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初めて宿る好奇心(1)

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短い髪は長い頃に比べて寝癖が嫌というほどつき、なかなか直せない。朝起きてまずする事は髪のセットだった。手で押さえただけじゃ髪の跳ねは直らない。サデュアに髪をセットしてもらってから日課の読書を始める。

いつものように読めない文字、意味がわからない言葉に線を引いて少しずつ読み進めていく。

そして腹が鳴りサデュアによって付けられた時計がいつも昼食を摂ってる時間になってる事を確認して部屋を出た。だが食事をする部屋には、まだ執事や侍女の姿しかなかった。

珍しい。ヴァルガが愁玲より来るのが遅いことなんて一度もなかった。椅子に座って目の前の前菜を眺める。野菜がふんだんに使われたサラダだ。既に食べる為の準備は整っていたがカトラリーを手にする気にはなれなかった。いつも待ってくれるヴァルガに習うように愁玲もヴァルガを待つ選択をした。

それでも一人、ただボンヤリと待ち続けるのは性に合わなかったらしく、準備を進める者たちとポツリポツリ言葉を交わす。


「え、ヴァルガは猫じゃないのか?」

それは会話中に出た疑問だった。愁玲が思っていた事と違っていた為の驚きの声だったが、部屋の中の温度が氷点下まで一気に下がった。

呼吸の仕方を忘れたように息を止めた周りの様子が目に入らないのか愁玲は首を傾げながらルイズを見つめる。

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