13 / 83
Kapitel 02:日常
日常 07
しおりを挟む
疋堂家。朝。
天尊と白は朝食を食べながら、或る種の攻防を繰り広げていた。
「お気持ちだけいただいておきます」
「気持ちだけじゃ何の足しにもならん」
「ボクなんかの為に手間をかけさせるなんて心苦しいので遠慮します」
「手間じゃない。遠慮するな」
「本音を言うと遠慮じゃないんだけど」
「じゃあ何か不都合でもあるのか」
銀太は朝食のトーストを囓りながらふたりの遣り取りを聞いていた。特に面白くもないので、口を挟まず食事に集中した。白と天尊の言い回しは幼稚園児には難しい。
「不都合だよ。ティエン目立つんだもん」
「コレが俺の素だ。こう生まれついたからには仕方がない」
天尊は自分のマグカップを手に取って口に運んだ。少し冷めてぬるくなったコーヒーをゴクゴクッと飲んだ。
「何をそんなに渋ることがある。今日は抜糸だろう。心配だから病院に付いていってやると言っているだけじゃないか」
「病院くらい一人で行けるよ。心配しなくて大丈夫」
白も心配してくれる気持ちは嬉しいし、病院への付き添いそのものは嫌ではない。問題は、天尊が目立つことだ。先日の授業参観で、天尊の容姿が女子生徒たちを色めき立たせるものだと思い知った。天尊が学校に迎えに来れば、また好奇の目を集めるに違いない。白自身、図らずも人気者であるが、注目を集めるのは好まない。
「大体、俺が目立つのを何故そこまで嫌がる。俺は一緒にいるのが恥ずかしいほど、見栄えは悪くない」
「その自負が恥ずかしい……」
天尊が臆面もなく断言し、白は溜息を吐いた。
女子生徒からあれだけの黄色い声が上がり、虎子の評価もそうだったから、見目がよいのは疑っていない。しかし、この自信家である点は白には理解不能だ。
「とにかく行くと言ったら行く」
天尊はそう宣言し、白から目線を外してトーストをガブガブと囓りだした。
ああ、これはもう何を言っても聞く耳を持たない体勢だ。結局は、聞き分けのよい白のほうが折れる羽目になるのだ。
§ § § § §
私立瑠璃瑛学園・中等部某教室。放課後。
白は教室の窓枠に頬杖を突いて外を眺めていた。
白の視線は校舎の校門に向いていた。特徴的な白い後頭部の長身の男が立っている。帰宅しようと校門に差し掛かった生徒たちが、彼に気付いて物珍しそうにジロジロと観察しながら通り過ぎてゆく。
だから目立つと言ったのに……、と白は内心恨み言を言って、はぁーー、と深い溜息を吐いた。
これが素なのだから仕方あるまいと言い切られては反論できなかった。天尊が注目を集めるのは事実だが、あの姿に生まれついたのは天尊の責任ではない。自身の意思や選択に因らず、図らずも注目されてしまうやりにくさは白も覚えがあるから、あれ以上天尊を責められなかった。
「白。どうかしましたか」
虎子が白の背中に声をかけた。
白の机の上には通学バッグが置かれており、帰り支度はとうに済んでいる。銀太のお迎えが日課である白が、帰り支度を済ませていつまでも教室にいるのは珍しい。
あれだよ、と白は頬杖を突いたまま、窓外を指差した。
自席にいた虎子は、窓に近付いて白の隣に並んだ。白が指しているものをすぐに発見して「あら」と零した。
「親戚の御兄様は、銀太くんのお迎えだけではなく白のお迎えにもいらっしゃいますのね」
「ボクはお迎えが要るような歳じゃないよ」
「せっかくお迎えにいらしてくださったのですから早く行って差し上げたら?」
「あそこに行くとボクもあれだけ目立つと思うと憂鬱だな~」
「御兄様のような方では人目を集めるのは仕方がありませんわ」
「見た目若いのに総白髪だからなー。体格も大きいし」
「勿論それもありますが……」
虎子は天尊の後頭部をじっと見詰めて言い淀んだ。
(違和感――……といえばよいのかしら。あの人の周りだけ異なる空気が流れているような、目の前にいてもわたくしたちからは切り離されて別世界にいるような妙な感覚……。今もホラ、あの人だけが、風景から浮かび上がって見えるくらいに異質だわ)
ふと、天尊が振り向いた。視線を察知したかのように、すぐに白と虎子がいる窓に正確に目を留めた。そして、こちらに向かってヒラッと手を振ってニッと笑った。
(これほど勘の良い人物が疋堂家の親類縁者とは思えませんわね)
虎子は腹具合とは裏腹に、笑顔を作って天尊に手を振り返した。
「そろそろ行って差し上げては。いつまでもお待たせするのは不憫ですわよ」
「気が進まないけど仕方がないかあ」
白は観念したような表情でまた深い溜息を吐き、窓から離れた。
白と天尊は病院で抜糸を済ませてから幼稚舎へ銀太のお迎えに向かった。帰宅ついでに三人で買い物を済ませて帰ろうということになった。
やってきたのは瑠璃瑛商店街。駅前まで足を伸ばせばショッピングモールや有名百貨店もあるが、この商店街は自宅から学校までの途中に位置することや庶民のお財布事情に優しい価格設定であることもあり、便利が良いので、白は日常的にこの商店街で買い物をする。
「アキラはもうぜんぶなおったのか?」
「治ったよー」
「コラ。抜糸が済んだからといって安心するな」
仲良く手を繋いでいる白と銀太の後方から天尊が水を差した。
「はいはい。一体いつになったらキミの心配は終わるんですか」
「気を抜いたときが一番危ない」
三人は商店街をぶらりと歩いて進む。学校を出るときは、できる限り人目を集めないようにすることに必死で献立どころではなかったが、商店街に立ち並ぶ店先を眺めながら歩いている内に自然と決まるものだ。
白はお総菜屋さんの前で足を止めた。
お総菜屋さんのおばさんとは顔見知り。おばさんは白を見ると「あら、いらっしゃい」と声をかけた。
「唐揚げください」
「オレからあげスキー」
「サラダも作るから、そっちもちゃんと食べるんだよ」
「わかった」
おばさんはいつもならお喋りをしながらもチャッチャッと素早く品物を用意してくれるのに、今日はある一点を見詰めて手が動かなかった。
その視線の先にいたのは天尊だ。
「あらあらまあまあ、えらく男前な彼氏だね、アキラちゃん」
「ちがう!」
銀太が大きな声で否定すると、おばさんは「違うのかい」と笑った。
白はおばさんが冗談半分で言ったのが分かったからハハハと苦笑しただけ。銀太にはまだ本気と冗談を正確に判別するのは難しい。
「男前だからオマケしとくよ」
おばさんは馴れた手付きで唐揚げを茶色の紙袋のなかへ放りこみ始めた。
御厚意はありがたく受けよう。天尊はニッと白い歯を見せて愛想を振りまいた。
おばさんはお代を言って唐揚げを包んだものを差し出した。白がそれを受け取ろうと手を出すと、天尊が横からヒョイと掻っ攫った。
「だから気を抜くなと言っている。荷物は俺が持つ」
「ええ~~。これくらいもダメなの。そんなこと言ってたら日常生活何もできないよ」
天尊と白の会話を聞き、おばさんは目を丸くした。
「アキラちゃんもしかして妊娠してるのかい?」
「ほら、ティエンの所為であらぬ疑いをかけられる」
今回は先ほどよりもおばさんの本気の割合が高い気がする。中学生にしてなんという身に覚えのない嫌疑。
白からは苦笑しか漏れなかった。
「あらヤダ、本当に男前だよ」
背後からそのような言葉をかけられた。
声の主は隣の商店の奥さん。彼女も白とは顔見知りだ。近所から楽しげな話し声が聞こえてきたので覗いてみたら、見慣れない風情の男前が立っていた。
彼女は白髪の長躯を頭から爪先まで隅々まで観察しながら白のすぐ傍にやってきた。
「最近ガイジンさんのイケメンが出る出るってウワサだったけど、近くで見ても本当にカッコイイわ~✨ アキラちゃんの彼氏なの?」
「だからちがうッ!」
銀太がまた大きな声で否定した。
白はこらこらと銀太の頭を撫でて宥めた。
「それがアキラちゃん、身籠もっちゃってるみたいなのよ」
「ええッ? 中学生で? あ、でももう来年には高校だっけ。学生しながら出産・子育てなんて、考えただけで大変ねえ。そういえばアンタも最初の子生んだの学生だったっけ?」
「そうなのよ。アタシは高校のとき。うちの旦那、手が早かったから~」
本人を目の前に恐ろしげな噂話をする商店街のおばさまたち。このまま放置しておいたら尾鰭が付いてとんでもない噂が広まってしまいそうだ。
「いえ、あの、してませんよ。ボク、してません。妊娠してませんからね? 聞いてます?💧」
天尊と白は朝食を食べながら、或る種の攻防を繰り広げていた。
「お気持ちだけいただいておきます」
「気持ちだけじゃ何の足しにもならん」
「ボクなんかの為に手間をかけさせるなんて心苦しいので遠慮します」
「手間じゃない。遠慮するな」
「本音を言うと遠慮じゃないんだけど」
「じゃあ何か不都合でもあるのか」
銀太は朝食のトーストを囓りながらふたりの遣り取りを聞いていた。特に面白くもないので、口を挟まず食事に集中した。白と天尊の言い回しは幼稚園児には難しい。
「不都合だよ。ティエン目立つんだもん」
「コレが俺の素だ。こう生まれついたからには仕方がない」
天尊は自分のマグカップを手に取って口に運んだ。少し冷めてぬるくなったコーヒーをゴクゴクッと飲んだ。
「何をそんなに渋ることがある。今日は抜糸だろう。心配だから病院に付いていってやると言っているだけじゃないか」
「病院くらい一人で行けるよ。心配しなくて大丈夫」
白も心配してくれる気持ちは嬉しいし、病院への付き添いそのものは嫌ではない。問題は、天尊が目立つことだ。先日の授業参観で、天尊の容姿が女子生徒たちを色めき立たせるものだと思い知った。天尊が学校に迎えに来れば、また好奇の目を集めるに違いない。白自身、図らずも人気者であるが、注目を集めるのは好まない。
「大体、俺が目立つのを何故そこまで嫌がる。俺は一緒にいるのが恥ずかしいほど、見栄えは悪くない」
「その自負が恥ずかしい……」
天尊が臆面もなく断言し、白は溜息を吐いた。
女子生徒からあれだけの黄色い声が上がり、虎子の評価もそうだったから、見目がよいのは疑っていない。しかし、この自信家である点は白には理解不能だ。
「とにかく行くと言ったら行く」
天尊はそう宣言し、白から目線を外してトーストをガブガブと囓りだした。
ああ、これはもう何を言っても聞く耳を持たない体勢だ。結局は、聞き分けのよい白のほうが折れる羽目になるのだ。
§ § § § §
私立瑠璃瑛学園・中等部某教室。放課後。
白は教室の窓枠に頬杖を突いて外を眺めていた。
白の視線は校舎の校門に向いていた。特徴的な白い後頭部の長身の男が立っている。帰宅しようと校門に差し掛かった生徒たちが、彼に気付いて物珍しそうにジロジロと観察しながら通り過ぎてゆく。
だから目立つと言ったのに……、と白は内心恨み言を言って、はぁーー、と深い溜息を吐いた。
これが素なのだから仕方あるまいと言い切られては反論できなかった。天尊が注目を集めるのは事実だが、あの姿に生まれついたのは天尊の責任ではない。自身の意思や選択に因らず、図らずも注目されてしまうやりにくさは白も覚えがあるから、あれ以上天尊を責められなかった。
「白。どうかしましたか」
虎子が白の背中に声をかけた。
白の机の上には通学バッグが置かれており、帰り支度はとうに済んでいる。銀太のお迎えが日課である白が、帰り支度を済ませていつまでも教室にいるのは珍しい。
あれだよ、と白は頬杖を突いたまま、窓外を指差した。
自席にいた虎子は、窓に近付いて白の隣に並んだ。白が指しているものをすぐに発見して「あら」と零した。
「親戚の御兄様は、銀太くんのお迎えだけではなく白のお迎えにもいらっしゃいますのね」
「ボクはお迎えが要るような歳じゃないよ」
「せっかくお迎えにいらしてくださったのですから早く行って差し上げたら?」
「あそこに行くとボクもあれだけ目立つと思うと憂鬱だな~」
「御兄様のような方では人目を集めるのは仕方がありませんわ」
「見た目若いのに総白髪だからなー。体格も大きいし」
「勿論それもありますが……」
虎子は天尊の後頭部をじっと見詰めて言い淀んだ。
(違和感――……といえばよいのかしら。あの人の周りだけ異なる空気が流れているような、目の前にいてもわたくしたちからは切り離されて別世界にいるような妙な感覚……。今もホラ、あの人だけが、風景から浮かび上がって見えるくらいに異質だわ)
ふと、天尊が振り向いた。視線を察知したかのように、すぐに白と虎子がいる窓に正確に目を留めた。そして、こちらに向かってヒラッと手を振ってニッと笑った。
(これほど勘の良い人物が疋堂家の親類縁者とは思えませんわね)
虎子は腹具合とは裏腹に、笑顔を作って天尊に手を振り返した。
「そろそろ行って差し上げては。いつまでもお待たせするのは不憫ですわよ」
「気が進まないけど仕方がないかあ」
白は観念したような表情でまた深い溜息を吐き、窓から離れた。
白と天尊は病院で抜糸を済ませてから幼稚舎へ銀太のお迎えに向かった。帰宅ついでに三人で買い物を済ませて帰ろうということになった。
やってきたのは瑠璃瑛商店街。駅前まで足を伸ばせばショッピングモールや有名百貨店もあるが、この商店街は自宅から学校までの途中に位置することや庶民のお財布事情に優しい価格設定であることもあり、便利が良いので、白は日常的にこの商店街で買い物をする。
「アキラはもうぜんぶなおったのか?」
「治ったよー」
「コラ。抜糸が済んだからといって安心するな」
仲良く手を繋いでいる白と銀太の後方から天尊が水を差した。
「はいはい。一体いつになったらキミの心配は終わるんですか」
「気を抜いたときが一番危ない」
三人は商店街をぶらりと歩いて進む。学校を出るときは、できる限り人目を集めないようにすることに必死で献立どころではなかったが、商店街に立ち並ぶ店先を眺めながら歩いている内に自然と決まるものだ。
白はお総菜屋さんの前で足を止めた。
お総菜屋さんのおばさんとは顔見知り。おばさんは白を見ると「あら、いらっしゃい」と声をかけた。
「唐揚げください」
「オレからあげスキー」
「サラダも作るから、そっちもちゃんと食べるんだよ」
「わかった」
おばさんはいつもならお喋りをしながらもチャッチャッと素早く品物を用意してくれるのに、今日はある一点を見詰めて手が動かなかった。
その視線の先にいたのは天尊だ。
「あらあらまあまあ、えらく男前な彼氏だね、アキラちゃん」
「ちがう!」
銀太が大きな声で否定すると、おばさんは「違うのかい」と笑った。
白はおばさんが冗談半分で言ったのが分かったからハハハと苦笑しただけ。銀太にはまだ本気と冗談を正確に判別するのは難しい。
「男前だからオマケしとくよ」
おばさんは馴れた手付きで唐揚げを茶色の紙袋のなかへ放りこみ始めた。
御厚意はありがたく受けよう。天尊はニッと白い歯を見せて愛想を振りまいた。
おばさんはお代を言って唐揚げを包んだものを差し出した。白がそれを受け取ろうと手を出すと、天尊が横からヒョイと掻っ攫った。
「だから気を抜くなと言っている。荷物は俺が持つ」
「ええ~~。これくらいもダメなの。そんなこと言ってたら日常生活何もできないよ」
天尊と白の会話を聞き、おばさんは目を丸くした。
「アキラちゃんもしかして妊娠してるのかい?」
「ほら、ティエンの所為であらぬ疑いをかけられる」
今回は先ほどよりもおばさんの本気の割合が高い気がする。中学生にしてなんという身に覚えのない嫌疑。
白からは苦笑しか漏れなかった。
「あらヤダ、本当に男前だよ」
背後からそのような言葉をかけられた。
声の主は隣の商店の奥さん。彼女も白とは顔見知りだ。近所から楽しげな話し声が聞こえてきたので覗いてみたら、見慣れない風情の男前が立っていた。
彼女は白髪の長躯を頭から爪先まで隅々まで観察しながら白のすぐ傍にやってきた。
「最近ガイジンさんのイケメンが出る出るってウワサだったけど、近くで見ても本当にカッコイイわ~✨ アキラちゃんの彼氏なの?」
「だからちがうッ!」
銀太がまた大きな声で否定した。
白はこらこらと銀太の頭を撫でて宥めた。
「それがアキラちゃん、身籠もっちゃってるみたいなのよ」
「ええッ? 中学生で? あ、でももう来年には高校だっけ。学生しながら出産・子育てなんて、考えただけで大変ねえ。そういえばアンタも最初の子生んだの学生だったっけ?」
「そうなのよ。アタシは高校のとき。うちの旦那、手が早かったから~」
本人を目の前に恐ろしげな噂話をする商店街のおばさまたち。このまま放置しておいたら尾鰭が付いてとんでもない噂が広まってしまいそうだ。
「いえ、あの、してませんよ。ボク、してません。妊娠してませんからね? 聞いてます?💧」
0
お気に入りに追加
28
あなたにおすすめの小説
イラストアーカイヴ
花閂
キャラ文芸
小説内で使用したイラストだったり未使用イラストだったり。
オリジナルイラストのアーカイバ。
連載中の小説『ベスティエン』『マインハール』『ゾルダーテン』のイラストをアーカイブしていきます。
マインハールⅡ ――屈強男×しっかり者JKの歳の差ファンタジー恋愛物語
花閂
キャラ文芸
天尊との別れから約一年。
高校生になったアキラは、天尊と過ごした日々は夢だったのではないかと思いつつ、現実感のない毎日を過ごしていた。
天尊との思い出をすべて忘れて生きようとした矢先、何者かに襲われる。
異界へと連れてこられたアキラは、恐るべき〝神代の邪竜〟の脅威を知ることになる。
――――神々が神々を呪う言葉と、誓約のはじまり。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
サンタの村に招かれて勇気をもらうお話
Akitoです。
ライト文芸
「どうすれば友達ができるでしょうか……?」
12月23日の放課後、日直として学級日誌を書いていた山梨あかりはサンタへの切なる願いを無意識に日誌へ書きとめてしまう。
直後、チャイムの音が鳴り、我に返ったあかりは急いで日誌を書き直し日直の役目を終える。
日誌を提出して自宅へと帰ったあかりは、ベッドの上にプレゼントの箱が置かれていることに気がついて……。
◇◇◇
友達のいない寂しい学生生活を送る女子高生の山梨あかりが、クリスマスの日にサンタクロースの村に招待され、勇気を受け取る物語です。
クリスマスの暇つぶしにでもどうぞ。
ノイジーガール ~ちょっとそこの地下アイドルさん適性間違っていませんか?~
草野猫彦
ライト文芸
恵まれた環境に生まれた青年、渡辺俊は音大に通いながら、作曲や作詞を行い演奏までしつつも、ある水準を超えられない自分に苛立っていた。そんな彼は友人のバンドのヘルプに頼まれたライブスタジオで、対バンした地下アイドルグループの中に、インスピレーションを感じる声を持つアイドルを発見する。
欠点だらけの天才と、天才とまでは言えない技術者の二人が出会った時、一つの音楽の物語が始まった。
それは生き急ぐ若者たちの物語でもあった。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる