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ぱちりと開いた視界には見慣れてしまった部屋を背景に、男の顔だけが見えた。リーフと契約を結んだ主。魔王の子。リーフを自由に縛るレックスは常なら笑顔を浮かべて朝を告げるというのに、今日は怪訝そうにリーフを見つめていた。
「おはよう。レックス」
「おはよう……リーフ、何かしていたか?」
「何を? 疲れて寝て、覚えてないけど夢を見てたくらいだよ」
母はリーフの気配を探るのに邪魔されていると言っていた。悪魔として高い実力を持つ母の力を遮ることが出来る存在は限られているだろう。
結界のようなものを張られているのかもしれない。リーフの答えにレックスは腑に落ちない顔をするが、自分の力を破ってリーフと接触出来る者がいるとも思えないのだろう、納得の姿勢を見せてリーフの額に口付けた。
「まあいい。今日は何をするんだ?」
「ベアちゃんが暇だったら何か作ろうかなって」
「お前に誘われたらあいつはいつだって暇だろ」
言葉を続け合いながら、レックスの手がリーフの身支度を整えていく。今日もいつもと変わらない一日が始まる――ように見せなければならない。
リーフは帰らなければならない。母の為、父の為に。
城の厨房は日夜忙しい。夜が明ける前に主達の朝食を、朝の終わりには昼食を、夕方には夕食の支度が始まる。竈の数は多いけれど食事の準備が始まれば全て埋まり、休みなく稼働する。
けれど常に一瞬たりとも空くことがない、という訳でもなく。
「昼過ぎくらいなら使っていいそうよ」
厨房に竈の使用許可を貰ってくれたベアトリクスは自室に持ち込んだまな板の上で黄色い球をこねるリーフへそう伝え、それは何かと尋ねる。
「小麦とかバターとか砂糖を混ぜた生地だよ。竈で焼いてクッキーにするんだ」
型抜きはないのでリーフの手でちぎられ、平べったく丸い形に整えられていく。父と一緒によく作ったな、と思い出を懐かしみながら手を動かす。
「どうしてお菓子作り?」
「何となく作りたくて……あとは…………ベアちゃん」
生地へ向けていた視線を上げ、ベアトリクスを見つめる。美しい顔を僅かに染めて「なあに?」と聞いてくる彼女を、リーフは躊躇いなく巻き込んだ。
「お願いがあるんだ」
「……あら。私にお願い? それも何だかただごとじゃなさそう……」
「聞いてくれたら僕の手作りクッキーあげるよ」
「何でもするわ」
あっさりと承諾を得たリーフの頼みを教えられ、ベアトリクスは面白そうな顔をした。目の前の矮小な半魔が何を企てているのか、その全貌はまだわかっていなかった。
「あげるね」
その日の夜。仕事を終えたレックスが部屋へ帰ると、リーフが何か差し出してきた。皿に乗せられた数枚のクッキーは美味しそうに茶色く焼け上がっている。礼を言って一枚囓るとほんのりとした甘味が食べやすかった。
「美味いな。今日のおやつだったのか?」
「うん。クッキーなんて久しぶりに作ったけど上手く出来たよね」
「……お? え? 作った?」
うん、と頷いてリーフも一枚食べる。幼いリーフの為に父が作ってくれたクッキーを、いつの頃からかリーフも一緒になって作るようになった。二人で作ったクッキーを母に差し出すとバリボリ勢いよく食べられて、美味しい美味しいと抱いて褒められたものだ。
「先に言えよそういうことは!」
叫びと共に皿の上のクッキーは一枚残らず食べられてしまった。よほど気に入ってくれたのかと目を丸くするリーフにレックスはクッキーを食べながら返す。
「お前が作った物なら全部食べたいに決まってるだろう」
そう言われて嬉しくないと言えば嘘になる。レックスの執着は疎ましくもあるけれど、喜ばしくもあった。嫌いではない、むしろ情は抱いている。
