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流血の狼2
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新婚期間のため1週間休んだが、出勤すると仕事が溜まって通常業務と重なりもっと早く帰れるハズが夕食にも間に合わない日々が過ぎる
不機嫌を隠そうともしない団長に文官は冷や汗をかき、不機嫌の理由を知っているエリックは苦笑する
午前中に一度屋敷から使いが届く
ーーマリアの屋敷での事を事細かく俺の元へ届くように手配していた
これが午後にも一度あり、帰ったら直接報告も受ける
マリアの知らない所でマリアの行動が逐一報告される
なんにもない日はなく
部屋から出なかった日は室内で何をしていたのか、何を食べ侍女と何を喋ったのか
出た時はどの人に会って、会話は何か、接触はあるのか
事細かく報告される書類に目を通す
ーー月のモノが来たのか
まだ2人の時間が取れて嬉しいやら、2人の子供が出来なくて残念なのか複雑な感情が出る
これを読んだら使いに大まかな帰宅時間を伝えてから軽い食事を摂り、午後の業務に入る
なんなら、マリアが困っていたら指示を出し使いに送り返すが、幸いにもまだそんな状態はない
エリックと緊急事項を確認し、また1人で事務処理をする
午後少ししてまた使いが来る
1日二度来る使いは、午後のマリアの様子を伝える
ーー今日も俺を褒めていたのか
擽ったい思いが溢れる
マリアはおやつタイムという時間を作り使用人と打ち解けようとしている
そしてそこで俺の話をして、階段を降りる時必ず支えてくれ優しいや
逞しくいつも頼もしいとか、仕事忙しくて寂しいけど誇りに思うとか
笑った顔が可愛いと書かれていた時は複雑な気持ちになった
ーーエリックがこれを見たら困惑の顔をするだろうな
報告書には、俺が報告を受けている事にショックを受けていると、書いてある
ーーショック…なのか
なぜバレたんだと焦るがそれよりも
果たしてどんな顔をして彼女に会えばいいのか
******************
仕事を切り上げ夕飯前の早い時間に帰宅した
屋敷に着くとマリアが俯き手を前にして組んでいた
「…おかえりなさいませ、旦那様」
視線は若干上がり首か顎を見ているのだろう
美しいエメラルドグリーンの彼女の瞳と視線が合わない
「…ただいま」
今までのように彼女を抱きしめるとピクっと固まり動かない
ーー俺を拒絶するのか
怒りとも悲しいともドロドロとした仄暗い感情が渦巻く
俺の感情を察知したのか、恐怖か…冷めた愛か…
どの道もう手放さない
彼女は自ずと背に手を回し抱きつく
「…おかえりなさいませ、旦那様」
もう一度言うと腕の中から顔を上げしっかりと視線が絡み、マリアは微笑む
頬に手を添えると、上から重なるマリアの小さな手
触れるキスを唇に落とすと頬を染め俺の指を絡める
「旦那様…夕飯の後に…いいですか?」
照れたように聞く彼女は死ぬほど美しく
「…ああ」
見惚れて返事が遅れてしまった
不機嫌を隠そうともしない団長に文官は冷や汗をかき、不機嫌の理由を知っているエリックは苦笑する
午前中に一度屋敷から使いが届く
ーーマリアの屋敷での事を事細かく俺の元へ届くように手配していた
これが午後にも一度あり、帰ったら直接報告も受ける
マリアの知らない所でマリアの行動が逐一報告される
なんにもない日はなく
部屋から出なかった日は室内で何をしていたのか、何を食べ侍女と何を喋ったのか
出た時はどの人に会って、会話は何か、接触はあるのか
事細かく報告される書類に目を通す
ーー月のモノが来たのか
まだ2人の時間が取れて嬉しいやら、2人の子供が出来なくて残念なのか複雑な感情が出る
これを読んだら使いに大まかな帰宅時間を伝えてから軽い食事を摂り、午後の業務に入る
なんなら、マリアが困っていたら指示を出し使いに送り返すが、幸いにもまだそんな状態はない
エリックと緊急事項を確認し、また1人で事務処理をする
午後少ししてまた使いが来る
1日二度来る使いは、午後のマリアの様子を伝える
ーー今日も俺を褒めていたのか
擽ったい思いが溢れる
マリアはおやつタイムという時間を作り使用人と打ち解けようとしている
そしてそこで俺の話をして、階段を降りる時必ず支えてくれ優しいや
逞しくいつも頼もしいとか、仕事忙しくて寂しいけど誇りに思うとか
笑った顔が可愛いと書かれていた時は複雑な気持ちになった
ーーエリックがこれを見たら困惑の顔をするだろうな
報告書には、俺が報告を受けている事にショックを受けていると、書いてある
ーーショック…なのか
なぜバレたんだと焦るがそれよりも
果たしてどんな顔をして彼女に会えばいいのか
******************
仕事を切り上げ夕飯前の早い時間に帰宅した
屋敷に着くとマリアが俯き手を前にして組んでいた
「…おかえりなさいませ、旦那様」
視線は若干上がり首か顎を見ているのだろう
美しいエメラルドグリーンの彼女の瞳と視線が合わない
「…ただいま」
今までのように彼女を抱きしめるとピクっと固まり動かない
ーー俺を拒絶するのか
怒りとも悲しいともドロドロとした仄暗い感情が渦巻く
俺の感情を察知したのか、恐怖か…冷めた愛か…
どの道もう手放さない
彼女は自ずと背に手を回し抱きつく
「…おかえりなさいませ、旦那様」
もう一度言うと腕の中から顔を上げしっかりと視線が絡み、マリアは微笑む
頬に手を添えると、上から重なるマリアの小さな手
触れるキスを唇に落とすと頬を染め俺の指を絡める
「旦那様…夕飯の後に…いいですか?」
照れたように聞く彼女は死ぬほど美しく
「…ああ」
見惚れて返事が遅れてしまった
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