ベスティエンⅢ【改訂版】

#23：Here comes a little gangster

〆

禮　「うーん、やっぱちょお足れへんかなー」
杏　「そんなことあれへんて。禮はフツーやて」
夜子「そうえぇ。そんなん気にしてもどうなるモンとちゃうし、そんなことで考え込むのやめおし」
禮　「夜ちゃんは持ってるから～」
夜子「まあ、この子はまたそんなこと言うて。ウチかて普通え」
禮　「アンちゃんはどんくらい？」
杏　「ウ、ウチかてフツーやッ」
夜子「ぎょうさんあればええいうもんでもおまへんえ、禮」
禮　「え？　そうなん？」
杏　「まー、貯金とはちゃうしね。賞味期限切れたら使いモンになれへんのやから邪魔になるばっかしやろ」
禮　「賞味期限？」
杏　「時間経てば価値が下がるやろ。言うてしまえば女子高生と一緒や。期間限定の希少価値」
禮　「ええ～～ッ」
杏　「男は少々賞味期限切れた食いモンでも食うケド、不思議と賞味期限切れた女には見向きもせえへんねん。期限切れなんか無人島にでも行かん限り食べへんで」
鶴榮「何の話しとるか思えば、なんや好き勝手に男心語っとるなあ」
禮　「ほな男が語る男心とは？」
鶴榮「男は確かに少々危ないモンでも腹に入れる。せけどな、ほんまの好物やったらなかなか手ェ付けられへんで最後までとっとく生き物やねん」
禮・杏・夜子「へ～～～」
鶴榮「撥なんかええ例や」
渋撥「何でやねん」
鶴榮「ちょおキレエな女で、女のほうが嫌がらんのやったらスーグ食いよったクセに、禮ちゃんには全ッ然手ぇ出さんかった」
渋撥「オイ！　要らんこと言うな」
鶴榮「お前が如何に禮ちゃん大事にしとるか伝えてやってんねん。口下手なお前の代わりに」
渋撥「前半が余計や💢」
鶴榮「あっはっはっ」
渋撥「ちゅうか、お前等は何の話しとったんや」
禮・杏・夜子「胸」
杏　「禮が嵐士に言われたこと気にしてて、胸足れへんとか言い出したんです」
禮　「べっ、別にあっちゃんに言われたからだけちゃうよっ。ただ、あっちゃんがあそこまで言うならハッちゃんもおっきいほうがええのかな思て……」
渋撥「俺をあのジャリと同じ性癖にすんな」
杏　「ほな近江さんは胸なんかどーでもええんですか」
渋撥「あるに越したことはない」
鶴榮「正直か」
禮　「胸おっきくする方法あれへんかなー」
渋撥「…………。まあ心当たりないこともないけどな」
禮　「え。ほんま？　教えて✨」
渋撥「本気か」
禮　「うん」
渋撥「そやな……。今夜、禮の部屋でならええで」
禮　「何で夜？？」
鶴榮「撥。お前、正直者すぎるで」



Tschüss.