それでもリーフには譲りたくないものがあるのだ。
(毒薬……は効かないだろうな。少なくとも僕が手に入れられる素材で作るような物じゃ無理だろう。そもそもレックスを害する行為は契約書に咎められる)
言葉にせず、頭の中で呟く。初めて会った日に察した生命力の高い肉体に、生半可な毒物が効くとは思えない。何より主に逆らってはならないという前提があった。
母の言葉を思い出しながら、リーフは懸命に考えた。レックスの嫌がること。利用できるもの。犠牲にするもの。一つ一つを選び出し、組み立てて答えを作り出す。
「この手紙を届けてほしいんだ」
クッキーを作った翌日、リーフを訪ねてきたベアトリクスへリーフは手紙を渡した。宛先に住所はなく、代わりに『母さんへ』と綴られている。
「……お義母様に?」
「うん。きっと……わかってくれる筈だから」
転移魔術を扱えるベアトリクスならリーフの母が暮らす森へ向かうのは文字通り瞬く間のことだ。手紙を手に姿を消し、部屋にはリーフだけが残された。
リーフの解答は手紙に書いた。母の採点とレックスの選択は一致するだろうか。してもらわないと困ってしまう。
ぼんやりと物思いに耽っていたリーフのもとへベアトリクスが帰って来たのは空が赤らみ始める頃だった。彼女のか細い指が差し出す小さな小瓶が及第点だったことを教える。
「貴方、何をするつもりなの?」
ベアトリクスの問いにリーフは答えない。最後まで巻き込まれてくれなければ話すことは出来なかった。
「ベアちゃんに頼みがあるんだ。ベアちゃんにしか頼めない、頼れないことが」
じっ、と黄金の瞳を見つめる。真剣な眼差しを見返すベアトリクスの表情は冷めている。
「まあまあ。私を使い走りにしようだなんて」
「手伝ってくれるなら頭撫でてあげる」
「何でもするわ」
危険かもしれないと一言置いてから、リーフは答えを教えた。ベアトリクスの表情は訝しげなものから段々と、愉快なそれに変わっていく。
「貴方って……本当に……」
レックスは仕事を終えると真っ直ぐ自室へ向かっていた。昨日はリーフの手作りクッキーが食べられる嬉しい驚きがあったが、今日も何かあったりしないかとちょっとだけ期待していた。リーフがいるだけで嬉しいけれど、そんなリーフからもたらされるものがあったらどんなことでも嬉しい――なんて頭に花畑が出来たような考えは即座に否定されることとなる。
「ただいま、リーフ」
声を掛けながら部屋へ入り、先ずはリーフを探す。ベッドの上に横たわる姿を見つけ、昼寝でもしていたのかと思いながら近付き、異変の欠片を見つけていく。
リーフはレックスに背を向けて崩れるように横たわり、伸ばされた手元には小さな瓶が転がる。眠る直前まで握っていたのだろうか。
「リー……」
可愛い寝顔を覗き込めば、その目は閉じずに開かれていた。狸寝入りですらない。ただ横たわっているだけのリーフに異様を感じる。
「リーフ」
声を掛けてもリーフは反応しない。人形のようにじっと動かず、それは手足だけのことではなかった。レックスが見つめている間、瞼は一度も閉じていない。
「リーフ?」
思わず手首を掴んで脈を測る。ゆっくりながらも確かに、とくとくと命の鼓動は続いている。
「どういうことだ」
それは呟きではなかった。音も立てずレックスの背後へ立つ侵入者に向けて、目的を問いただしていた。
「リーフさんは薬を飲んだの。仮死の薬。意識はあるけど体全体の感覚を失い、手足の動かし方もわからなくなる薬よ」
振り返らずともわかる。幼馴染みの声は淡々と続いた。
「今のリーフさんは何も出来ない。目を閉じることすら出来ないんだもの」
「何が目的だ」
「『契約が破棄されないなら死ぬ』そうよ」
