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メタな生活
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メタな生活とはなんだろうと月を指で弾きながら考えている。春薫る角砂糖がまるで雪のように積もっていた。通学という人生で最も退屈な時間。靴はドレミを奏でている。ドレミはドミレに変わり、ミレファに変わり、気がつくと音楽になっていた。これをいつものようにサイトへアップロード。緑や黄色といった感想に投げキッスを送り。空ではおじさんがクジラとラクダに散歩させられていた。
あまりに日常的な日常である。酔いつぶれたおばさんにサラリーマンたちが礼拝をおこなっている姿を見て、今日は水曜日なのだなとため息が溢れた。そういえばお弁当を家に忘れてきたな、そう思うと同時に母が地面から生えてくる。やはり今日は水曜日なのだと諦め、母に水をあげた。花が咲く。
メタな小説というものがある。所謂僕たちより「下等」な次元に住む生物たちが生意気にも僕たちの世界に食いついてくるあれだ。なんてくだらないのだろう。彼らはなぜ称えられるのだ?僕は、彼らが一瞬でも覗けたら称賛される「この世界」を常に知覚できている。『この作品の世界は○○だ』なんて発言は僕にだってできるはずだ。彼らは下等だという理由で称賛されているに違いない。
しかしメタな視点を獲得してこの世界を覗いたところでなんだというのだろう。ひどく退屈な世界。何も起こらない。僕より大きな山があるわけでも、水が上から降ってくるわけでもない。そんな世界は認識したって仕方がないではないか。よっぽどフィクションの世界に閉じこもっていた方がいいさ。僕は石を蹴って歩く。石は姿を変えて飛んで行ってしまった。退屈である。
いっそのこと何か適当なことを言ってみようか。文学とはハッタリの組み合わせでしかない。意味もなく「作者は」なんて口にしてしまえば、誰かがそれをメタと取るのだろう。僕は下等な人間からレベルを上げられたことになるはずだ。メタな生活なるものを送ってみようと口笛を。
作者はきっと二枚に折りたたまれた板をポチポチ押しながら僕を書いている。作者のいる世界には嘘や争いが一つもない。作者はきっと僕を人型で書いている。そうすればいいと思っている。今の僕を正しく説明することに文を割くことはないはずだ。
作者はきっと大学院生だろう。僕はきっと大学院生だろう。作者はきっと明日バイトに行くだろう。僕はきっと明日バイトに行くだろう。僕、作者。作者、僕。大きな水の塊があるだろう。それを海って呼ぶんだよ。あそこに僕がいる。それは作者って呼ぶんだ。
はっと気が付いた時、僕の目の前には二枚に折りたためそうな板があった。気持ちの悪い10本の棒がそれを叩いている。その板には僕がいた。ここはどこだろう。空から水が降っているようだ。
怖い。寂しい。のどが渇いた。
天井を見ると気持ちの悪い生命体が、猫のようなものを舐めながら僕を走らせていた。
あまりに日常的な日常である。酔いつぶれたおばさんにサラリーマンたちが礼拝をおこなっている姿を見て、今日は水曜日なのだなとため息が溢れた。そういえばお弁当を家に忘れてきたな、そう思うと同時に母が地面から生えてくる。やはり今日は水曜日なのだと諦め、母に水をあげた。花が咲く。
メタな小説というものがある。所謂僕たちより「下等」な次元に住む生物たちが生意気にも僕たちの世界に食いついてくるあれだ。なんてくだらないのだろう。彼らはなぜ称えられるのだ?僕は、彼らが一瞬でも覗けたら称賛される「この世界」を常に知覚できている。『この作品の世界は○○だ』なんて発言は僕にだってできるはずだ。彼らは下等だという理由で称賛されているに違いない。
しかしメタな視点を獲得してこの世界を覗いたところでなんだというのだろう。ひどく退屈な世界。何も起こらない。僕より大きな山があるわけでも、水が上から降ってくるわけでもない。そんな世界は認識したって仕方がないではないか。よっぽどフィクションの世界に閉じこもっていた方がいいさ。僕は石を蹴って歩く。石は姿を変えて飛んで行ってしまった。退屈である。
いっそのこと何か適当なことを言ってみようか。文学とはハッタリの組み合わせでしかない。意味もなく「作者は」なんて口にしてしまえば、誰かがそれをメタと取るのだろう。僕は下等な人間からレベルを上げられたことになるはずだ。メタな生活なるものを送ってみようと口笛を。
作者はきっと二枚に折りたたまれた板をポチポチ押しながら僕を書いている。作者のいる世界には嘘や争いが一つもない。作者はきっと僕を人型で書いている。そうすればいいと思っている。今の僕を正しく説明することに文を割くことはないはずだ。
作者はきっと大学院生だろう。僕はきっと大学院生だろう。作者はきっと明日バイトに行くだろう。僕はきっと明日バイトに行くだろう。僕、作者。作者、僕。大きな水の塊があるだろう。それを海って呼ぶんだよ。あそこに僕がいる。それは作者って呼ぶんだ。
はっと気が付いた時、僕の目の前には二枚に折りたためそうな板があった。気持ちの悪い10本の棒がそれを叩いている。その板には僕がいた。ここはどこだろう。空から水が降っているようだ。
怖い。寂しい。のどが渇いた。
天井を見ると気持ちの悪い生命体が、猫のようなものを舐めながら僕を走らせていた。
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