8 / 12
08 願い
しおりを挟む
ゼノが夢を見ている頃。ラウラは一人、祭壇の前に佇んでいた。
穏やかな笑みを浮かべる女神像。信徒により建てられた厳かな神殿。神話を礎に守られ続けた信仰。全てが虚構だ。
国一つ滅ぼす絶大な力を持った悪魔から生まれたラウラは、この地を目指す者を感じ取った。正確にはゼノを捕らえようとしている者を。
地を駆ける馬蹄も、神殿を進む靴音も聞こえるわけではないが、わかっていた。もうじきこの広間にやって来る存在があると。
「……亡霊め」
呟く声は地を這うように低い。ゼノが愛らしいと感じた女のものではなかった。
しばらく待っていると、ラウラの耳に音が聞こえてきた。階段を降り、回廊を駆けるいくつもの足音が。
騎士の制服に身を包んだ男達によって広間の扉が開かれる。騎士を引き連れた金髪の少女、その顔を見たラウラは笑った。
「貴女っ!」
誰もいない筈の広間で彼女達の到着を待っていたラウラに騎士は驚愕し、ベルは憤怒した。兄を連れ去った女を見つけたのだ。
「ゼノはどこ!? ゼノを返して!!」
「ゼノはお前のものではない」
ベル達を睨むラウラの眼が赤く、鋭い光を放つ。その目を見た、見られた瞬間、護衛達はばたばたとその場に倒れ伏した。
「……なにっ……」
ベルも言い様のない眠気に襲われ、崩れそうになる体を鞭打ち、片手をついて耐える。
「……あら。根性見せるわね。でも諦めなさい。ゼノは歩き出しているの。妹の手を離して、彼の人生を見つけようとしているのよ」
「ふざ、けるなぁっ……! ゼノはっ……うっ……」
呻き声と共にベルの意識は閉ざされてしまう。それを見て踵を返そうとしたラウラは、静かに駆け寄る存在に気付かなかった。
「ぐっ……うっ……」
「あら」
騎士に支給される長剣がラウラの胸を刺し貫く。人間なら心臓を奪われていたことだろう。
ラウラを刺したのはユーグだった。ベル以上の精神力で立ち上がり、幼馴染みを拐かしたラウラを殺そうとしたのだ。
「女の胸に剣を刺すなんて酷い人」
「っ、お前は……何なんだ……」
胸を剣で刺されているというのに焦りも苦しみもせず、淡々として……微笑みすら浮かべた様子は人間ではない。
ラウラは答えず影となった。貫く肉がなくなった剣は床に落ち音を立てる。影が逃げる先に扉を見つけたユーグは、力を振り絞って駆けた。そこにいるのだと、それだけ思って。
「んっ」
過去の断片から目覚めたゼノはハウレスにキスされていた。今しがた見ていた記憶ではかつてのゼノを罵り、人を見下していた悪魔が、ゼノを掻き抱いて口を吸う状況に混乱する。
「ふ、う、あのっ……やめて」
「悲しいこと言うなよ。何年待ったと思ってるんだ」
「えっ? 待つ? 何を……?」
「思い出してないのか……うん……?」
口付けから逃げたゼノを、赤い瞳がじっと見つめる。ラウラと同じ色をした切れ長の眼差しは、そうだ、いつもこうしてゼノを見ていた。
「抗っているのはお前か。小賢しい……」
「え?」
「ああ、お前ではなくて……」
ハウレスの言葉を遮るように、扉の下を潜って影が――ラウラが部屋に入り込んで来た。ラウラはハウレスの影に同化してしまい、ゼノの視線が何があったのかとそちらへ向くと、ハウレスはわかりやすく顔を顰めた。
「今は俺を見ていろ」
「いや。いや。ラウラ変だったろ。ラウラ? 何かあったの?」
「肉体が軽度の損傷を負ったから俺の中に逃げて回復してるだけだ」
「軽度? 損傷? 怪我したのか?」
「ああ。ほら、来たぞ」
扉がゆっくりと開かれる。そこには苦し気なユーグがいて、ゼノは「何で?」と呆けてしまった。どうしてプレガーレから遠く離れたレニーニにユーグがいるのか。
「お前っ……ゼノから離れろ!」
「離れるわけないだろう」
ふらついた様子で、それでも騎士として剣を構えるユーグをハウレスは鼻で笑う。わざとらしくゼノに頬擦りをすると、ユーグの怒りが増した。
「ゼノ、帰ろう。ベルが心配してる。聖女になって巡礼しながら、お前を探して、毎日泣いてるんだ」
怒りながらも冷静になり、ハウレスの腕の中のゼノへ揺さぶりをかける。妹思いのゼノの心は動くだろうと。実際、以前のゼノなら迷わずベルに駆け寄っていただろう。
「ユーグ……ごめん。俺、知らなきゃいけないことが出来たんだ」
「ゼノ?」
「封印の間に忍び込むのは……許された行為じゃないけど、それでも、何をしてでも……ベルを捨ててでも、俺は知りたいんだ」
「ゼノ」
ユーグの顔は驚愕に染まる。幼馴染みが何を言っているのかわからなかったが、別離の意思だけは理解出来てしまった。
「身勝手な頼みだけど、ベルを支えてやってほしい。ごめん、ユーグ」
「もういいだろう」
「え?」
ゼノの間抜けな声を残して、ハウレスとゼノはユーグの前から瞬く間に姿を消す。目を見張るユーグは、そこで精神力が尽きたように倒れ込み、意識を失ってしまった。
気付いたらゼノは神殿の外にいた。薄暗い路地裏に人気はなく、突然現れた怪しい二人組の男に注目する人はいない。
「外に……あ、転移魔術?」
「ああ」
ユーグの前からゼノを逃がした、隣に立つ男を見上げる。夜闇のように艶めいた長い黒髪と、血のように赤い瞳を持った端正な男の姿をした悪魔は、いつかの夢と同じようにゼノへ笑みを浮かべ、顔を寄せた。
「何ですぐキスしてくるんだよっ」
「久しぶりだからいいだろ」
「久しぶりって何だよわかんないよ!」
「……ああ。わかるようにしてやるよ」
ゼノから体を離したハウレスは路地裏の外へ歩き始める。呆けてその背を見送ってしまうゼノへ「何をしてる」と同行を促す。
「宿へ行くぞ。お前の知りたいこと全て、俺が思い出させてやる」
ハウレスの言葉に、ゼノは慌てて駆け寄った。
昨夜泊まったのとは違う宿に、ゼノは一人で部屋を取った。ハウレスは姿を消しているが、常にゼノの隣にいる。部屋に入ると姿を現し、一つしかないベッドへ腰掛けるとゼノを手招きする。
大人しく従い、傍らへ立ったゼノの体にハウレスの腕が伸びる。ハウレスはベッドへ寝転がり、囲うように抱き込んだゼノへ囁く。
「昔のお前は恐れている。忌まわしい過去を思い出すことを。本当は既に蓋は開けられているのに、開いていないと偽ってお前が思い出す邪魔をしている」
「……え」
ハウレスの大きな手がゼノの瞼を塞ぐように添えられる。白い肌は体温を感じさせないが、触れてみると人と変わらずに温かい。
「夢に見るがいい。俺とお前の愛すべき記憶を……約束を思い出せ、ゼノ。俺はずっと待っていたんだ」
「は……う、れ……」
ゆっくりと、ゼノは微睡みに包まれていく。意識が霞んでいく中、ゼノは温もりに包まれている。
懐かしさに安堵しながらゼノは眠りに落ちていく。茜色に染まる記憶は、かつてのゼノのものだ。
ゼノとハウレスはよく城壁の上で話をしていた。恋人達ならするであろう、他愛のない会話を楽しむ。魔術兵長と国を救った悪魔が睦まじく過ごす時間を、邪魔する者はいなかった。
「今日は遠出をしないか」
いつからか塞ぎ込むようになったゼノの提案にハウレスが否と答える筈はなく、二人揃ってプレガーレから少し離れた森へ向かった。ゼノと何度か訪れたことがあり、ハウレスなら一瞬で転移出来る。
森の爽やかな空気が少しでもゼノの心を癒せばいい。悪魔らしくない気遣いの甲斐なく、高かった陽が沈み、大空が赤らむまで森を散策しても、ゼノの表情は晴れなかった。
森の奥には湖があり、二人は畔に倒れた大木へ腰掛けた。ぴったりくっつくように座り、ゼノの背にハウレスの腕が回る。
「ハウレス」
「ああ」
夕焼けを映す湖面は炎のように赤い。
「私と一緒に死んでくれないか」
一陣の風が吹き、湖面に漣が立っていく。答えを待つ男の体を抱く腕に、ハウレスは力を強めて声を返した。
穏やかな笑みを浮かべる女神像。信徒により建てられた厳かな神殿。神話を礎に守られ続けた信仰。全てが虚構だ。
国一つ滅ぼす絶大な力を持った悪魔から生まれたラウラは、この地を目指す者を感じ取った。正確にはゼノを捕らえようとしている者を。
地を駆ける馬蹄も、神殿を進む靴音も聞こえるわけではないが、わかっていた。もうじきこの広間にやって来る存在があると。
「……亡霊め」
呟く声は地を這うように低い。ゼノが愛らしいと感じた女のものではなかった。
しばらく待っていると、ラウラの耳に音が聞こえてきた。階段を降り、回廊を駆けるいくつもの足音が。
騎士の制服に身を包んだ男達によって広間の扉が開かれる。騎士を引き連れた金髪の少女、その顔を見たラウラは笑った。
「貴女っ!」
