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<9・執着という魔物>
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モノというものに、特別な執着心を抱く者は少なくない。
例えば、犬を飼っている者ならば多少なりに想像がつくのではないだろうか。ここに一匹の柴犬がいると仮定しよう。その犬に、黄色いボールのおもちゃを与えて遊ぶのが習慣化しているという前提で話を進める。犬が“その黄色いボール”に特別な執着を抱くようになる、というのは別段珍しくもない事ではなかろうか。
例えば、そのボールを飼い主の過失でなくしてしまって、仕方なく新しい黄色いボールを買い足したとして。果たして、犬はその新しく買ったばかりの黄色いボールを、自分のものとして認識することができるだろうか。残念ながら、“これは自分がずっと遊んできた黄色のボールではない”と拒絶する犬が少なからずいるはずである。人間には同じ黄色いボールに見えても、犬にとっては“自分が遊んでいた黄色いボール”と、同じ見た目の“新品の黄色いボール”は全く別の存在であるからだ。
違う、と認識できる最大の要素は匂いであろう。長年遊んでいたボールには、その犬の匂いも飼い主の匂いも染み付いている。一方新品のボールにはそれがない。匂い、というマークがついていないそれを、犬は同じものだと認識することができずに困惑するという。戸惑う犬と戸惑わない犬の違いは、かつて遊んでいたボールにどれほどの“執着心”を抱いていたかによって変わるのではなかろうか。
つまり、犬にとってはかつての黄色いボールと新しいボールは全く別の“個”であるということ。犬が一個のボールに特別な執着を見せた時、その量産品にすぎないボールに特別な意味が与えられることになるのである。その瞬間そのボールは“その犬にとっては他に代え難い大切な一個体”となりうるわけだ。
これを最も顕著に行うのが、人間である。
そう、人間は言葉を用いて、個に名前という識別記号を与えて区別する存在であるからだ。
その“名前という識別記号”に込められた意味は必ずしもプラスのものではないだろうが、数字だろうと名称だろうと名前がついた時点でその存在は“種族”とは別の“個体”という独自性を持つようになるのである。
動物園の動物。人間の名前。人形の名前。人間は犬のように匂いにそこまで敏感ではないが、代わりに名前をつけることで個体を識別する。場合によってはその名前を縫い付ける、名札をつける、印をつけるなどしてさらなる判別を求めることになるだろう。
そうして考えるのであれば、付喪神という概念もまた興味深いものとして捉えることができよう。付喪神は神とついてはいるものの、実際は神格ではなく妖怪の区分として判断されることが多い。モノが百年の月日を経て妖怪化するものであるが、そこに“人間からプラスかマイナスの大きな執着を受けたかどうか”が化けるか化けないかの境目になることが多いのがなかなか面白い点である。マイナスの執着というと少々イメージが沸かないかもしれないが、簡単に行ってしまえば“特別粗雑に扱われた”などがそれにあたるだろうか。他の道具と比べて乱暴に扱われたり、他の道具よりもずっと触ってもらえなかった恨みがつもりつもって妖怪化する。悪い意味で他と違う特別な扱われ方をしたというものを“マイナスの執着”と表現するのなら、これも強ち間違いではあるまい。
名前をつけられた上で、人間の恨みをぶつけられるケースもあるだろう。例えば己の嫌いな相手、憎い相手の代理人として人形などが扱われることもある。そう考えるのであれば、丑の刻参りの藁人形など最たるものではあるまいか。百年かけて付喪神化するという条件を無視して考えるのならば、これほどマイナスの執着を受けて化けて出そうな存在もあるまい。なんせ、憎い相手の代理人にされたあげく、理不尽な恨みをこめて釘で打たれるという仕打ちを受けることになるのだから。
