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男爵家会議1
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「…私が…城の騎士団に….ですか?」
困惑する私の目の前には夕時の食事が並ぶ
相変わらず野菜スープとパンというシンプルな献立だが、食べ物が出るだけ有難いと感謝の気持ちを忘れない
食堂にはお父様、お母様と珍しく兄2人がいた
みな同じ食事を始めてしばらくするとお父様から言われた、私が酒場を辞め城の中にある騎士団本部付きの侍女で勤めるよう国王陛下から書簡が届いたらしい
「しかも、…住み込み」
流石に私が下町で働いていることは知られていないらしいが、急な命令に私含め家族全員が戸惑う
ーー社交界にもほぼ出ない私を知っているの?
私以外にも令嬢はいるのに何で?
という疑問が出るが国王陛下の命令は絶対なので従うしかないだろう
書簡によると、城に勤めるのは約1か月後なので、次の出勤日に適当な理由を出して辞める事を伝えねばと決める
すると、
「酒場での社会勉強はどうだい?」と長兄が尋ねる
「…そうですね…酔っ払いを相手にするのは大変ですが最近は絡む人が居なくて平穏です」
「…月の雫が平穏…?あの騎士団御用達の?」
と次兄がびっくりしたように話に入ってくる
「…?はい、皆さま確かにお酒は呑んで楽しくしていますが喧嘩を始めたり、絡まれたりしたことはないです」
と働き始めてから今までを思い返しても、そんな大きな事件起きたこともないと素直に伝える
「まぁ今まで女の子が注文取ったりしなかったから、騎士団の方も呑むだけにしているのかしら?」
とお母様が間に入る
「でも、月の雫だよ?」
改めて疑問を呈する次兄に
「まぁまあ、外から見た下町の情報と実際に働く人の中の情報とは違うこともあるだろう」
とお父様が話を切り上げる
スープもパンも食べ終わりスプーンを置いたお父様が
「…ここからが本題だ」
と深刻な顔になったので、スプーンを置き一同お父様に注目する
「今月足りないのは、およそ120万チェリーだ、私が50万、息子達がそれぞれ25万、お母様とミズナはそれぞれ10万で調達するように」
と伝えた父に頭の中でバイト代を計算する
ーーうん、なんとか目標に届きそう
今月は目標値がなんとかなりそうでホッとする
たまに20万チェリーの時があり、バイト時間を増やしたりしているので、予算内でも余った分は貯金しないと後が大変なので余ったお給金は使用しない
ちなみに15万チェリーで下町での生活が食事に困る事なく1か月出来るのだ
そして
「では、またひと月後に定例会議を始める…ミズナ達もひと月後には必ず帰ってくるように」
とお父様の言葉で解散となった
困惑する私の目の前には夕時の食事が並ぶ
相変わらず野菜スープとパンというシンプルな献立だが、食べ物が出るだけ有難いと感謝の気持ちを忘れない
食堂にはお父様、お母様と珍しく兄2人がいた
みな同じ食事を始めてしばらくするとお父様から言われた、私が酒場を辞め城の中にある騎士団本部付きの侍女で勤めるよう国王陛下から書簡が届いたらしい
「しかも、…住み込み」
流石に私が下町で働いていることは知られていないらしいが、急な命令に私含め家族全員が戸惑う
ーー社交界にもほぼ出ない私を知っているの?
私以外にも令嬢はいるのに何で?
という疑問が出るが国王陛下の命令は絶対なので従うしかないだろう
書簡によると、城に勤めるのは約1か月後なので、次の出勤日に適当な理由を出して辞める事を伝えねばと決める
すると、
「酒場での社会勉強はどうだい?」と長兄が尋ねる
「…そうですね…酔っ払いを相手にするのは大変ですが最近は絡む人が居なくて平穏です」
「…月の雫が平穏…?あの騎士団御用達の?」
と次兄がびっくりしたように話に入ってくる
「…?はい、皆さま確かにお酒は呑んで楽しくしていますが喧嘩を始めたり、絡まれたりしたことはないです」
と働き始めてから今までを思い返しても、そんな大きな事件起きたこともないと素直に伝える
「まぁ今まで女の子が注文取ったりしなかったから、騎士団の方も呑むだけにしているのかしら?」
とお母様が間に入る
「でも、月の雫だよ?」
改めて疑問を呈する次兄に
「まぁまあ、外から見た下町の情報と実際に働く人の中の情報とは違うこともあるだろう」
とお父様が話を切り上げる
スープもパンも食べ終わりスプーンを置いたお父様が
「…ここからが本題だ」
と深刻な顔になったので、スプーンを置き一同お父様に注目する
「今月足りないのは、およそ120万チェリーだ、私が50万、息子達がそれぞれ25万、お母様とミズナはそれぞれ10万で調達するように」
と伝えた父に頭の中でバイト代を計算する
ーーうん、なんとか目標に届きそう
今月は目標値がなんとかなりそうでホッとする
たまに20万チェリーの時があり、バイト時間を増やしたりしているので、予算内でも余った分は貯金しないと後が大変なので余ったお給金は使用しない
ちなみに15万チェリーで下町での生活が食事に困る事なく1か月出来るのだ
そして
「では、またひと月後に定例会議を始める…ミズナ達もひと月後には必ず帰ってくるように」
とお父様の言葉で解散となった
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