誰もいない筈の広間で彼女達の到着を待っていたラウラに騎士は驚愕し、ベルは憤怒した。兄を連れ去った女を見つけたのだ。
「ゼノはどこ!? ゼノを返して!!」
「ゼノはお前のものではない」
ベル達を睨むラウラの眼が赤く、鋭い光を放つ。その目を見た、見られた瞬間、護衛達はばたばたとその場に倒れ伏した。
「……なにっ……」
ベルも言い様のない眠気に襲われ、崩れそうになる体を鞭打ち、片手をついて耐える。
「……あら。根性見せるわね。でも諦めなさい。ゼノは歩き出しているの。妹の手を離して、彼の人生を見つけようとしているのよ」
「ふざ、けるなぁっ……! ゼノはっ……うっ……」
呻き声と共にベルの意識は閉ざされてしまう。それを見て踵を返そうとしたラウラは、静かに駆け寄る存在に気付かなかった。
「ぐっ……うっ……」
「あら」
騎士に支給される長剣がラウラの胸を刺し貫く。人間なら心臓を奪われていたことだろう。
ラウラを刺したのはユーグだった。ベル以上の精神力で立ち上がり、幼馴染みを拐かしたラウラを殺そうとしたのだ。
「女の胸に剣を刺すなんて酷い人」
「っ、お前は……何なんだ……」
胸を剣で刺されているというのに焦りも苦しみもせず、淡々として……微笑みすら浮かべた様子は人間ではない。
ラウラは答えず影となった。貫く肉がなくなった剣は床に落ち音を立てる。影が逃げる先に扉を見つけたユーグは、力を振り絞って駆けた。そこにいるのだと、それだけ思って。
「んっ」
過去の断片から目覚めたゼノはハウレスにキスされていた。今しがた見ていた記憶ではかつてのゼノを罵り、人を見下していた悪魔が、ゼノを掻き抱いて口を吸う状況に混乱する。
「ふ、う、あのっ……やめて」
「悲しいこと言うなよ。何年待ったと思ってるんだ」
「えっ? 待つ? 何を……?」
「思い出してないのか……うん……?」
口付けから逃げたゼノを、赤い瞳がじっと見つめる。ラウラと同じ色をした切れ長の眼差しは、そうだ、いつもこうしてゼノを見ていた。
「抗っているのはお前か。小賢しい……」
「え?」
「ああ、お前ではなくて……」
ハウレスの言葉を遮るように、扉の下を潜って影が――ラウラが部屋に入り込んで来た。ラウラはハウレスの影に同化してしまい、ゼノの視線が何があったのかとそちらへ向くと、ハウレスはわかりやすく顔を顰めた。
「今は俺を見ていろ」
「いや。いや。ラウラ変だったろ。ラウラ? 何かあったの?」
「肉体が軽度の損傷を負ったから俺の中に逃げて回復してるだけだ」
「軽度? 損傷? 怪我したのか?」
「ああ。ほら、来たぞ」
扉がゆっくりと開かれる。そこには苦し気なユーグがいて、ゼノは「何で?」と呆けてしまった。どうしてプレガーレから遠く離れたレニーニにユーグがいるのか。
「お前っ……ゼノから離れろ!」
「離れるわけないだろう」
ふらついた様子で、それでも騎士として剣を構えるユーグをハウレスは鼻で笑う。わざとらしくゼノに頬擦りをすると、ユーグの怒りが増した。
「ゼノ、帰ろう。ベルが心配してる。聖女になって巡礼しながら、お前を探して、毎日泣いてるんだ」
怒りながらも冷静になり、ハウレスの腕の中のゼノへ揺さぶりをかける。妹思いのゼノの心は動くだろうと。実際、以前のゼノなら迷わずベルに駆け寄っていただろう。
「ユーグ……ごめん。俺、知らなきゃいけないことが出来たんだ」
「ゼノ?」
「封印の間に忍び込むのは……許された行為じゃないけど、それでも、何をしてでも……ベルを捨ててでも、俺は知りたいんだ」
「ゼノ」
ユーグの顔は驚愕に染まる。幼馴染みが何を言っているのかわからなかったが、別離の意思だけは理解出来てしまった。
「身勝手な頼みだけど、ベルを支えてやってほしい。ごめん、ユーグ」
「もういいだろう」
「え?」
ゼノの間抜けな声を残して、ハウレスとゼノはユーグの前から瞬く間に姿を消す。目を見張るユーグは、そこで精神力が尽きたように倒れ込み、意識を失ってしまった。
気付いたらゼノは神殿の外にいた。薄暗い路地裏に人気はなく、突然現れた怪しい二人組の男に注目する人はいない。
「外に……あ、転移魔術?」
「ああ」
ユーグの前からゼノを逃がした、隣に立つ男を見上げる。夜闇のように艶めいた長い黒髪と、血のように赤い瞳を持った端正な男の姿をした悪魔は、いつかの夢と同じようにゼノへ笑みを浮かべ、顔を寄せた。