長々と遠回りで説明したが、私が言いたいことは一つである。
人は名前をつけるという行いは、すなわち個に執着しうる集大成であり。執着から産まれる付喪神という存在とは切っても切り離せぬ性質であるということである。
人は時に付喪神を呪わしいもの、気味の悪いものとして畏怖するが。
忘れてはならないことは、むしろその呪いそのものを産みだす根源は道具ではなく、人間の執着にあるということなのだ。呪わしいというのならば、人間そのものが原初から呪われていると言わざるを得ないだろう。
(『付喪神と人の執着』真田孝之介)
***
真田孝之介といえば、阿川賞作家であると同時に、ホラー小説とオカルト考察においてもコアなファンが多いことでも有名な作家である。
うち何冊かは、今回の仕事を始める折に貴美華も参考資料の一つとして読んだことがあった。確か付喪神に関しても、面白い書籍があったはずである。正確な文面は覚えていなかったが、少しネットで調べてみれば一部を抜粋したものがまとめられていた。真田孝之介独自考察まとめサイト!なんてものがあるあたりファンの熱意がうかがい知れるというものである。
彼は“名前をつけることは人の執着の顕れであり、付喪神という存在は人の執着から生まれた存在である”という分析を残していた。事務所開設の折に読んだ貴美華も、なかなか興味深いと思った記憶がある。
「付喪神という存在は、人の存在や意識、文化を反映する鏡のようなもの……ってこともどっかで書いていた気がするな」
純也が調べてくれたサイトをスクロールしながら、貴美華は呻く。
「人を知ることは、付喪神を知ること。付喪神を知ることが、人を知ること。……そんな書籍を山ほど残してる作家が死んだ家が、あの“佐藤家”だってわけか。こりゃ偶然じゃないだろ」
「俺も、面白い分析をする人だなーと思ってこの人の本は結構読んだ記憶があります。真田孝之介は付喪神についてのオカルト系の小説も結構書いてましたよね。特にあの付喪神を合体させるとかいうやつ。賞を取ることはなかったし、ちょっと残酷がすぎる内容だってことで真田孝之介のシリーズとしてはそんなに売れなかった記憶がありましたけど。えっとタイトルなんだったかな……」
「“付喪神融合計画”だろ?」
「あ、それでそれ!孤独な魔術師が、社会への復讐を果たすために人間に恨みを持つ付喪神を集めて、テロを起こそうとするって話!」
付喪神融合計画。角田ホラー賞の最終選考まで残ったたものの、あまりにも残酷すぎるということで最後の最後で受賞を逃した問題作だ。結局別の出版社から、加筆修正されて出されることになったのだが、主人公が常軌を逸したサイコパスであったことと、終盤に畳み掛けるように残酷シーンが続くために一般の読者受けはあまり良くなかったと聞いている。
主人公は有名大学を卒業した頭脳明晰な男。しかしコミュニケーション能力が低い上ひどく傲慢な性格であったがために、就職活動で尽く失敗。三百社以上の面接を受けたにも関わらず全てに落ちてしまい、アルバイトをしようと考える気も起きず(高すぎるプライドが、正社員以外の就職を認められなかったのだ)ひきこもりになってしまう。
そんな男がある時、魔女が書いた魔導書を入手。禁断の術を手にしてしまうことになる。それが、人間に恨みを持つ道具達を次々に付喪神化させる秘術だった。男は彼らを先導することにより、自分を認めない世の中への復讐を図ろうと考えるようになるのである。
人間に捨てられた人形、椅子、机、ペン、掃除機、包丁、指輪――彼らを使って男は自分が嫌いな人間から報復行動を開始する。付喪神達に襲われた人間達は次々、筆舌に尽くしがたい凄惨な死に方をしていくのだ。
だがそこに、正義の陰陽師が現れ、計画を邪魔するようになってから歯車が狂い始める。最終的に秘術の代償を払う形で、主人公の男は生きたまま全身の肉を骨から引き剥がされて死ぬことになるのだ。
「確か、真田孝之介の晩年の作品だよな。死ぬ少し前に発売されたものだったはずだ」
貴美華ははっとする。タイトルの、付喪神融合計画。それは、主人公のサイコパスの男が目論んだものの、結局成功させることができなかった計画の名前から来ている。
陰陽師に邪魔され続けて頭に来た主人公はついに、失敗続きの付喪神達を融合させて最強の付喪神を作ろうとするのだ。今まで自分の無茶な計画に付き合い、唯一味方になってくれた存在であったのが彼らであるにも関わらず、そのやり方は極めて残酷なものだった。付喪神として覚醒し、人型を取れるようになった彼らを“蠱毒”を使って殺しあわせて一つにしようというのである。
ギリギリのところで陰陽師によって計画は阻止されたからいいものの、それが成功していたら一体日本はどうなってしまっていたことか。“この国の人間の不始末を、他の国の魔術師に頼むわけにはいきませんからね”という陰陽師の台詞からして、世界規模の厄災になっていた可能性があることが示唆されている。
「……おい。これ……結構今の状況と、重なってないか?」
「俺もそう思いました」
純也は頷く。
「真田孝之介は、このシリーズを完結させてから、次の連載の準備をしている時に首を吊って死んだと言われているんですが。ファンが、こんな噂をしているんですよ。死んだ理由が、出版社の以降によって強引に……書きたかった物語の結末を変えさせられてしまったからじゃないかって」
「それが、“付喪神融合計画”か?」
「はい。真田孝之介は、当初は正義の陰陽師を登場させたくなかったんだって噂で聞いたことがあります。そして、陰陽師を登場させても……最後の計画が完遂されて、世界が滅ぶバッドエンドにしたかったんじゃないかと。でも、それが編集の意向でできなかったせいで、自分で自分が許せなくなって死を選んだんじゃないかって」
彼が連載準備していた作品なんですけどね、と純也は声を潜めた。
「ディストピアものだったらしいんですよ。……世界が滅び、あやかしが跋扈するようになった物語。噂によれば、付喪神融合計画が成功した後のIFストーリーだったんじゃないかって。今となっては、真偽なんて確かめようがないんですけどね……」
例えば、犬を飼っている者ならば多少なりに想像がつくのではないだろうか。ここに一匹の柴犬がいると仮定しよう。その犬に、黄色いボールのおもちゃを与えて遊ぶのが習慣化しているという前提で話を進める。犬が“その黄色いボール”に特別な執着を抱くようになる、というのは別段珍しくもない事ではなかろうか。
例えば、そのボールを飼い主の過失でなくしてしまって、仕方なく新しい黄色いボールを買い足したとして。果たして、犬はその新しく買ったばかりの黄色いボールを、自分のものとして認識することができるだろうか。残念ながら、“これは自分がずっと遊んできた黄色のボールではない”と拒絶する犬が少なからずいるはずである。人間には同じ黄色いボールに見えても、犬にとっては“自分が遊んでいた黄色いボール”と、同じ見た目の“新品の黄色いボール”は全く別の存在であるからだ。
違う、と認識できる最大の要素は匂いであろう。長年遊んでいたボールには、その犬の匂いも飼い主の匂いも染み付いている。一方新品のボールにはそれがない。匂い、というマークがついていないそれを、犬は同じものだと認識することができずに困惑するという。戸惑う犬と戸惑わない犬の違いは、かつて遊んでいたボールにどれほどの“執着心”を抱いていたかによって変わるのではなかろうか。
つまり、犬にとってはかつての黄色いボールと新しいボールは全く別の“個”であるということ。犬が一個のボールに特別な執着を見せた時、その量産品にすぎないボールに特別な意味が与えられることになるのである。その瞬間そのボールは“その犬にとっては他に代え難い大切な一個体”となりうるわけだ。
これを最も顕著に行うのが、人間である。
そう、人間は言葉を用いて、個に名前という識別記号を与えて区別する存在であるからだ。
