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手にした銀色(1)
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「ざ、けんなっ!!」
途端、刀のぶつかる音が部屋中に鈍く響く。伝わった衝撃に震えた手は己に突き刺す筈だった短剣を落とし、此処には居ないはずの声を聞いた。
「…カイル」
床に膝をついたまま肩を上下させ息を整える銀色を見上げる。カイルがディオの短剣を落とした方法は皮肉にもあの日カイルの自害を阻止したディオのやり方と同じだった。
何故、お前がここにいる?
「あぁ。お前が俺を殺したいって?いいぜ、お前にならくれてやるよ」
抵抗はしないと伝えるように両手を広げた。名ばかりの部下にくれてやる命はないが、この銀色になら後は捨てるだけの命をくれてもやるのも悪くないと思った。そろそろ潮時だ、さっさとやれと目を閉じる。
「っ、違ぇだろ!アンタの事は嫌いだけどな!アンタの強さは認めてんだよ!」
怒号をあげながらディオに近づき、胸ぐらを掴んで引き寄せる。急な吐露に驚き目を見開いた。この銀色は何を言ってる?話している言葉が理解できなかった。
途端、刀のぶつかる音が部屋中に鈍く響く。伝わった衝撃に震えた手は己に突き刺す筈だった短剣を落とし、此処には居ないはずの声を聞いた。
「…カイル」
床に膝をついたまま肩を上下させ息を整える銀色を見上げる。カイルがディオの短剣を落とした方法は皮肉にもあの日カイルの自害を阻止したディオのやり方と同じだった。
何故、お前がここにいる?
「あぁ。お前が俺を殺したいって?いいぜ、お前にならくれてやるよ」
抵抗はしないと伝えるように両手を広げた。名ばかりの部下にくれてやる命はないが、この銀色になら後は捨てるだけの命をくれてもやるのも悪くないと思った。そろそろ潮時だ、さっさとやれと目を閉じる。
「っ、違ぇだろ!アンタの事は嫌いだけどな!アンタの強さは認めてんだよ!」
怒号をあげながらディオに近づき、胸ぐらを掴んで引き寄せる。急な吐露に驚き目を見開いた。この銀色は何を言ってる?話している言葉が理解できなかった。
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