セフレはバツイチ上司

狭山雪菜

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エピローグ

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先程貰った小さな箱に入っていたのはシンプルなシルバーの指輪だった。
指を絡め少し歩いては、見つめ合う。
陰になっている場所でこっそりとキスをして、上映シアターでは真っ暗になる時に舌を絡めるキスをする。
お土産コーナーでは、お揃いのマグカップを購入して、一緒に使おうと、約束をした。

水族館から出ると、すでに14時で。

「もう…帰らないと新幹線が」
「…そうだな」
駅に向かう道をゆっくり歩くが、足取りが重い。

ーーせっかく両想いになったのに離れ離れって

優太郎の腕に抱きつくと立ち止まる、ギュッと優奈の手を握り向かい合わせに立った。
優奈の頬に手を添えると、
「…帰したくない…でも、もう休めないだろ…明日は、絶対に早く終わらせて優奈の家に行く、離さないからな」
「…はい」
熱の篭った眼差しで、親指の腹でゆっくり頬を撫でられドキドキして見つめ合う。

「愛してる」
「私も…愛してます」


今触れたら確実に帰れないし、帰せないと言わなくても分かってしまう。
キスをしたいのをぐっと堪える2人は、ただただ見つめ合っていた。






****************



月曜日の夜。

ギシッギシッとベッドが軋む音に、座る男の影と重なるように向き合って座る女の影。

「んぁっんっんっぁ」
ベッドのスプリングを利用して勢いよく下から突き上げる優太郎は、目の前の鎖骨に吸い付き舐めていた。
優奈は肩に腕を置いて、下からの突き上げを受け止めては、自分の腰を前後に揺らし彼の昂りを締め付ける。

好き、愛してる、愛してる、好きだ、とお互いタガが外れたように愛を囁き合い高まる快感に溺れていた。
仕事が終わり買い物にも行かずに、真っ直ぐ帰った優奈を待っていたのは、合鍵を持った優太郎だった。
腕を引かれ服のままベッドへと押し倒され始まった情事に、時間を忘れお互いを求めた。
2人の気持ちが少し落ち着くと、お風呂に入り中に注がれた証を掻き出しては、栓をされた。
お風呂の縁に座り丹念に昂りにつく証を舐めとるとご褒美とばかりに繋がった。
お腹空いたと、ソファーで食べさせ合いをしていたはずが、始まった行為に止める術はなく、繋がったまま持ち上げられ寝室に戻った。


会ったら美味しいご飯を作って、ムードのある音楽を掛けてと決めていたのに、彼の顔を見たら触れられずにはいられなくて…

「優奈…っく…つ」
激しくなった下からの突き上げに、きゅうきゅうに締め付けた蜜壷に耐えきれなく熱い証を叩きつけた優太郎。
「あっあ!ああぁああ」
ぐりっと抉るように蜜壷を責め続けた結果、熱いものを注いだために絶頂を迎えた優奈。

はぁはぁっと重なる息をお互いの口で塞ぎ、濃密な夜がまた始まった。




ーー半年後


優奈は寿退社をし、峰崎優奈となった。

薬指には初デートで貰った指輪と、2人の誕生石を2つ付けた特注の指輪をはめた新妻は、絶倫の夫の愛を一身に受け止め、2人は末永く暮らしたとさ。


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