その“名前という識別記号”に込められた意味は必ずしもプラスのものではないだろうが、数字だろうと名称だろうと名前がついた時点でその存在は“種族”とは別の“個体”という独自性を持つようになるのである。
動物園の動物。人間の名前。人形の名前。人間は犬のように匂いにそこまで敏感ではないが、代わりに名前をつけることで個体を識別する。場合によってはその名前を縫い付ける、名札をつける、印をつけるなどしてさらなる判別を求めることになるだろう。
そうして考えるのであれば、付喪神という概念もまた興味深いものとして捉えることができよう。付喪神は神とついてはいるものの、実際は神格ではなく妖怪の区分として判断されることが多い。モノが百年の月日を経て妖怪化するものであるが、そこに“人間からプラスかマイナスの大きな執着を受けたかどうか”が化けるか化けないかの境目になることが多いのがなかなか面白い点である。マイナスの執着というと少々イメージが沸かないかもしれないが、簡単に行ってしまえば“特別粗雑に扱われた”などがそれにあたるだろうか。他の道具と比べて乱暴に扱われたり、他の道具よりもずっと触ってもらえなかった恨みがつもりつもって妖怪化する。悪い意味で他と違う特別な扱われ方をしたというものを“マイナスの執着”と表現するのなら、これも強ち間違いではあるまい。
名前をつけられた上で、人間の恨みをぶつけられるケースもあるだろう。例えば己の嫌いな相手、憎い相手の代理人として人形などが扱われることもある。そう考えるのであれば、丑の刻参りの藁人形など最たるものではあるまいか。百年かけて付喪神化するという条件を無視して考えるのならば、これほどマイナスの執着を受けて化けて出そうな存在もあるまい。なんせ、憎い相手の代理人にされたあげく、理不尽な恨みをこめて釘で打たれるという仕打ちを受けることになるのだから。
長々と遠回りで説明したが、私が言いたいことは一つである。
人は名前をつけるという行いは、すなわち個に執着しうる集大成であり。執着から産まれる付喪神という存在とは切っても切り離せぬ性質であるということである。
人は時に付喪神を呪わしいもの、気味の悪いものとして畏怖するが。
忘れてはならないことは、むしろその呪いそのものを産みだす根源は道具ではなく、人間の執着にあるということなのだ。呪わしいというのならば、人間そのものが原初から呪われていると言わざるを得ないだろう。
(『付喪神と人の執着』真田孝之介)
***
真田孝之介といえば、阿川賞作家であると同時に、ホラー小説とオカルト考察においてもコアなファンが多いことでも有名な作家である。
うち何冊かは、今回の仕事を始める折に貴美華も参考資料の一つとして読んだことがあった。確か付喪神に関しても、面白い書籍があったはずである。正確な文面は覚えていなかったが、少しネットで調べてみれば一部を抜粋したものがまとめられていた。真田孝之介独自考察まとめサイト!なんてものがあるあたりファンの熱意がうかがい知れるというものである。
彼は“名前をつけることは人の執着の顕れであり、付喪神という存在は人の執着から生まれた存在である”という分析を残していた。事務所開設の折に読んだ貴美華も、なかなか興味深いと思った記憶がある。
「付喪神という存在は、人の存在や意識、文化を反映する鏡のようなもの……ってこともどっかで書いていた気がするな」
純也が調べてくれたサイトをスクロールしながら、貴美華は呻く。
「人を知ることは、付喪神を知ること。付喪神を知ることが、人を知ること。……そんな書籍を山ほど残してる作家が死んだ家が、あの“佐藤家”だってわけか。こりゃ偶然じゃないだろ」
「俺も、面白い分析をする人だなーと思ってこの人の本は結構読んだ記憶があります。真田孝之介は付喪神についてのオカルト系の小説も結構書いてましたよね。特にあの付喪神を合体させるとかいうやつ。賞を取ることはなかったし、ちょっと残酷がすぎる内容だってことで真田孝之介のシリーズとしてはそんなに売れなかった記憶がありましたけど。えっとタイトルなんだったかな……」