悪魔の作った魂の契約書。契約者達の魔力を要に結ぶ契約は絶対だ。自由になるには契約の遂行か、契約主が破棄するか、死ぬしかない。
「人間は水を飲まなければ三日ともたないんですって。半魔のリーフさんはもう少しもつのかしら。それとも人間とそう変わらないのかしらね?」
くすくすと楽しそうに話すベアトリクスの首を、いつの間にか距離を詰めたレックスの手が掴んでいた。
「ぐっ……」
「解毒薬を出せ」
「……ないわ。そんなものっ……ぐ、っううっ……
」
脅しを込めて一瞬、ベアトリクスの首が締め上げられる。すぐに力は弱まるがレックスの目は二度はないと語っていた。
「……この、げほっ、薬は……私でも、リーフさんが作ったものでもない。私もリーフさんも作り方を知らない。解毒薬なんてもっての他よ」
「……」
首を掴む手に力を込められるが、喉を締める程ではなかった。
「リーフさんを助けられる存在を、知ってるのは私だけ。仮に突き止めたって私以外には手を貸さない。リーフさんが……望まぬ結果で死ぬのなら、仕方ないと思ってるもの。私も、リーフさんもね」
「……」
怒りのままに再び喉を絞められても、ベアトリクスは言葉を続けた。
「リーフさんと一緒に! 死ねるなら本望よっ。この世で結ばれなくたって、次の世で逢ってみせるわ!」
叫び、恍惚に笑う女の顔は邪悪に狂っている。レックスの目にはそう見えた。あともう一息で殺せる、という所でレックスはベアトリクスを解放した。
「……リーフ」
物言わず横たわる小さな体を抱き上げる。焦点の合わない瞳は何を見つめているのだろうか。
「…………破棄した所で何も変わらないだろう」
リーフを抱えながら懐から紙を取り出す。おぞましい魔力を帯びた羊皮紙は、リーフとレックスを縛り結び付ける契約書だ。
いつかのリーフがそうしたように、レックスは手中の紙を一瞬で燃やした。炭も残らず消え去ったと同時にリーフとベアトリクスも姿を消す。
何処に行ったかなんてレックスにはすぐにわかった。
「おはよう。レックス」
「おはよう……リーフ、何かしていたか?」
「何を? 疲れて寝て、覚えてないけど夢を見てたくらいだよ」
母はリーフの気配を探るのに邪魔されていると言っていた。悪魔として高い実力を持つ母の力を遮ることが出来る存在は限られているだろう。
結界のようなものを張られているのかもしれない。リーフの答えにレックスは腑に落ちない顔をするが、自分の力を破ってリーフと接触出来る者がいるとも思えないのだろう、納得の姿勢を見せてリーフの額に口付けた。
「まあいい。今日は何をするんだ?」
「ベアちゃんが暇だったら何か作ろうかなって」
「お前に誘われたらあいつはいつだって暇だろ」
言葉を続け合いながら、レックスの手がリーフの身支度を整えていく。今日もいつもと変わらない一日が始まる――ように見せなければならない。
リーフは帰らなければならない。母の為、父の為に。
城の厨房は日夜忙しい。夜が明ける前に主達の朝食を、朝の終わりには昼食を、夕方には夕食の支度が始まる。竈の数は多いけれど食事の準備が始まれば全て埋まり、休みなく稼働する。
けれど常に一瞬たりとも空くことがない、という訳でもなく。
「昼過ぎくらいなら使っていいそうよ」
厨房に竈の使用許可を貰ってくれたベアトリクスは自室に持ち込んだまな板の上で黄色い球をこねるリーフへそう伝え、それは何かと尋ねる。
「小麦とかバターとか砂糖を混ぜた生地だよ。竈で焼いてクッキーにするんだ」
型抜きはないのでリーフの手でちぎられ、平べったく丸い形に整えられていく。父と一緒によく作ったな、と思い出を懐かしみながら手を動かす。
「どうしてお菓子作り?」
「何となく作りたくて……あとは…………ベアちゃん」
生地へ向けていた視線を上げ、ベアトリクスを見つめる。美しい顔を僅かに染めて「なあに?」と聞いてくる彼女を、リーフは躊躇いなく巻き込んだ。
「お願いがあるんだ」
「……あら。私にお願い? それも何だかただごとじゃなさそう……」
「聞いてくれたら僕の手作りクッキーあげるよ」
「何でもするわ」
あっさりと承諾を得たリーフの頼みを教えられ、ベアトリクスは面白そうな顔をした。目の前の矮小な半魔が何を企てているのか、その全貌はまだわかっていなかった。
「あげるね」
その日の夜。仕事を終えたレックスが部屋へ帰ると、リーフが何か差し出してきた。皿に乗せられた数枚のクッキーは美味しそうに茶色く焼け上がっている。礼を言って一枚囓るとほんのりとした甘味が食べやすかった。
「美味いな。今日のおやつだったのか?」
「うん。クッキーなんて久しぶりに作ったけど上手く出来たよね」
「……お? え? 作った?」
うん、と頷いてリーフも一枚食べる。幼いリーフの為に父が作ってくれたクッキーを、いつの頃からかリーフも一緒になって作るようになった。二人で作ったクッキーを母に差し出すとバリボリ勢いよく食べられて、美味しい美味しいと抱いて褒められたものだ。
「先に言えよそういうことは!」
叫びと共に皿の上のクッキーは一枚残らず食べられてしまった。よほど気に入ってくれたのかと目を丸くするリーフにレックスはクッキーを食べながら返す。
「お前が作った物なら全部食べたいに決まってるだろう」
そう言われて嬉しくないと言えば嘘になる。レックスの執着は疎ましくもあるけれど、喜ばしくもあった。嫌いではない、むしろ情は抱いている。
それでもリーフには譲りたくないものがあるのだ。
(毒薬……は効かないだろうな。少なくとも僕が手に入れられる素材で作るような物じゃ無理だろう。そもそもレックスを害する行為は契約書に咎められる)
言葉にせず、頭の中で呟く。初めて会った日に察した生命力の高い肉体に、生半可な毒物が効くとは思えない。何より主に逆らってはならないという前提があった。
母の言葉を思い出しながら、リーフは懸命に考えた。レックスの嫌がること。利用できるもの。犠牲にするもの。一つ一つを選び出し、組み立てて答えを作り出す。
「この手紙を届けてほしいんだ」
クッキーを作った翌日、リーフを訪ねてきたベアトリクスへリーフは手紙を渡した。宛先に住所はなく、代わりに『母さんへ』と綴られている。
「……お義母様に?」
「うん。きっと……わかってくれる筈だから」
転移魔術を扱えるベアトリクスならリーフの母が暮らす森へ向かうのは文字通り瞬く間のことだ。手紙を手に姿を消し、部屋にはリーフだけが残された。
リーフの解答は手紙に書いた。母の採点とレックスの選択は一致するだろうか。してもらわないと困ってしまう。
ぼんやりと物思いに耽っていたリーフのもとへベアトリクスが帰って来たのは空が赤らみ始める頃だった。彼女のか細い指が差し出す小さな小瓶が及第点だったことを教える。
「貴方、何をするつもりなの?」
ベアトリクスの問いにリーフは答えない。最後まで巻き込まれてくれなければ話すことは出来なかった。
「ベアちゃんに頼みがあるんだ。ベアちゃんにしか頼めない、頼れないことが」
じっ、と黄金の瞳を見つめる。真剣な眼差しを見返すベアトリクスの表情は冷めている。
「まあまあ。私を使い走りにしようだなんて」
「手伝ってくれるなら頭撫でてあげる」
「何でもするわ」
危険かもしれないと一言置いてから、リーフは答えを教えた。ベアトリクスの表情は訝しげなものから段々と、愉快なそれに変わっていく。
「貴方って……本当に……」
