入るのが義務付けられていた騎士団に入るとメキメキと頭角を表し、気がついたら騎士団長となっていた
身長190センチを超える筋肉がついた厚い胸板と、力強く蛮族を葬り去る拳に、強靭な足
何より鋭い赤い瞳がひとたび相手を見れば、怯み逃げ出し女は泣いて失神する
公爵家長男として好物件なハズが誰も彼には近づかなかった
何人か命知らずの縁談が来たが、会えば目も合わせない娘と信頼関係など結べず、破談が続き遂には誰からも声が掛からなくなったが、アーサーは騎士団長と公爵家の次期当主として週2日程の酒場巡りを除き忙しい日々を過ごしていた
彼女との逢瀬は何よりも優先されるべき順位で、しわ寄せがきた騎士団と公爵家での仕事に影響が出始めたため彼女を側に置く事にしたのだ
ーー俺だけの姫が来る
そう思うだけで居ても立っても居られなくなり彼女の住む男爵家へ直接攫いに向かおうかと、気が早る
しかし彼女はあくまでも"平民"として身分を偽り変装し酒場へ出稼ぎという名目で働いている事を思い出し、彼女の屋敷に行ったら拒絶されかねないと思い留まる
騎士団付きの侍女というのは、本来なら血の気の多い騎士団ではあり得ない待遇だが彼女は騎士団長専属・・・・・・として配属される
…これはあの男爵家にも知らされていないが、まあ、構わないだろう
ーーなんせ彼女のお給金は直接俺が払うのだから
今まで物にも人にも頓着せず心突き動かすものがなかった淡白な男だと思っていたが
己の何処にこんな執着心があるのかと、苦笑する
先日の彼女が最後と思っていたこの半月の情事を思い出し下半身が反応するのを感じる
酷く情熱的で離れないように腰に巻き付ける脚に力が入り隙間なくピッタリとくっついたし、私を忘れないでと己の熱に奉仕する姿は目に焼き付き彼女と別れても、ひとりで数えきれないほど慰めた
それが目の前に、住み込みの為本当の意味で一日中一緒に居れると思うと面倒な事務書類も難なく進む
そんな団長の側で事務書類を手伝う男ーー副団長のライサムが、遅れている仕事を補佐していたが
こんな早くに処理できるならどうしてやらなかったんだと目が語る
ライサムの何か言いたげな視線を無視し、本日の緊急の件と明日の雑務を午前中に済ませた俺は彼女が扉を叩いて入ってくるまで書類の処理を進める
入ってきた彼女が俺を見て驚くのか、それとも外行きの顔をして他人の振りをするのかを想像してニヤけるのを堪えるために眉間に皺がより、余計に強面の顔になるのが分かる
ひっと怯える声が聞こえたが、多分ライサムは俺が難しい書類を見ていると勘違いしているのだろう
コンコンとノックされる扉にライサムが返事をすると
世界一美しい鈴の音が「今日から騎士団付き侍女として勤めるミズナ・カルローイです」入室の許可を求める
ライサムが扉を開くと、ピキッと固まるライサム
どうした?とライサムの方を執務机から見ると
はっと目を奪われた
彼女が
ミズキが…
いやミズナが、酒場の時とは違い
豊満で柔らかそうな胸ときゅっと締まった細い腰が服越しでも分かる白い襟と袖のシンプルな黒いワンピースを着、軽くお団子にしまとめたツヤのある黒い髪が小さい頭の形を教えてくれる、澄んだ大きな黒い瞳につるんとしたきめ細やかな肌と頬は血色の良いほのかなピンク、口は瑞々しく赤いぷっくりした唇に小さな顔から首までの白い肌の色を際立たせ美しい姫そのものだった
ーーなぜ…なぜ変装してこない
と沸々と沸き上がる怒りを抑えられず、顔が険しくなる
ライサムがうっとりと惚けているのがはっきりと分かり更に荒ぶる心に低い唸りが出るが扉まで遠いので誰も気がつかない
そんな俺の心情など知らない…入室する前に一礼し顔を上げたミズナは、机に座る俺を見て驚きで目を見開いたのだった
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