「“付喪神融合計画”だろ?」
「あ、それでそれ!孤独な魔術師が、社会への復讐を果たすために人間に恨みを持つ付喪神を集めて、テロを起こそうとするって話!」
付喪神融合計画。角田ホラー賞の最終選考まで残ったたものの、あまりにも残酷すぎるということで最後の最後で受賞を逃した問題作だ。結局別の出版社から、加筆修正されて出されることになったのだが、主人公が常軌を逸したサイコパスであったことと、終盤に畳み掛けるように残酷シーンが続くために一般の読者受けはあまり良くなかったと聞いている。
主人公は有名大学を卒業した頭脳明晰な男。しかしコミュニケーション能力が低い上ひどく傲慢な性格であったがために、就職活動で尽く失敗。三百社以上の面接を受けたにも関わらず全てに落ちてしまい、アルバイトをしようと考える気も起きず(高すぎるプライドが、正社員以外の就職を認められなかったのだ)ひきこもりになってしまう。
そんな男がある時、魔女が書いた魔導書を入手。禁断の術を手にしてしまうことになる。それが、人間に恨みを持つ道具達を次々に付喪神化させる秘術だった。男は彼らを先導することにより、自分を認めない世の中への復讐を図ろうと考えるようになるのである。
人間に捨てられた人形、椅子、机、ペン、掃除機、包丁、指輪――彼らを使って男は自分が嫌いな人間から報復行動を開始する。付喪神達に襲われた人間達は次々、筆舌に尽くしがたい凄惨な死に方をしていくのだ。
だがそこに、正義の陰陽師が現れ、計画を邪魔するようになってから歯車が狂い始める。最終的に秘術の代償を払う形で、主人公の男は生きたまま全身の肉を骨から引き剥がされて死ぬことになるのだ。
「確か、真田孝之介の晩年の作品だよな。死ぬ少し前に発売されたものだったはずだ」
貴美華ははっとする。タイトルの、付喪神融合計画。それは、主人公のサイコパスの男が目論んだものの、結局成功させることができなかった計画の名前から来ている。
陰陽師に邪魔され続けて頭に来た主人公はついに、失敗続きの付喪神達を融合させて最強の付喪神を作ろうとするのだ。今まで自分の無茶な計画に付き合い、唯一味方になってくれた存在であったのが彼らであるにも関わらず、そのやり方は極めて残酷なものだった。付喪神として覚醒し、人型を取れるようになった彼らを“蠱毒”を使って殺しあわせて一つにしようというのである。
ギリギリのところで陰陽師によって計画は阻止されたからいいものの、それが成功していたら一体日本はどうなってしまっていたことか。“この国の人間の不始末を、他の国の魔術師に頼むわけにはいきませんからね”という陰陽師の台詞からして、世界規模の厄災になっていた可能性があることが示唆されている。
「……おい。これ……結構今の状況と、重なってないか?」
「俺もそう思いました」
純也は頷く。
「真田孝之介は、このシリーズを完結させてから、次の連載の準備をしている時に首を吊って死んだと言われているんですが。ファンが、こんな噂をしているんですよ。死んだ理由が、出版社の以降によって強引に……書きたかった物語の結末を変えさせられてしまったからじゃないかって」
「それが、“付喪神融合計画”か?」
「はい。真田孝之介は、当初は正義の陰陽師を登場させたくなかったんだって噂で聞いたことがあります。そして、陰陽師を登場させても……最後の計画が完遂されて、世界が滅ぶバッドエンドにしたかったんじゃないかと。でも、それが編集の意向でできなかったせいで、自分で自分が許せなくなって死を選んだんじゃないかって」
彼が連載準備していた作品なんですけどね、と純也は声を潜めた。
「ディストピアものだったらしいんですよ。……世界が滅び、あやかしが跋扈するようになった物語。噂によれば、付喪神融合計画が成功した後のIFストーリーだったんじゃないかって。今となっては、真偽なんて確かめようがないんですけどね……」
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