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手にした銀色(2)
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「こんなモンじゃねえだろ!悔しいがアンタは俺なんか手も足も出ねえほど強い!だからアンタはこんな所で死んで良いわけねえんだよ!!」
カイルが動物だったらグルルと喉を鳴らし牙を剥きながらディオの事を威嚇してるだろう。その眼は確かに怒りを宿していた。だが何を怒ってるのかディオには理解できなかった。
「アンタらもだ!主人を裏切るなんて絶対に許せねえ!そんな卑怯で根性無しな奴らなんか俺が叩き斬ってやる!!」
ディオの胸倉から手を離し、怒りの矛先を変えたカイルは剣を抜き裏切者達へと向けて構える。どんなに口調が荒くとも銀色は剣を抜けば他の誰よりも静かになるのだ。静寂が場を占めた。
「ハッ、おいカイル。俺を殺すチャンスなんて今ぐらいなもんだぞ」
「手負いのアンタを殺しても意味がねぇ。だから今だけだ。今だけアンタを俺の主人にしてやる」
電流が走ったように体が震える。満月を思わせる銀色が真っ直ぐにディオを捉えた。どんなに戦で勝利して地位や名誉を手にしても、ずっと心だけは満たされずに生きてきた。
求め続けてたものは、そんなものじゃない。
あぁ、やっと……やっと、手に入れた。
例えそれがこの場限りだったとしても、もうそれでも構わなかった。
カイルが動物だったらグルルと喉を鳴らし牙を剥きながらディオの事を威嚇してるだろう。その眼は確かに怒りを宿していた。だが何を怒ってるのかディオには理解できなかった。
「アンタらもだ!主人を裏切るなんて絶対に許せねえ!そんな卑怯で根性無しな奴らなんか俺が叩き斬ってやる!!」
ディオの胸倉から手を離し、怒りの矛先を変えたカイルは剣を抜き裏切者達へと向けて構える。どんなに口調が荒くとも銀色は剣を抜けば他の誰よりも静かになるのだ。静寂が場を占めた。
「ハッ、おいカイル。俺を殺すチャンスなんて今ぐらいなもんだぞ」
「手負いのアンタを殺しても意味がねぇ。だから今だけだ。今だけアンタを俺の主人にしてやる」
電流が走ったように体が震える。満月を思わせる銀色が真っ直ぐにディオを捉えた。どんなに戦で勝利して地位や名誉を手にしても、ずっと心だけは満たされずに生きてきた。
求め続けてたものは、そんなものじゃない。
あぁ、やっと……やっと、手に入れた。
例えそれがこの場限りだったとしても、もうそれでも構わなかった。
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