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豊肥本線
引き続き豊肥本線〜神聖な世界〜
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阿蘇駅を出発し宮地駅を通り列車はカルデラの東淵にあたる外輪山を越えようと蛇行しながら山を登って行く。
蛇行した後にはカルデラを抜けるためのトンネルが連続しその一つである全長2,283mの坂の上トンネルを抜けるとカルデラの外側に出るが阿蘇谷で見られていた田園風景と違い高原を思わせるような広々した草原による長閑な風景に迎えられていた記憶がある。
まるでトンネルにより地上とは少し違う神聖な世界にワープしたような錯覚に陥った。トンネルの前後で車窓の雰囲気が変わった事に当時強烈なインパクトを覚えたのか、豊後竹田駅の改札口を出て直ぐに振り返った真夏の日が差した深い緑の木々をバックにしたホームまでは不思議と全く覚えていない。
列車がほぼ時刻表通りに動くことにより車窓が流れていたはずなのに、あの時の旅を振り返ると坂の上トンネルを抜けた後から豊後竹田駅までは時間が止まっていたような心地良さを感じる。
この辺りは推理作家の西村京太郎さんの小説の舞台にもなった。その小説の内容で当時豊肥本線を走っていた急行「火の山」3号に乗って一人旅していた男性の旅雑誌記者が坂の上トンネルを抜けてさらに豊肥本線と九州の最高地点の駅である波野(標高754m)を過ぎた後に香水からなのか甘い香りのする一人の美人の女性から
「お隣よろしいですか?」
と声をかけられるシーンがある。
私も正直申し上げると坂の上トンネルを抜けた後のあの時間が止まったように感じてしまう程心地良い車窓の見ている座席の隣に、甘い香りがする美人に座られるとその小説に出てきた旅雑誌記者と同様にウキウキしてしまうだろう。
我々男性にとっての一つの甘い誘惑の話はさて置き、とにかく近々豊肥本線に乗って立野駅付近のスイッチバックと同様に、阿蘇駅から豊後竹田駅特に阿蘇外輪山の東側の辺りの神聖な世界と錯覚してしまった車窓ももう一度辿ってみたい。
豊後竹田から豊肥本線の終点大分までも終点に近づいた時に大分の街も大きいと思えた以外は残念ながら殆ど記憶に残っていないが「荒城の月」とゆかりのある難攻不落であった岡城の最寄り駅でもある「豊後竹田」の他に「三重町」の駅のスタンプもしっかり押されており、初めての九州への旅で熊本から大分まで途中での、阿蘇山と世界最大級のカルデラが一望できる大観峰と馬が放牧されていた草千里や噴煙を上げる中岳の火口のある阿蘇山を経由して、豊肥本線全線を辿った足跡はしっかり残していた。
蛇行した後にはカルデラを抜けるためのトンネルが連続しその一つである全長2,283mの坂の上トンネルを抜けるとカルデラの外側に出るが阿蘇谷で見られていた田園風景と違い高原を思わせるような広々した草原による長閑な風景に迎えられていた記憶がある。
まるでトンネルにより地上とは少し違う神聖な世界にワープしたような錯覚に陥った。トンネルの前後で車窓の雰囲気が変わった事に当時強烈なインパクトを覚えたのか、豊後竹田駅の改札口を出て直ぐに振り返った真夏の日が差した深い緑の木々をバックにしたホームまでは不思議と全く覚えていない。
列車がほぼ時刻表通りに動くことにより車窓が流れていたはずなのに、あの時の旅を振り返ると坂の上トンネルを抜けた後から豊後竹田駅までは時間が止まっていたような心地良さを感じる。
この辺りは推理作家の西村京太郎さんの小説の舞台にもなった。その小説の内容で当時豊肥本線を走っていた急行「火の山」3号に乗って一人旅していた男性の旅雑誌記者が坂の上トンネルを抜けてさらに豊肥本線と九州の最高地点の駅である波野(標高754m)を過ぎた後に香水からなのか甘い香りのする一人の美人の女性から
「お隣よろしいですか?」
と声をかけられるシーンがある。
私も正直申し上げると坂の上トンネルを抜けた後のあの時間が止まったように感じてしまう程心地良い車窓の見ている座席の隣に、甘い香りがする美人に座られるとその小説に出てきた旅雑誌記者と同様にウキウキしてしまうだろう。
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