「何ですぐキスしてくるんだよっ」
「久しぶりだからいいだろ」
「久しぶりって何だよわかんないよ!」
「……ああ。わかるようにしてやるよ」
ゼノから体を離したハウレスは路地裏の外へ歩き始める。呆けてその背を見送ってしまうゼノへ「何をしてる」と同行を促す。
「宿へ行くぞ。お前の知りたいこと全て、俺が思い出させてやる」
ハウレスの言葉に、ゼノは慌てて駆け寄った。
昨夜泊まったのとは違う宿に、ゼノは一人で部屋を取った。ハウレスは姿を消しているが、常にゼノの隣にいる。部屋に入ると姿を現し、一つしかないベッドへ腰掛けるとゼノを手招きする。
大人しく従い、傍らへ立ったゼノの体にハウレスの腕が伸びる。ハウレスはベッドへ寝転がり、囲うように抱き込んだゼノへ囁く。
「昔のお前は恐れている。忌まわしい過去を思い出すことを。本当は既に蓋は開けられているのに、開いていないと偽ってお前が思い出す邪魔をしている」
「……え」
ハウレスの大きな手がゼノの瞼を塞ぐように添えられる。白い肌は体温を感じさせないが、触れてみると人と変わらずに温かい。
「夢に見るがいい。俺とお前の愛すべき記憶を……約束を思い出せ、ゼノ。俺はずっと待っていたんだ」
「は……う、れ……」
ゆっくりと、ゼノは微睡みに包まれていく。意識が霞んでいく中、ゼノは温もりに包まれている。
懐かしさに安堵しながらゼノは眠りに落ちていく。茜色に染まる記憶は、かつてのゼノのものだ。
ゼノとハウレスはよく城壁の上で話をしていた。恋人達ならするであろう、他愛のない会話を楽しむ。魔術兵長と国を救った悪魔が睦まじく過ごす時間を、邪魔する者はいなかった。
「今日は遠出をしないか」
いつからか塞ぎ込むようになったゼノの提案にハウレスが否と答える筈はなく、二人揃ってプレガーレから少し離れた森へ向かった。ゼノと何度か訪れたことがあり、ハウレスなら一瞬で転移出来る。
森の爽やかな空気が少しでもゼノの心を癒せばいい。悪魔らしくない気遣いの甲斐なく、高かった陽が沈み、大空が赤らむまで森を散策しても、ゼノの表情は晴れなかった。
森の奥には湖があり、二人は畔に倒れた大木へ腰掛けた。ぴったりくっつくように座り、ゼノの背にハウレスの腕が回る。
「ハウレス」
「ああ」
夕焼けを映す湖面は炎のように赤い。
「私と一緒に死んでくれないか」
一陣の風が吹き、湖面に漣が立っていく。答えを待つ男の体を抱く腕に、ハウレスは力を強めて声を返した。
15
お気に入りに追加
289
あなたにおすすめの小説
「最初から期待してないからいいんです」家族から見放された少女、後に家族から助けを求められるも戦勝国の王弟殿下へ嫁入りしているので拒否る。
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢に仕立て上げられた少女が幸せなるお話。
主人公は聖女に嵌められた。結果、家族からも見捨てられた。独りぼっちになった彼女は、敵国の王弟に拾われて妻となった。
小説家になろう様でも投稿しています。
侯爵令息セドリックの憂鬱な日
めちゅう
BL
第二王子の婚約者候補侯爵令息セドリック・グランツはある日王子の婚約者が決定した事を聞いてしまう。しかし先に王子からお呼びがかかったのはもう一人の候補だった。候補落ちを確信し泣き腫らした次の日は憂鬱な気分で幕を開ける———
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初投稿で拙い文章ですが楽しんでいただけますと幸いです。
後妻を迎えた家の侯爵令嬢【完結済】
弓立歩
恋愛
私はイリス=レイバン、侯爵令嬢で現在22歳よ。お父様と亡くなったお母様との間にはお兄様と私、二人の子供がいる。そんな生活の中、一か月前にお父様の再婚話を聞かされた。
もう私もいい年だし、婚約者も決まっている身。それぐらいならと思って、お兄様と二人で了承したのだけれど……。
やってきたのは、ケイト=エルマン子爵令嬢。御年16歳! 昔からプレイボーイと言われたお父様でも、流石にこれは…。
『家出した伯爵令嬢』で序盤と終盤に登場する令嬢を描いた外伝的作品です。本編には出ない人物で一部設定を使い回した話ですが、独立したお話です。
完結済み!
