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プレゼント1

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『避妊 ピル』

家族もみんな寝静まった夜、ひとり自分の部屋のベッドの上でスマホを取り出しネットサーフィンを始めた。
先日彼の家のお風呂場で、コンドームを付けないで最後までしたのは初めてだった私達。
ーーゴムをしていない時、いつも最後は身体にかけられていたから
ゴムのないままの最後までをーー中に注がれた事を覚えてしまった身体は、もう一度中に欲しいと願ってしまっていた。
ーーゴムありだと…味気なくなってる…ヤバい
あの、蜜壺の中に熱く注がれた証を思い出すだけで、頬が赤くなってしまう。避妊コンドームをしなくちゃ、子供が出来る。
ーーそれは知っているけれど…
そう思って夜な夜なネットサーフィンしていたら、ピルが良いと書いていて、これは市販では売っていないとあった。
ーー避妊効果…は100%じゃないのか…それもそうか
薬として処方され、避妊だけでなく生理痛の軽減や生理のコントロールにも使用されている…だって、でもネット情報だから、結局は病院に行かないと行けなくなる。
ーーでも、保険証はお母さんが持ってるし…
と考えていたら、そうだっ、と閃いた。



***************


もうすぐで夏休みが終わるある日。今日も朝から嫌になる暑さと澄み渡る青い空の下、遠出した先のコンビニの前でアイスを食べていた。先輩が行きたいと言っていた学校見学があったので、今週のデートは1回キャンセルとなった。実に、会うのは4日ぶりくらいだ。
「先輩っ今日は何の日か知ってますか?」
白いソフトクリームを舐めながら、会えなかった時に何をしていたかを報告し合った後、先輩に問いかけた。
「何の日…んー…付き合って1ヶ月半…記念か?」
先輩は水色のソーダ味の氷菓子を食べ終わっていて、ソーダ味の氷菓子が刺さっていた木の棒を口にいれていた。
「そうですっ!」
わーっ!と盛り上がる私は彼と、横にあるポールに腰掛けていたのを立ち上がり、白いロングワンピースと麻のサンダル、白いミニバッグを肩に掛けて、彼の前に立ちはだかる。
反対に先輩は、いつものようにシンプルな白いTシャツにいつも履いている通気性のよい焦茶のハーフパンツ姿で、黒いサンダルと黒のショルダーバッグと珍しく青と白の大粒の丸い珠のブレスレットをしている。
「?…どした?」
何が言いたいのか、さっぱり分からんと、言う眉を寄せた先輩の表情が可愛くて、くすくすと笑い一歩近づくと、足を開いてポールに腰掛けている先輩の足の間に立った。内緒話をするかのように、先輩の耳元に唇を寄せて口を開いた。
「先輩、ピル飲み始めたのでゴム無しでいちゃいちゃしませんか」
すると、私の言葉を理解してギョッとした先輩は、慌てふためき目元が赤くなっていく。
「へっ?…えっ…はっ…?…ぅっ」
その姿も可愛いとくすくす笑う私。先輩の手を取って、コンビニで出入りする人達にも分からないように指を絡めると、先輩が私を見つめる。
「…本当…か…?」
掠れた低い声が、私に欲情しているみたいでドキドキと胸が高まる。
「…はい…今日は」
全部、欲しいと小声で囁くと、立ち上がった先輩が私の手を掴み歩き出した。



***************


今日は健全なデートの予定だった。開場と同時に水族館へ行って薄暗い館内をくっついて歩いて、イルカショーでは水にも濡れた。お昼を食べた後に、近くの公園を歩きコンビニでアイスを食べて、そのあと…そのあと、は…

自宅の最寄りの駅とは違う遠い駅なので、人の目も気にせず"休憩"の看板が立ち並ぶ繁華街へとやってきた。どれも似たり寄ったりの看板、建物だったけど、先輩は目についた"Hotel アクア"へと入った。部屋を取る先輩のうしろに付いて、無言で無事に取れた部屋の中へと入った。

