4 / 41
接近1
しおりを挟む
電車に乗り昨日と同じ座席はほぼ埋まっていたのでドアの前で2人並んで立つ
出発し、電車が動き出す
しばらくすると
「今日天気いいな」
とぼそり聞こえ
「そうだね」
と答える
また沈黙になり
「今日暑いな」
とぼそりと聞こえ
「そうだね」
と答える
2度目とも同じ返事をしちゃったと思って渡辺を見上げると、窓の外を見ている顔が少し赤くなっていた
「…ふふっ」と笑いが込み上げてきて口を手で押さえていると気がついた渡辺が私の目を隠すように手をかざした
「ははっ…ごめ…ごめんって」
私の笑いに渡辺も笑ったような気がしたが、目が隠されているので見えない
2人で笑い合っていたらホームに到着した
私達のいるドアの反対側のドアが開き、ホームで待っていた人が大勢入ってきた
ぐいっとと
人並みに押されそうになった私を引き寄せた渡辺が、ドアの間に私を入れ人から守るように立ってくれた
ドアが閉まり電車が発車し、車内が揺れ人々がバランスを崩し押しあう
最初の方は窓に肘をドアの窓につけていた渡辺は、人々が押し寄せてきたため私の顔に制服の胸が当たり、ピッタリとくっついた
硬い身体にびっくりして固まってしまった
異性とこんな近くにいた事がないし、密着した事もない私は軽くパニックになってしまったようだ
「…ごめん」
固まった私に気が付いた渡辺は、そう呟くと頭上から注がれた低い声に胸がドキドキする
ーー身体が硬い…あと、声もこんな感じだったっけ?
と中学時代との差を思い出すが、ドキドキする心臓がうるさくてちゃんと考えられない
ーーそれに…ちょっといい匂いがする…
しばらく電車の動きに身を任せていたが、次の駅に到着したアナウンスが流れ私達の方のドアが開く
人々が出るために私達は押され、咄嗟に渡辺が私の手を掴みホームに降り、ドアの入り口付近で待つ事になった
ーーててててて…手を!!
胸のドキドキが収まらない上に、新たな出来事で考えるのを放棄した
はっと気がつくとまた電車内に2人並んで立っていた
が、
手は繋がれたままだった
ーーちょっと大きくて、固い…手だ
とドキドキしながら過ぎゆく景色をドアの窓から2人で眺めていた
出発し、電車が動き出す
しばらくすると
「今日天気いいな」
とぼそり聞こえ
「そうだね」
と答える
また沈黙になり
「今日暑いな」
とぼそりと聞こえ
「そうだね」
と答える
2度目とも同じ返事をしちゃったと思って渡辺を見上げると、窓の外を見ている顔が少し赤くなっていた
「…ふふっ」と笑いが込み上げてきて口を手で押さえていると気がついた渡辺が私の目を隠すように手をかざした
「ははっ…ごめ…ごめんって」
私の笑いに渡辺も笑ったような気がしたが、目が隠されているので見えない
2人で笑い合っていたらホームに到着した
私達のいるドアの反対側のドアが開き、ホームで待っていた人が大勢入ってきた
ぐいっとと
人並みに押されそうになった私を引き寄せた渡辺が、ドアの間に私を入れ人から守るように立ってくれた
ドアが閉まり電車が発車し、車内が揺れ人々がバランスを崩し押しあう
最初の方は窓に肘をドアの窓につけていた渡辺は、人々が押し寄せてきたため私の顔に制服の胸が当たり、ピッタリとくっついた
硬い身体にびっくりして固まってしまった
異性とこんな近くにいた事がないし、密着した事もない私は軽くパニックになってしまったようだ
「…ごめん」
固まった私に気が付いた渡辺は、そう呟くと頭上から注がれた低い声に胸がドキドキする
ーー身体が硬い…あと、声もこんな感じだったっけ?
と中学時代との差を思い出すが、ドキドキする心臓がうるさくてちゃんと考えられない
ーーそれに…ちょっといい匂いがする…
しばらく電車の動きに身を任せていたが、次の駅に到着したアナウンスが流れ私達の方のドアが開く
人々が出るために私達は押され、咄嗟に渡辺が私の手を掴みホームに降り、ドアの入り口付近で待つ事になった
ーーててててて…手を!!
胸のドキドキが収まらない上に、新たな出来事で考えるのを放棄した
はっと気がつくとまた電車内に2人並んで立っていた
が、
手は繋がれたままだった
ーーちょっと大きくて、固い…手だ
とドキドキしながら過ぎゆく景色をドアの窓から2人で眺めていた
11
お気に入りに追加
128
あなたにおすすめの小説
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
極上の一夜で懐妊したらエリートパイロットの溺愛新婚生活がはじまりました
白妙スイ@書籍&電子書籍発刊!
恋愛
早瀬 果歩はごく普通のOL。
あるとき、元カレに酷く振られて、1人でハワイへ傷心旅行をすることに。
そこで逢見 翔というパイロットと知り合った。
翔は果歩に素敵な時間をくれて、やがて2人は一夜を過ごす。
しかし翌朝、翔は果歩の前から消えてしまって……。
**********
●早瀬 果歩(はやせ かほ)
25歳、OL
元カレに酷く振られた傷心旅行先のハワイで、翔と運命的に出会う。
●逢見 翔(おうみ しょう)
28歳、パイロット
世界を飛び回るエリートパイロット。
ハワイへのフライト後、果歩と出会い、一夜を過ごすがその後、消えてしまう。
翌朝いなくなってしまったことには、なにか理由があるようで……?
●航(わたる)
1歳半
果歩と翔の息子。飛行機が好き。
※表記年齢は初登場です
**********
webコンテンツ大賞【恋愛小説大賞】にエントリー中です!
完結しました!
ミックスド★バス~家のお風呂なら誰にも迷惑をかけずにイチャイチャ?~
taki
恋愛
【R18】恋人同士となった入浴剤開発者の温子と営業部の水川。
お互いの部屋のお風呂で、人目も気にせず……♥
えっちめシーンの話には♥マークを付けています。
ミックスド★バスの第5弾です。
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
ダブル シークレットベビー ~御曹司の献身~
菱沼あゆ
恋愛
念願のランプのショップを開いた鞠宮あかり。
だが、開店早々、植え込みに猫とおばあさんを避けた車が突っ込んでくる。
車に乗っていたイケメン、木南青葉はインテリアや雑貨などを輸入している会社の社長で、あかりの店に出入りするようになるが。
あかりには実は、年の離れた弟ということになっている息子がいて――。
【完結】やさしい嘘のその先に
鷹槻れん
恋愛
妊娠初期でつわり真っ只中の永田美千花(ながたみちか・24歳)は、街で偶然夫の律顕(りつあき・28歳)が、会社の元先輩で律顕の同期の女性・西園稀更(にしぞのきさら・28歳)と仲睦まじくデートしている姿を見かけてしまい。
妊娠してから律顕に冷たくあたっていた自覚があった美千花は、自分に優しく接してくれる律顕に真相を問う事ができなくて、一人悶々と悩みを抱えてしまう。
※30,000字程度で完結します。
(執筆期間:2022/05/03〜05/24)
✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
2022/05/30、エタニティブックスにて一位、本当に有難うございます!
✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
---------------------
○表紙絵は市瀬雪さまに依頼しました。
(作品シェア以外での無断転載など固くお断りします)
○雪さま
(Twitter)https://twitter.com/yukiyukisnow7?s=21
(pixiv)https://www.pixiv.net/users/2362274
---------------------
シングルマザーになったら執着されています。
金柑乃実
恋愛
佐山咲良はアメリカで勉強する日本人。
同じ大学で学ぶ2歳上の先輩、神川拓海に出会い、恋に落ちる。
初めての大好きな人に、芽生えた大切な命。
幸せに浸る彼女の元に現れたのは、神川拓海の母親だった。
彼女の言葉により、咲良は大好きな人のもとを去ることを決意する。
新たに出会う人々と愛娘に支えられ、彼女は成長していく。
しかし彼は、諦めてはいなかった。
今更だけど、もう離さない〜再会した元カレは大会社のCEO〜
瀬崎由美
恋愛
1才半の息子のいる瑞希は携帯電話のキャリアショップに勤めるシングルマザー。
いつものように保育園に迎えに行くと、2年前に音信不通となっていた元彼が。
帰国したばかりの彼は亡き祖父の後継者となって、大会社のCEOに就任していた。
ずっと連絡出来なかったことを謝罪され、これからは守らせて下さいと求婚され戸惑う瑞希。
★第17回恋愛小説大賞で奨励賞をいただきました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる