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流血の狼4

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日が昇る前に集められた騎士団本部へ行くまでのマリアの警備兵5人が玄関先に集まった

既に騎士団本部でのマリアの状況を知らせるようにと知らせていたためある程度報告がまとまっていた

「ダリウス夫人は、団長室へ入室するまで特に問題なく過ごしました」
「ダリウス夫人はおよそ3分ひとりで団長室に居ました侵入者、事前に調べましたが潜伏者は居ませんでした」
「ダリウス夫人が帰る時には顔色も優れないようで、会話もありませんでした」
「団長室へいらっしゃった時間帯は、丁度剣術訓練も終わり、団員騎士舎へ戻っている時でした」
右から順に口頭での報告と共に書類に目を通す
「………最近団員内で、団長が遠征に行っていた5年間の間に娼婦を連れていたとの噂が流れているのでそれが関係しているのかもしれせん、団員騎士舎までの間に世間話する者も多いので」

「……その剣術訓練に参加していたのは1年から3年目のヤツだな、そいつらを集め俺の噂話をしていたのか調査だ…………それと、その噂の出所を探れ」
それだけ告げると
「「「「「はっ」」」」」
返事をして立ち去る


屋敷に入り、アークに今日は休む旨伝え寝室に近寄るのも禁止した
夜中に呼び出した使用人たちには休みを与え、アークにもハンナにも休むように告げ、マリアの眠る寝室へと向かった






****************


寝室に入ると白い枕を抱きしめマリアは眠っていた
胸元の枕の存在が気に食わなく勢いよく取り上げ身体をくっつけると、眉間のシワが出ていたマリアはペタペタと触り、安心したように、ほうっと吐息を漏らし穏やかな顔で眠る
背に腕を回し彼女の頭の下に入れ、しばしの休息をとった



カーテンから差し込む日差しの位置が高くなっていた




マリアが動く気配がした
モゾッと頭を胸から離し辺りを見回すマリアは、目の前に俺がいる事に気がつくと、頭を元の位置に戻し胸板に頬をつけたマリア
急激に愛おしさが溢れ、マリアを抱きしめる
「…起きたのか」
声を掛けるとビクッと身体が動いた
「…ホーク様…おはようございます」
顔を上げたマリアが、俺の頬に手を添える
彼女の手に俺の手を重ねると、指が絡む
「おはよう」
「…お仕事は…?っ…すいませんっ私寝過ごしてしまって」
「いや…今日は休むよ…大丈夫か?」
休むと伝えると眉を寄せ泣きそうな顔になる
「…私…昨日は…すいません、本当に…ホーク様の」
「気にするな…なあマリア」
指を絡めたまま口に持っていき触れるキスを落とす


「…ホーク様」
「昨日メイドに本を頼んだな」
ひゅっと息を吸うマリアに続ける
「騎士団で噂話を聞いたな…俺の」
マリアの瞳から涙が出る
「…どうだ?」


しばらく涙を流していたマリアの涙を舐めて拭う
絡めた指を解き彼女の頬に添え、マリアが落ちつくように涙
を拭う

「…ホーク様が…遠征の時にっ…娼婦の…方を…離さなかったと聞いて…っっ…私…私…」
「ああ…分かってる」
「違いますっ…私以外にホーク様が夜を共にした人がいるのはっ…分かってますっっ…でもっ…いざ…いざっ…知らされるとっ…どうしようもない…負の感情が…出てしまって……それでっ…プロの方っと…比べられたくなくて…凄い…焦ってしまってっ」
ついに本格的に泣いて気持ちを表すマリアの背を摩る

「だから、だからもっともっとホーク様が私を好きに…私がっ…私が小さな事を気にしないようにっ」

「マリア…マリア」
涙を舐めていたホークは、我慢出来なくなり片肘を付いて仰向けになった彼女の上から覆い被さり彼女の口を塞ぎ舌を絡めた
「…っホーク…様」
キスに応えるマリアは首に腕を回すと、髪に指を絡めた


唇を離し額をくっつける
「…マリア、5年間遠征に娼婦を連れていたのは、嘘だ、本当じゃない」
「….….でもっ、」
「騎士団員は、噂話が好きだからな…それに」
「それに…?」
「昨日のヤキモチ妬いたマリアも新鮮で可愛いが、怒っていない君も可愛い」
ちゅうっと触れるキスをして離れる
「…ホーク様」
「真実じゃない、噂に感情を揺らさないでくれ」
「はい」
「それに…マリア以上に夢中になれることはないよ」

マリアの言葉を待たずに噛み付くキスをした

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