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リクエスト 仲直り メガネ彼女と野獣

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付き合ってもうすぐ、4ヶ月の初めて訪れる冬。


天気予報は雨。パラパラと降り始めた空を見上げて、メガネがずれたので直していたら背後から声を掛けられた。
「道森さん!部品ライン部門から呼び出しだよ!」
係長に呼ばれ、振り向くと「お願い!」と懇願された。
「…私の担当は部品調達部門なんですけど…」
さり気なく自分の担当部門を告げるが、係長は無視をして同じ言葉を繰り返す。
「道森さんしか対応出来ないのよ、ほら、榎木さん…その…他の人が行くと、ぶすっとしちゃって…」
またか、と心の中で思っても顔には出さず、どうやって断ろうか考えていたら、
「それに、道森さん無害だから」
と前にも同じ場面があった、訳の分からない事をさらっと言われた。



****************


「…榎木さんいらっしゃいますか?」
部品ライン部門に着くと、機械の前にいたベージュの作業着姿の従業員に声を掛ける。
私を見ずに、「あのライン長の部屋」と告げた従業員に、この部品ライン部門はひと付き合いが苦手な人ばかりだな、としみじみ思った。

ライン長と書かれた部屋にノックして入ると、ライン長と榎木さんが焦茶の皮のソファーに向かい合って座り話していた。
「あれ、道森さんどうしたの?」
私に声を掛けたのは、50代くらいのベージュの作業服を着ていたおじさんーーライン長だった。
「…お話の所すいません、榎木さんに書類の確認を」
チラッと座る彼を見ると、彼は私を見た後ライン長に視線を戻し、ライン長に話しかけた。
「…すいません、少し席を外します」
申し訳なさそうに、許可を取る彼に
「おお、わかった」
ライン長はにこやかに承諾したのだった。



「この書類なんだけど」
二人きりで工場の隅に立った私達は、本来の目的の書類を彼に見せた。
「…ああ、これか」
紙を受け取るとブツブツと独り言を呟き、ポケットからペンを取り出し修正していく。
はい、と渡された紙をざっと訂正された箇所を読み確認した。
「はい、ありがと」
と顔を上げて彼を見ると、蕩けるような顔で私を見ていた。
「愛美、今日どうする」
チラッと人がいないか周りを見た後、私の頬を撫でる。
「今日は…会わない日でしょ?」
私がムッとして、頬を触る手首を掴み下ろす。先週ちょっとした喧嘩で、目の前にいる榎木さんーー由伸がしばらく会わないと言ったのだ。その言葉にムカついた私は、彼からの連絡も無視していた。
「それに同じ事務処理課に担当者がいるから、由伸が不機嫌に対応すると私が対応するように言われるんだけど!」
「しょうがないだろ、久しぶりに見る彼女の顔を見たいんだから」
ブスッと怒った彼が、私を見る。
「自分で言ったじゃん」
「…それはそうだけど」
途端にバツが悪くなったのかフィッと視線を逸らした由伸は、頭を掻いた。
「…悪かった」
謝る言葉が彼の口から出て、無理矢理謝らせた罪悪感で私も気まずくなる。
「…私もごめん」
お互い視線を合わせず、しばらく経つとラインの機械から赤い電灯がひかり、ピーピーと大音量で警告音が鳴る。
「っち…悪い、また後で」
舌打ちをした彼は、私の頭に手を置きポンッと軽く触れると、警告音の聞こえる方へと歩き出した。



昼休みになり、どうしようか悩んでやっぱりSNSのアプリを開いて、彼にメッセージを送った。
『今日会いたい』
送信するとすぐに既読になり、返信が送られてくる。
『終わったら駐車場にきて』
大きく"OK"と書いてある可愛いポイントカードのキャラクターのスタンプを押して送信してスマホを閉まった。



「お疲れ」
仕事終わりに、雨も止んだ地面が濡れたコンクリートを歩き、いつも彼が停めている駐車場へと着くと、すでに私服姿の由伸が車に寄っかかりたばこを吸っていた。
私が声を掛けるとタバコの火を携帯灰皿の中に押込み消し、助手席のドアを開けた。
「お疲れ、乗って」
私が乗り込むと運転席側に回って座った由伸は、エンジンをかけ車を発進させた。

