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アレンは煌びやかな室内にいた。庶民育ちのアレンにも価値があることだけはわかる調度品に囲まれ、アレンの月の給料よりも高いだろうソファーに座り、目の前のテーブルには意匠の凝ったカップの中に香りのいい紅茶が注がれている。
どうぞ、と勧められれば飲まないわけにもいかず。とりあえず一口、と思ったら想像以上に美味かった。
「今日は呼び出すような真似をして申し訳ありませんでした」
「……いいえ。ちょうど非番だったので。僕も貴方とは一度話がしてみたかったです」
テーブルを挟んでアレンと向かい合うのは憎らしい恋敵。クラレンスの婚約者候補であるメルヴィンだ。
彼は貴族だが継ぐものがなく、若くして起こした事業で成功し、得たものをクラレンスに捧げた。今のクラレンスがあるのは彼の尽力が大きいだろう。
紅茶に口を付けながら盗み見たメルヴィンの相貌は同性のアレンから見ても整っている。
同じような地位のご令嬢でも見初めればいいのに、彼が愛したのはクラレンスだった――けれど、それは仕方ない。アレンの信奉するクラレンスは美しく優しく気高く可愛らしい、誰をも魅了する王子様だ。好意を抱かない方がおかしい。
「不躾だが、きみはどうしてクラレンス殿下の婚約者に立候補したのかな」
にっこりと微笑みながらの問いかけだが、目は微塵も笑っていない。下手な返しをすれば婚約者候補から蹴り落とされてしまうだろう。
アレンに出来ることは誠実になるだけだった。クラレンス絡みなら尚更に。
「僕と殿下が出会ったのは、ガーランドを流行り病が襲った後のことでした」
今でも鮮明に思い出せる。両親を一度に失った辛く悲しい記憶と、塞ぎ込む子供を救った王子様の朗らかな笑顔に包まれた優しい思い出。アレンが騎士を目指したのはただ彼の傍にいたいだけだった。
アレンと同じく彼を信奉する目の前の男に、アレンはどう映るだろうか。身の程知らずと嗤われる覚悟をしていたアレンの昔話が終わる。メルヴィンは顔を伏せ、肩を震わせていた。
「……い」
震える声は上手く聞き取れない。黙ったままメルヴィンを見つめていると、その顔は勢い良く上げられる。
泣いていた。
「尊いっ……! ああっ、やはりクラレンス殿下は素晴らしい……うっ、うっうっ……」
感涙に咽びなく年上の男性、それも憎むべき恋敵に、アレンは何と声を掛けていいものかわからなかった。逡巡してハンカチを取り出し、差し出すとメルヴィンは礼を言って好意を受け取る。
貴族様には肌触りの悪いだろう木綿の布切れで涙を拭き、洗って返すよ、と微笑まれる。恋敵でなければ友人になれたかもしれない。
「……私はクラレンス殿下を譲るつもりはないが、きみを否定もしない。審美眼の確かな好青年だとすら思っているよ」
まず、クラレンスを敬愛する時点でメルヴィンの好感度は上がる。それ程彼の目は盲いている。けれどクラレンスに情愛を見せれば好感は憎しみに変わる。
「ローザ姫の選ばれた婚約者候補は、年若いだけの……そう、クラレンス殿下の名前か体目当てだと思っていた」
「そんなこと!!」
メルヴィンの言葉に、普段なら理知的なアレンが瞬時に憤る。クラレンスへの想いを貶されることだけは許せなかった。
「ああ。ありえなかったね。クラレンス殿下を語るきみの目は……」
言葉を切る。間を持ち、紅茶を啜って冷静を取り戻したメルヴィンはアレンを見た。
「私と同じだ」
冷徹に。感情を捨て切れず、憎悪を吐いた。
「私もクラレンス殿下を見つめ続けてきたよ。きみより長く、深く、傍らで……」
両親は健在で、生活に困ったことのないメルヴィンではわからないクラレンスをアレンが知っているように、アレンにはわからないクラレンスをメルヴィンは知っている。少年期のクラレンスと間近で過ごした思い出、青年となり慈善活動に邁進するクラレンスを支えた日々を語られると、アレンの胸にはクラレンスの人柄を称賛する気持ちと目の前のうるさい男への苛立ちが募る。
けれどそれは先程までメルヴィンが抱いていたものと同じなのだ。そう気付くと、自分達は立場は違えど同じなのだと思い至る。
「……ああ」
「ん。すまない。一人で語りすぎたね」
「いえ、違います。わかったんです……僕も貴方を審美眼の確かな、尊敬すべき男性だと思いました」
結局の所、大切なことはたった一つ。クラレンスに誠実であることだ。簡単に思えて難しい。
女神のような姫君から与えられた幸運を手離すつもりはないけれど、たとえ奪い取られたとしてもこの男なら仕方がないと諦めが――。
「つくわけない」
「何をいっているのかわからない筈だが、なんとなくわかるよ。そうだとも。諦められるわけがない」
手を伸ばすことが許されなかった存在に、目の前の恋敵さえいなければ――クラレンスに選ばれさえすれば、触れることが許される。選ばれなければクラレンスは天上の人に戻ってしまう。
「……可能性がなければ、いつか諦めもついたかもしれないというのに」
メルヴィンは諦めていた。クラレンスへ劣情を抱く自分が間違っているのだと。想いを伝えるつもりはなく、ただ彼の助けになれたらそれでいいと自分に言い聞かせて生きてきた。
「その目に映り込めたというのに。選ばれなければまたあの暮らしに戻る? 殿下の傍にいるのに、殿下の意識に残りもしない。あの日々に?」
メルヴィンの独白は獣の咆哮を思わせた。叫び喚いているわけではなく、むしろ淡々と語っているというのに、嵐のように荒れ狂う感情が伝わってくる。アレンも同じだからだ。
騎士になれてもクラレンスの傍にいられるわけではない。時折詰所を訪れるクラレンスを見つけて、彼から挨拶の言葉と微笑みを向けられる。それだけを励みに騎士を続けていた。
「諦められるものか」
声にしたのはメルヴィンだけだが、アレンも胸中で言葉にした。諦められる筈がない。
「痴れ者と謗られても。嗤われても。蔑まれても。私はクラレンス殿下のお傍に侍り、あの目に見つめられていたい」
「……はい」
静かに頷くアレンを見つめる眼差しに、最早憎悪はなかった。言葉にせずとも互いに通じるものが、絆が生まれてしまった。
「取り乱して……話が長くなって申し訳ない。ここからが今日の本題なんだが」
穏やかな男の顔を取り戻したメルヴィンに、アレンは耳を傾ける。冷めても尚味わい深い紅茶を啜り、返した答えに後悔はなかった。
どうぞ、と勧められれば飲まないわけにもいかず。とりあえず一口、と思ったら想像以上に美味かった。
「今日は呼び出すような真似をして申し訳ありませんでした」
「……いいえ。ちょうど非番だったので。僕も貴方とは一度話がしてみたかったです」
テーブルを挟んでアレンと向かい合うのは憎らしい恋敵。クラレンスの婚約者候補であるメルヴィンだ。
彼は貴族だが継ぐものがなく、若くして起こした事業で成功し、得たものをクラレンスに捧げた。今のクラレンスがあるのは彼の尽力が大きいだろう。
紅茶に口を付けながら盗み見たメルヴィンの相貌は同性のアレンから見ても整っている。
同じような地位のご令嬢でも見初めればいいのに、彼が愛したのはクラレンスだった――けれど、それは仕方ない。アレンの信奉するクラレンスは美しく優しく気高く可愛らしい、誰をも魅了する王子様だ。好意を抱かない方がおかしい。
「不躾だが、きみはどうしてクラレンス殿下の婚約者に立候補したのかな」
にっこりと微笑みながらの問いかけだが、目は微塵も笑っていない。下手な返しをすれば婚約者候補から蹴り落とされてしまうだろう。
アレンに出来ることは誠実になるだけだった。クラレンス絡みなら尚更に。
「僕と殿下が出会ったのは、ガーランドを流行り病が襲った後のことでした」
今でも鮮明に思い出せる。両親を一度に失った辛く悲しい記憶と、塞ぎ込む子供を救った王子様の朗らかな笑顔に包まれた優しい思い出。アレンが騎士を目指したのはただ彼の傍にいたいだけだった。
アレンと同じく彼を信奉する目の前の男に、アレンはどう映るだろうか。身の程知らずと嗤われる覚悟をしていたアレンの昔話が終わる。メルヴィンは顔を伏せ、肩を震わせていた。
「……い」
震える声は上手く聞き取れない。黙ったままメルヴィンを見つめていると、その顔は勢い良く上げられる。
泣いていた。
「尊いっ……! ああっ、やはりクラレンス殿下は素晴らしい……うっ、うっうっ……」
感涙に咽びなく年上の男性、それも憎むべき恋敵に、アレンは何と声を掛けていいものかわからなかった。逡巡してハンカチを取り出し、差し出すとメルヴィンは礼を言って好意を受け取る。
貴族様には肌触りの悪いだろう木綿の布切れで涙を拭き、洗って返すよ、と微笑まれる。恋敵でなければ友人になれたかもしれない。
「……私はクラレンス殿下を譲るつもりはないが、きみを否定もしない。審美眼の確かな好青年だとすら思っているよ」
まず、クラレンスを敬愛する時点でメルヴィンの好感度は上がる。それ程彼の目は盲いている。けれどクラレンスに情愛を見せれば好感は憎しみに変わる。
「ローザ姫の選ばれた婚約者候補は、年若いだけの……そう、クラレンス殿下の名前か体目当てだと思っていた」
「そんなこと!!」
メルヴィンの言葉に、普段なら理知的なアレンが瞬時に憤る。クラレンスへの想いを貶されることだけは許せなかった。
「ああ。ありえなかったね。クラレンス殿下を語るきみの目は……」
言葉を切る。間を持ち、紅茶を啜って冷静を取り戻したメルヴィンはアレンを見た。
「私と同じだ」
冷徹に。感情を捨て切れず、憎悪を吐いた。
「私もクラレンス殿下を見つめ続けてきたよ。きみより長く、深く、傍らで……」
両親は健在で、生活に困ったことのないメルヴィンではわからないクラレンスをアレンが知っているように、アレンにはわからないクラレンスをメルヴィンは知っている。少年期のクラレンスと間近で過ごした思い出、青年となり慈善活動に邁進するクラレンスを支えた日々を語られると、アレンの胸にはクラレンスの人柄を称賛する気持ちと目の前のうるさい男への苛立ちが募る。
けれどそれは先程までメルヴィンが抱いていたものと同じなのだ。そう気付くと、自分達は立場は違えど同じなのだと思い至る。
「……ああ」
「ん。すまない。一人で語りすぎたね」
「いえ、違います。わかったんです……僕も貴方を審美眼の確かな、尊敬すべき男性だと思いました」
結局の所、大切なことはたった一つ。クラレンスに誠実であることだ。簡単に思えて難しい。
女神のような姫君から与えられた幸運を手離すつもりはないけれど、たとえ奪い取られたとしてもこの男なら仕方がないと諦めが――。
「つくわけない」
「何をいっているのかわからない筈だが、なんとなくわかるよ。そうだとも。諦められるわけがない」
手を伸ばすことが許されなかった存在に、目の前の恋敵さえいなければ――クラレンスに選ばれさえすれば、触れることが許される。選ばれなければクラレンスは天上の人に戻ってしまう。
「……可能性がなければ、いつか諦めもついたかもしれないというのに」
メルヴィンは諦めていた。クラレンスへ劣情を抱く自分が間違っているのだと。想いを伝えるつもりはなく、ただ彼の助けになれたらそれでいいと自分に言い聞かせて生きてきた。
「その目に映り込めたというのに。選ばれなければまたあの暮らしに戻る? 殿下の傍にいるのに、殿下の意識に残りもしない。あの日々に?」
メルヴィンの独白は獣の咆哮を思わせた。叫び喚いているわけではなく、むしろ淡々と語っているというのに、嵐のように荒れ狂う感情が伝わってくる。アレンも同じだからだ。
騎士になれてもクラレンスの傍にいられるわけではない。時折詰所を訪れるクラレンスを見つけて、彼から挨拶の言葉と微笑みを向けられる。それだけを励みに騎士を続けていた。
「諦められるものか」
声にしたのはメルヴィンだけだが、アレンも胸中で言葉にした。諦められる筈がない。
「痴れ者と謗られても。嗤われても。蔑まれても。私はクラレンス殿下のお傍に侍り、あの目に見つめられていたい」
「……はい」
静かに頷くアレンを見つめる眼差しに、最早憎悪はなかった。言葉にせずとも互いに通じるものが、絆が生まれてしまった。
「取り乱して……話が長くなって申し訳ない。ここからが今日の本題なんだが」
穏やかな男の顔を取り戻したメルヴィンに、アレンは耳を傾ける。冷めても尚味わい深い紅茶を啜り、返した答えに後悔はなかった。
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