旅鉄からの手紙

naturalh1

文字の大きさ
上 下
19 / 87
予讃線〜松山-宇和島〜

青春とは〜反省を活かして〜

しおりを挟む
あれから一年後私が通っていた高校で毎年恒例の文化祭にて私のクラスで演劇をやる事になった。私の通っていた高校で最高学年である三年生各クラスで演劇をやるのは代々の伝統であった。私は演劇では役者をやりたかった。折角あの高校に入ったのにあの学校の伝統である文化祭の演劇にて役者をやらないと勿体無いと思えた。自己肯定感が低くて自分に自信が持てずに、クラスで気が合う友達が誰一人いなかった私にとって役者をやりたいと手を挙げることは勇気の要ることであった。主役やそれに準ずる重要な役を中心に役者の枠がどんどん埋まって行く。このままだと四国一周の旅の時と同様に周りに流されるだけで自分のやりたい事ができない後悔をまた残してしまう。私一人思い切って自分の意思で手を挙げた。私の演じた役は脇役なのに台詞が結構あった。不器用で周りのクラスメートと打ち解けることや演劇の役者が台詞に感情移入させるコツを掴むまで時間がかかった私も何とか役者を演じ切ることができた。周りに流されるままで自分の意思に沿わないまま四国一周の旅をしてしまった反省を活かした大きな一歩であった。

一緒に四国を一周した男友達とは私が高校生の時の知り合いの中で数少ない今でも気軽に連絡を取り合える貴重な存在であるが、その友達と2人で旅やスキーなどに出かける時も必ず自分の行きたい所や自分のやりたいことができる場所に行くようにしている。他人の言いなりになることも含めて周りに流されるだけではなく、自分のやりたいことや好きなことを大切にする青春時代を、あれから半年ちょっとしてからの初めての泊まりの一人旅から今のかみさんとの交際までの数々の思い出を経て、やっと何とか取り戻せてきた感じがした。もちろん中学2年生から3年生にかけて私が好きであった彼女には本当に済まないことをしたと思える気持ちには今でも変わりはない。今のかみさんが先述した中学2年生の時に好きだった女の子と同様に「しっかりしたお姉さんタイプ」で性格が似ていることからもあの時の苦い経験もなんとか浮かばれた気がしている。周りに流されるだけではなく、自分の好きなことややりたいことに対してたとえどんなに不器用でも他人から馬鹿にされても

「こんな筈じゃない!」

と思える時はやりたいことの腕を上げようとすることも含めて、自分を変えようと努力をすることが本当に大切である。但し誰かを見返すことや誰かに認められることを目的に努力をすると、たとえ成功したように見えても必ずその歪みが自分に返ってくる。あくまでも自分がやりたいからやるとかやりたいことのためにやるべきだからやるという気持ちが大切だと思う。努力する苦労を苦労と思えないくらいに夢中になれればしめたものだ。そうすれば良い異性と交際することも含めて、楽しい思い出を作るチャンスはいくらでもやって来る。

私の場合、小さい頃から親や周りの人達から

「変わった人だねぇ~」

とよく言われてきた影響などもあり、今まで自己評価が低くて自分に自信が持てずに、時々直ぐにキレたり、すぐ他人に甘えてしまい、他人に自分に反対のことを言われるのを恐れたり、言われると直ぐに傷ついたような感覚になってしまったり、周りの人の状況や気持ちを想像できなかったり、自己主張が上手くできなかったりして、それによって自分が困ったのみならず、周りの人に迷惑をかけたり、時には傷をつけたりもした。
これまで記したように、気になる異性などがコロコロ変わったり、気になる異性に自分の気持ちを素直に上手く伝えらなかったのもその一環なのかもしれない。

本書の別章でも記したが、最近、かみさんや息子を不幸にしたくないと、私も自分と同じように自己評価が低くて苦労してきた方々が集まる会合に参加するなどして、時々直ぐにキレる悪い癖を治そうとしている。不思議なことにその会合に何回か参加して自己評価の低さなどについて、自分のことを話をしたり、同じ会合にいる他の人の話を何となく聞いたりするだけでも、自分に自信が持てるようになってきたので、時々直ぐに怒鳴るような大声を出したり、物にあたるなどキレることは無くなった。

人生を四季に例えると「春」にあたる青春時代が終わって、社会に出て世の中のことが少しでもわかってくるまでが「梅雨」であると、私の人生の場合、いつの間にか新婚でなくなり青春時代に一区切りがついてから今までが「梅雨」で、私と同じように自己評価が低くて自分に自信が持てずに苦労して来た人の本を読んだり、先述したようにその方々による会合に参加したこともあり、不思議と自分に自信が持てるようになってきた、これからが「夏本番」である。40を過ぎたからって
「もう歳だから」
なんて言っている場合ではない。自分とは合わない価値観に押し潰されないように、上手く世渡りしつつも、これから先の人生をもっと楽しまないとと思える。
タレントの所ジョージさんも
「人生は50代に入ってからが一番楽しい!」
とおっしゃっていた。

四国への旅もまだまだ続く!
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

躁鬱の父さん

ハナギエイオウ
エッセイ・ノンフィクション
僕の父さんについて

就職面接の感ドコロ!?

フルーツパフェ
大衆娯楽
今や十年前とは真逆の、売り手市場の就職活動。 学生達は賃金と休暇を貪欲に追い求め、いつ送られてくるかわからない採用辞退メールに怯えながら、それでも優秀な人材を発掘しようとしていた。 その業務ストレスのせいだろうか。 ある面接官は、女子学生達のリクルートスーツに興奮する性癖を備え、仕事のストレスから面接の現場を愉しむことに決めたのだった。

勝負に勝ったので委員長におっぱいを見せてもらった

矢木羽研
青春
優等生の委員長と「勝ったほうが言うことを聞く」という賭けをしたので、「おっぱい見せて」と頼んでみたら……青春寸止めストーリー。

校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれた女子高生たちが小さな公園のトイレをみんなで使う話

赤髪命
大衆娯楽
少し田舎の土地にある女子校、華水黄杏女学園の1年生のあるクラスの乗ったバスが校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれてしまい、急遽トイレ休憩のために立ち寄った小さな公園のトイレでクラスの女子がトイレを済ませる話です(分かりにくくてすみません。詳しくは本文を読んで下さい)

天空からのメッセージ vol.97 ~魂の旅路~

天空の愛
エッセイ・ノンフィクション
そのために、シナリオを描き そのために、親を選び そのために、命をいただき そのために、助けられて そのために、生かされ そのために、すべてに感謝し そのためを、全うする そのためは、すべて内側にある

処理中です...