部屋に入ってすぐエッチをするかと思っていたけど、そんな事はなく。
「へ~凄いこうなってるんだ」
入ってすぐ部屋に鎮座する大きな白とベージュのベッド、ベッドボードには赤や青と言ったグラデーションの大きな水槽があって、魚が泳いていて海藻や石、丸い泡が下から上へと沢山出ていた。壁の隅にはソファーとテーブル、大きなテレビはベッドと向かい合わせで壁にくっついて設置されていた。小さな鍵付きの扉が沢山付いている小さなロッカーには大人のオモチャなどがあって、ロッカーの横にある機械にお金を入れると、鍵が出てくるみたいだ。
そして透明なガラス張りの丸い浴槽付きのシャワー室。壁にはマットレスが立てかけてあり、座るところに大きな凹みがある不思議なお風呂椅子が置いてある。
ひと通り部屋の中を見てまわりベッドルームへと戻ると、先輩がベッドの端に足を床に付けて大の字になって横になっていた。
ーー待ちくたびれて寝ちゃったのかな?
と先輩のそばに近寄ると、先輩は天井をぼーっと見ていた。先輩の足の上に跨いで乗り、先輩の上半身に自分の身体を凭れると、先輩が私の背に手を回した。
「疲れました?」
天井から私へと視線を向けた先輩は、
「いや、疲れてない」
と言ったので、彼の唇に自分の唇を軽く重ねて、啄む。数度可愛らしいキスをすると、
「その…ピル飲んだのか?」
との話になったので、うんうんと、首を縦に振った。
「元々生理痛が酷い方で、母も知っていたので…病院に行って薬を貰いました」
「あ~…確かに辛そうだったな」
先輩にはお腹を摩ってもらったり、ぐったりする私を抱きしめていてくれたので、生理痛が重いのは数週間前に知っているはずだ。
「だから…ね?」
先輩なら顔の横に手をついて、先輩の上で四つん這いになり見下ろすと、先輩の目が妖しく光った。
先輩の腰の上に座ったまま、ワンピースをたくし上げて脱ぎ始めると、先輩も起き上がりシャツを脱いでいく。あっという間に黒い下着姿となった私とは違い、先輩は私が上に座っているためまだハーフパンツを脱げない。
先輩の頬を両手で挟み顔を近づけて、先輩の唇を喰む。柔らかくてパサついた先輩の唇を、私の舌でなぞり濡らして柔らかくする。そのまま舌を先輩の口内へと入れると、先輩の舌が私の舌を歓迎してくれて絡まる。熱心に口づけをしていると、私の身体に手をつけて彼の手が私の全身を撫でて触れる。
「っ青葉っ…そろそろ…やばい」
ちゅうちゅうと彼の舌を吸っていたキスをやめさせられて、物足りない顔をしていた私に苦笑して、
「違う、キスじゃなくてズボンが、さ」
そう言って下から上へと腰を突き上げた先輩のハーフパンツに窮屈そうに収まった昂りが固くなっているのに気がつき、頬が赤くなった。
「っ…うん」
彼の足の上からベッドに膝をつけて先輩の隣に退くと、先輩が動いて、私が折り曲げた足の横のベッドに両手を付けて私を囲う。先輩の頬に左手を添えると、先輩の顔が私に近寄り口づけが始まる。
「あっん…っあ、っ…何っ…?」
彼の頬に添えた手の上に彼の手が重なり指を摘んで揉むので、彼がの指先が気になってしまう。額を合わせて指先を摘んだまま手を下ろされると、先輩がベッドから下りてソファーへと向かった。ソファーにある2人の荷物を置いてある彼は、ショルダーバッグを取り出し、中から正方形の形の薄ピンク色の紙袋を取ると、私のいるベッドへと戻ってきた。
私の横に座り、紙袋の中に手を入れた先輩は、正方形の白いリボンがついた青い小箱と、ピンクと白のチェック柄の紙の袋を取り出した。
「何これ…?」
どうしようか悩む彼の左の二の腕に頬をくっつけて、先輩の手元を見ていると、小箱のリボンを解き蓋を開けてしまう。その中にあるクッションに挟まった指輪を取り出し、私の目の前に差し出した。
「…これ、ひと月半記念に」
そう言った先輩の手にある指輪を凝視する。
「…えっ…私に…?」
「もちろん」
即答した先輩が、また私の前に指輪を出すから、先輩の二の腕から頬を離して左手を差し出すと、薬指に指輪を嵌めてくれた。
「スゴい…ピッタリ」
シルバーのシンプルな指輪は、私の左薬指にぴたりと収まった指輪。指を動かしてもズレない指輪が、キラキラと輝いていて嬉しさが込み上げてくる。
「嬉しいっ!…です!本当にありがとうございますっ!!」
顔を上げてお礼を言うと、先輩は目元を赤くして頬をぽりぽりと掻いている。
「指のサイズ…よく分かりましたね」
「それは…その、青葉が寝てる時に…」
一緒に居た時で、私が寝てるのは大体エッチの後だから、
「そっ…そうだったんですか」
と赤面してしまった。そうしたら、先輩がもう一つのピンクと白のチェック柄の紙の袋を取り出して開けると、今度はその袋も開けてしまい、中から白い粒と青い粒の丸い珠が交互に繋がっているのブレスレットが出てきた。
「…これ」
先輩がしているブレスレットと同じデザインだ。
「指輪…は、学校じゃダメだけど、ブレスレットは大丈夫だから…お揃いにした」
先輩はそう言うと、私の左手首にブレスレットを入れた。先輩も同じ左手首にブレスレットをつけていたので、先輩の二の腕にまた頬をつけて、先輩の腕と自分の腕を重ねた。
「お揃い…これ本当に貰ってもいいんですか?」
「ああ、そうだ」
先輩が私の左手に自分の左手を重ねると、指先が絡んだ。腕を曲げた先輩につられて私の腕も曲がると、私の手の甲に先輩の唇が触れた。
キスをされた手から先輩へと視線を移すと、先輩と目が合ってそのままお互いの顔が近寄り唇が重なった。
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