レックスは仕事を終えると真っ直ぐ自室へ向かっていた。昨日はリーフの手作りクッキーが食べられる嬉しい驚きがあったが、今日も何かあったりしないかとちょっとだけ期待していた。リーフがいるだけで嬉しいけれど、そんなリーフからもたらされるものがあったらどんなことでも嬉しい――なんて頭に花畑が出来たような考えは即座に否定されることとなる。
「ただいま、リーフ」
声を掛けながら部屋へ入り、先ずはリーフを探す。ベッドの上に横たわる姿を見つけ、昼寝でもしていたのかと思いながら近付き、異変の欠片を見つけていく。
リーフはレックスに背を向けて崩れるように横たわり、伸ばされた手元には小さな瓶が転がる。眠る直前まで握っていたのだろうか。
「リー……」
可愛い寝顔を覗き込めば、その目は閉じずに開かれていた。狸寝入りですらない。ただ横たわっているだけのリーフに異様を感じる。
「リーフ」
声を掛けてもリーフは反応しない。人形のようにじっと動かず、それは手足だけのことではなかった。レックスが見つめている間、瞼は一度も閉じていない。
「リーフ?」
思わず手首を掴んで脈を測る。ゆっくりながらも確かに、とくとくと命の鼓動は続いている。
「どういうことだ」
それは呟きではなかった。音も立てずレックスの背後へ立つ侵入者に向けて、目的を問いただしていた。
「リーフさんは薬を飲んだの。仮死の薬。意識はあるけど体全体の感覚を失い、手足の動かし方もわからなくなる薬よ」
振り返らずともわかる。幼馴染みの声は淡々と続いた。
「今のリーフさんは何も出来ない。目を閉じることすら出来ないんだもの」
「何が目的だ」
「『契約が破棄されないなら死ぬ』そうよ」
悪魔の作った魂の契約書。契約者達の魔力を要に結ぶ契約は絶対だ。自由になるには契約の遂行か、契約主が破棄するか、死ぬしかない。
「人間は水を飲まなければ三日ともたないんですって。半魔のリーフさんはもう少しもつのかしら。それとも人間とそう変わらないのかしらね?」
くすくすと楽しそうに話すベアトリクスの首を、いつの間にか距離を詰めたレックスの手が掴んでいた。
「ぐっ……」
「解毒薬を出せ」
「……ないわ。そんなものっ……ぐ、っううっ……
」
脅しを込めて一瞬、ベアトリクスの首が締め上げられる。すぐに力は弱まるがレックスの目は二度はないと語っていた。
「……この、げほっ、薬は……私でも、リーフさんが作ったものでもない。私もリーフさんも作り方を知らない。解毒薬なんてもっての他よ」
「……」
首を掴む手に力を込められるが、喉を締める程ではなかった。
「リーフさんを助けられる存在を、知ってるのは私だけ。仮に突き止めたって私以外には手を貸さない。リーフさんが……望まぬ結果で死ぬのなら、仕方ないと思ってるもの。私も、リーフさんもね」
「……」
怒りのままに再び喉を絞められても、ベアトリクスは言葉を続けた。
「リーフさんと一緒に! 死ねるなら本望よっ。この世で結ばれなくたって、次の世で逢ってみせるわ!」
叫び、恍惚に笑う女の顔は邪悪に狂っている。レックスの目にはそう見えた。あともう一息で殺せる、という所でレックスはベアトリクスを解放した。
「……リーフ」
物言わず横たわる小さな体を抱き上げる。焦点の合わない瞳は何を見つめているのだろうか。
「…………破棄した所で何も変わらないだろう」
リーフを抱えながら懐から紙を取り出す。おぞましい魔力を帯びた羊皮紙は、リーフとレックスを縛り結び付ける契約書だ。
いつかのリーフがそうしたように、レックスは手中の紙を一瞬で燃やした。炭も残らず消え去ったと同時にリーフとベアトリクスも姿を消す。
何処に行ったかなんてレックスにはすぐにわかった。
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