会社専用の駐車場を出てしばらくすると、私の家でも由伸の家の方へも違う方へ向かっていた。
「…この後どうするの?」
「んーとりあえず、飯にしよう」
と前を向いて喋る由伸に、
「…私作るけど?明日もあるし」
暗に明日も仕事だから遠出したくないから作りたいと言うが、
「うーん、まっいいじゃん」
私の気持ちを察したのか濁す由伸は、信号待ちになったと同時に膝の上に置いた私の手を握る。
「ちょっ…運転中…でしょ」
「少しだけ」
指を絡められると、私も握り返し由伸を見た。
「…由伸」
2人で見つめ合っていると、うしろにいる車のクラクションが鳴り、信号が青に変わった事を知る。パッと手を離した由伸は、アクセルを踏むと車を発進させた。
車が信号待ちで止まる度に見つめ合い、しばらく走ると大型の駐車場に着いた。

「…ここは?」
フロントガラスからは、人も車もまだらの黒い木々の影しか見えない。
「今イルミネーションやってる…来たいって言っていたろ」
そう言ってシートベルトを外した由伸は、うしろの座席からフードダウンの上着を取った。
その間に私は、メガネを外しバッグから口紅を取り出しハンドミラーを見ながらマッドカラーの口紅を塗る。結いでいる髪を解き軽く指でとかすと、由伸が私をじーっと見つめていることに気がついた。
「ん?何?」
どうしたの?と首を傾げると、ハッとした由伸が、
「べっ…別に…行こう」
と少し慌て、ドアを開けた。

車の前で待つ由伸の所へ行くと、リモコンキーで扉を閉めた由伸は、腕を差し出したので、ふふっと笑って私の腕を絡めた。
入り口の近くにある窓口で、お金を払うと2人で中へと入った。
今日は雨だったからか、平日だからか分からないけど人も少なく、ゆっくりと見て回れた。豪華なイルミネーションのアーチを潜ったり、一面に広がる七色のグラデーションの横を通り自撮りで2人一緒に頬を突き合わせ写真を撮る。背後から抱きしめられると、うしろのイルミネーションが入らない!とブーブー言っていると、開き直った由伸から、これでいい、とどの写真も抱きしめられる。
1時間半滞在していたのだが、そろそろ閉園のアナウンスが流れると、どちらかともなく出口へと向かった。
楽しかった平日デートは、どうも離れ難く駐車場に着くと、誰もいないのをいい事に由伸は私を引き寄せ、背中を車の助手席側のドアへ。腕の中に私を収めると、唇が重なった。
久しぶりの由伸のキスにうっとりと目を閉じると、由伸の腰に腕を回した。唇はすぐには離れず、由伸の舌が私の唇をなぞり薄く口を開けると、すぐさま彼の舌が入りねっとりと舌を撫でるように舌が絡む。息が苦しくなる頃を見計らって、ちゅぅぅっと舌を吸われ離れた由伸は、私の額に自分の額をくっつけた。目を開けた私は、彼の唇が赤くなっているのに気がついた。
「ふふふ…ねぇ…口紅ついちゃった」
彼の唇に指を添えると、指で彼の唇をなぞる。私のする事を見守っていた由伸は、唇の真ん中に移動した私の指を甘噛みする。
「…痛い」
本当は痛くないけど、一応告げた。
「悪い」
全然悪びれていない由伸は、私の指を掴むと顔を近づけて、唇がまた重なる。少しだけと思いながらも、しばらく2人は口づけを堪能した。


*****************



彼の家に着くと、簡単に作ったご飯を食べてソファーで缶ビールを飲みながらテレビを観て寛ぐ由伸。
お風呂からあがった私は、タオルを身体に巻いたまま彼の前に立った。目の前に現れた私を見上げる由伸は、フッと笑って缶ビールをテーブルに置くと、座り直した。彼の腰の上に跨ぐと、彼の首に腕を回し顔を近づけ唇を重ねた。ちゅうちゅうと吸うと、由伸は私の太ももを撫でては摘み始めた。
お尻をしばらく揉んでいたら、腰に移動し大きな手が上にあがると、タオルが上がる。
由伸が唇を離し私の首筋に舌を這わすと、鎖骨に甘噛みをする。シンプルな白いTシャツとグレーのスウェットの由伸の厚い胸板に手を添え、Tシャツを脱がせる。すでに固くなっている彼の昂りの上を、腰を揺らし刺激を与える。
「っ…愛美」
身体に巻き付けたタオルを、剥ぎ取るとぷるぷると揺れる乳房に舌を這わし口に含む。片手で揉み現れた粒を爪で引っ掻き摘み弄ぶ。
「ンッ…ぁ…由伸っ」
夢中で私の乳房を貪る彼の頭を抱きしめ顔を埋める。
下から突き上げる彼の腰の動きに、私も応えるように腰を前後に揺らす。私を持ち上げた由伸は、スウェットをズラすとまたソファーに座った。現れた彼の昂りに指を添えると、下から上へと握り擦る。先端からツユが私の指先を濡らしていく。
「っ…く」
乳房から顔を上げた彼が、私の鎖骨に甘噛みをして、ちゅぅっと強く吸うとチクリとした痛みで余計に感じる。
太くて大きな昂りに、うっとりとして彼の頬にキスをしてペロリと舐めると、顔を上げた彼が私の口を塞ぐ。荒々しく貪り尽くすキスに、彼の昂りから手を離し彼の首に腕を回す。
彼は片手で私のお尻を上げると、昂りをあてがい彼の先端が私の蜜壺に入っていく。
まだ十分に解れていないはずなのに、濡れた蜜が彼を包み中へと誘う。
「あっ、ぁぁああ」
大きな昂りに快感で背をのけ反ると、腰を掴み離れる事を許してくれない。
「っ…くそっ…狭い」
眉を寄せ苦しそうな彼の首を引き寄せ、口を塞ぐ。
「ンッ…んふっ…ん」
顔の角度を何度も何度も変えて彼の口内に、舌を入れ絡める。強く吸い由伸に唾液を流すと、ゴクゴクと飲み干しお返しにと、私の舌に自分の舌を絡めてくる。
徐々に蜜壺に入っていった昂りは、ペタンと彼の腰の上に座ると、下からゆする。
彼の舌を噛みそうになり、彼の口から舌を抜くと、追いかけるように今度は舌を強く吸われる。
「んんっんーん!」
パンッパンッと肌がぶつかる音が響き、ぐちゅぐちゅと蜜が混ざる音がする。
「ぐっ、愛美っ」
唇を離した彼は、腰を強く掴みソファーのクッションを利用して、下から突き上げる。
「あっぁあんっ、由伸っ、由伸っっ」
彼の首に巻いた腕に力が入ると、身体を寄せた。乳房を彼の顔に押し付けると、ちゅぅちゅうと乳房を口に含み、突き上げが激しくなる。
「んぁぁぁぁぁぁっあっ」
ぐっく…唸る声と同時に、達した私は蜜壺に注がれた熱い証を美味しそうに飲み込む。
ぐったりと彼の肩に腕をつけ寄りかかると、持ち上げられた。繋がったままスウェットを少し上げた彼が、寝室へと連れて行く。

暖房が付いた部屋は暖かいのだが、仰向けに寝かされた冬のベッドは冷たく火照った身体がびくっと反応する。
「ンッ…冷たっ…」
「愛美」
額を合わせた由伸は、熱の篭った眼差しで愛美を見つめる。
彼の頬を両手で挟んだ愛美は、
「…寂しかった」
「俺も」
ちゅっちゅっと啄むキスに、仲直りをする。
「もう…ちゃんと食べる?」
「ゔっっ…努力する」
及び腰になる彼の腰に足を巻き付けると、彼の唇をはむはむと甘噛みした愛美。とりあえず先に、と彼女の中にいる昂りは動き出したのだった。



喧嘩の原因は、

彼の野菜嫌いを少しでも無くすため工夫して細かく切ってコロッケにして料理したのに、食べれないと突っぱねたからだった。

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