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1人おままごと
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小さな子供は純粋に見えた。僕は子供の頃純粋だったと信じていた。なぜなら僕が僕自身でしかなかったからだ。綺麗な世界だ。一色の海が広がる。滑らかな空で眠る。
大人になった。僕の周りには人がたくさんいる。怖い人、優しい人。偉い人、見下していい人。色んな種類の人がいた。濁った湖で必死に泳ぐ。曇天空に体を預ける。
今の僕は怪物のように首が回せる。くるくる回してちょうどいい人格でピタリと止める
。あっちでくるくるこんにちは。そっちでくるくる死んじまえ。
成長した。単純なものが複雑化した。それは多くの黒いプレゼントを僕に届けた。いらないものばっかり。でも捨てない。あるだけましに思えたから。子供はそれすら持っていない。僕の方がすごい。僕の方が優れている。子供はゴミ。子供は虫。
ある日公園に行くと、1人の子供がお人形と遊んでいた。彼女が奥さん、お人形がお父さんらしい。
「ぱぱ、よるごはんだよ。はいどうぞ」
子供は泥団子を渡す。
ありがとう、ありがとう。ぱくぱく。ああおいしい。
子供は1人でぺらぺら話す。思考が超高速で移動している。まるで一つのネットワーク。世界が全て彼女の思い通りに動いている。
あぁ、あぁ、あぁ。
僕は気づいてしまった。
僕は複雑化なんかしていないじゃないか。単純なものが何個も集まってるだけじゃないか。
ただ単に容量が増えて、ハードの数が一個になっただけだったんだ。
大人は1人で何役もこなす。1人おままごと。子供は純粋さのあまり一役しかこなせないと思っていた。違う。あらゆるものに人格を持たせることで何役もこなしている。
雲を含む青空。単純な青より青い。深く深く。より滑らかな。
なあ、神様よ。あんたがくれたこのプレゼント、ゴミ、ばっか、じゃんか。いっぱい、あっても、ゴミに、変わりねえ。せっかく集めたのに。たくさんたくさんたくさんたくさん。
こんなの捨てて僕も子供に戻ろう。
これは可燃。これは不燃。可燃、不燃。
僕は可燃。
大人になった。僕の周りには人がたくさんいる。怖い人、優しい人。偉い人、見下していい人。色んな種類の人がいた。濁った湖で必死に泳ぐ。曇天空に体を預ける。
今の僕は怪物のように首が回せる。くるくる回してちょうどいい人格でピタリと止める
。あっちでくるくるこんにちは。そっちでくるくる死んじまえ。
成長した。単純なものが複雑化した。それは多くの黒いプレゼントを僕に届けた。いらないものばっかり。でも捨てない。あるだけましに思えたから。子供はそれすら持っていない。僕の方がすごい。僕の方が優れている。子供はゴミ。子供は虫。
ある日公園に行くと、1人の子供がお人形と遊んでいた。彼女が奥さん、お人形がお父さんらしい。
「ぱぱ、よるごはんだよ。はいどうぞ」
子供は泥団子を渡す。
ありがとう、ありがとう。ぱくぱく。ああおいしい。
子供は1人でぺらぺら話す。思考が超高速で移動している。まるで一つのネットワーク。世界が全て彼女の思い通りに動いている。
あぁ、あぁ、あぁ。
僕は気づいてしまった。
僕は複雑化なんかしていないじゃないか。単純なものが何個も集まってるだけじゃないか。
ただ単に容量が増えて、ハードの数が一個になっただけだったんだ。
大人は1人で何役もこなす。1人おままごと。子供は純粋さのあまり一役しかこなせないと思っていた。違う。あらゆるものに人格を持たせることで何役もこなしている。
雲を含む青空。単純な青より青い。深く深く。より滑らかな。
なあ、神様よ。あんたがくれたこのプレゼント、ゴミ、ばっか、じゃんか。いっぱい、あっても、ゴミに、変わりねえ。せっかく集めたのに。たくさんたくさんたくさんたくさん。
こんなの捨てて僕も子供に戻ろう。
これは可燃。これは不燃。可燃、不燃。
僕は可燃。
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