死にかけ令嬢は二度と戻らない
水空 葵
恋愛
使用人未満の扱いに、日々の暴力。
食事すら満足に口に出来ない毎日を送っていた伯爵令嬢のエリシアは、ついに腕も動かせないほどに衰弱していた。
味方になっていた侍女は全員クビになり、すぐに助けてくれる人はいない状況。
それでもエリシアは諦めなくて、ついに助けを知らせる声が響いた。
けれど、虐めの発覚を恐れた義母によって川に捨てられ、意識を失ってしまうエリシア。
次に目を覚ました時、そこはふかふかのベッドの上で……。
一度は死にかけた令嬢が、家族との縁を切って幸せになるお話。
※他サイト様でも連載しています
【完結】寝盗られて離縁しましたが、王子様の婚約者(仮)として溺愛されています!
五月ふう
恋愛
天涯孤独のルネアは、一年前、同僚のリーブスと結婚した。ルネアは国で唯一の女騎士。"女のくせに野蛮だ"と言われ続けたルネアを愛してくれたリーブス。
だが、結婚一周年記念の日。それが全て幻なのだと気付かされた。部屋のドアを開けるとリーブスが美しい女性と裸で抱き合っていて・・・。
「これは浮気では無い。これは"正しい"恋愛だ。むしろ、君に求婚したときの僕がどうかしていたんだ。」
リーブスは悪びれもなく、ルネアに言い放った。ルネアはリーブスを愛していた。悲しみと諦めの感情がルネアを襲う。
「もう君をこれ以上愛するふりはできない!さっさとこの家を出ていってくれ!!」
最小限の荷物を持ち、ルネアは家を出た。だが孤児のルネアには帰る場所どころか頼る宛もない。
職場である騎士団事務所で寝泊りできないかと、城に戻ったルネア。泣きつかれて眠ってしまったルネアは偶然、第二王子ルカと出会う。
黙ってその場を立ち去ろうとするルネアに、ルカは驚きの提案をした。
「婚約者のふりをして、俺を守ってくれないか?」
そうして、女騎士ルネアは第二王子ルカの婚約者(仮)として、日々を過ごすことになったのだ。
迷子の僕の異世界生活
クローナ
BL
高校を卒業と同時に長年暮らした養護施設を出て働き始めて半年。18歳の桜木冬夜は休日に買い物に出たはずなのに突然異世界へ迷い込んでしまった。
通りかかった子供に助けられついていった先は人手不足の宿屋で、衣食住を求め臨時で働く事になった。
その宿屋で出逢ったのは冒険者のクラウス。
冒険者を辞めて騎士に復帰すると言うクラウスに誘われ仕事を求め一緒に王都へ向かい今度は馴染み深い孤児院で働く事に。
神様からの啓示もなく、なぜ自分が迷い込んだのか理由もわからないまま周りの人に助けられながら異世界で幸せになるお話です。
2022,04,02 第二部を始めることに加え読みやすくなればと第一部に章を追加しました。
私の婚約者には、それはそれは大切な幼馴染がいる
下菊みこと
恋愛
絶対に浮気と言えるかは微妙だけど、他者から見てもこれはないわと断言できる婚約者の態度にいい加減決断をしたお話。もちろんざまぁ有り。
ロザリアの婚約者には大切な大切な幼馴染がいる。その幼馴染ばかりを優先する婚約者に、ロザリアはある決心をして証拠を固めていた。
小説家になろう様でも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる