5 / 43
第1章 出会い
第5話 魔界(ゲテモノ)料理。
しおりを挟む
その昔、俺の母は俺を抱えていろんな話を聞かせてくれた。物心がつく以前の、1歳に満たない頃の話なので、ほとんど覚えていないのは当然の事なのだが、唯一俺の名前について話してくれた時の事は今でも鮮明に覚えている。
『母さんはね、お花が好きなの。分かる、お花? 世界中のいろんな場所を冒険していろんな花を見て来たわ。その中で一番好きだった花はグラジオラス……花言葉は、勝利よ』
幼い俺は当時、どうして勝利に拘るのかが疑問だった。
しかし今になっては当然の事だと思う。
例えば、二人の男が戦いそれに勝てば、問題にならない。では、敗者は? と問われれば、敗者は地面に血を流して倒れている姿を想像しただろう。
敗者は普通必要とされない。常に自然淘汰が繰り返されるうちに、世界には勝者のみが残っていく。悲惨な目に合うのは、世界に見捨てられた敗者のみ。
そして、俺はこの世界に一度敗北している。
「さて、夕飯を作るわよ!」
ふんすっ、とやる気満々に胸を張るのは今日から居候の身になった少女ラケナリアだ。
白銀の長髪を後ろで結わえ纏めた。後ろからその様子を見ていた俺は、僅かに覗かせるうなじが妙に艶めかしくて、思わず目を逸らしてしまった。
「へえ、料理できるんだな、意外だ」
「当たり前でしょう、これでも女の子よ? それに、居候の身になったからにはせめてグラスの役に立ちたいと思うのも当然だわっ」
「そうか、そうか。俺に負担をかけないように気遣ってくれるのは大変うれしいのだが……これはなんだ、答えろ?」
「え、食材だけど???」
本日の食材をご紹介しましょう。
紫色の何か、何か、何か……あ。今、目が動いた。
「人族の街でどうしてこうもよくわからない食材が簡単に手に入る?」
「よくわからなくないでしょう、ほらこれなんて猛りダコよっ、貴重な食べ物なのよっ!?」
「頭を掴んで押し付けるな……貴重かなんだか知らんが生理的に受け付けないんだ……!」
俺の必死な訴えに、ラケナリアは哀れみの目を向ける。
「グラス……好き嫌いは良くないわ、食べてもないのにまずいなんて思っちゃだめよ? 猛りダコは単に栄養価が高いだけでなく、魔力容量まで増やす優れもの。魔界じゃみんな食べてたわ」
「お前の所の郷土料理か……なんか見覚えがある気がしたんだ」
「へえ、グラスは魔界料理を食べた事があるのねっ、凄いわ!」
「違う、うちの母親が前に作った事があったんだ、その日から俺が料理当番を代わったけどな」
興味深げに身を乗り出すラケナリアの顔を押し返すと、しゅん、としながら料理を始めた。
「魔族の食材は例の怪しげな店か」
「食品売り場に一件、ピンと来たの。ここだってね」
「俺は行ったことが無かったというか、行く気が毛頭なかったというか」
冒険者ギルドから食品売り場に直行した際、煙突から緑の煙が上がる魔女の住処のような店が建っていた場所があった。店内に多少の興味はあったが、入ったら二度と帰れなくなりそうな気がして、ラケナリアに買い物を一任したのだ。
その結果がこれとあっては、引きずってでも別の食材を買わせるべきだった。食費的には破格の値段で済んだ挙句、これで足りるといった時には天使かと思ったものだが。
正しくは、悪魔……魔人だったというオチだ。
「じゃあ今から作るから、グラスはリビングで寛いでていいわ」
そう言われて、俺の住処を見渡した。
アパートの一室、家賃は銀貨3枚の1LDK。昔バイト先のよしみで譲ってくれた物件だが、二人で済むとなるとやや狭い。
さらに言えば、俺は片付けが得意な方ではない。散乱した生活用品を跨いでようやくカーペットの上に立つ。せめて歩けるだけの床を用意するべきだろう。
「俺は部屋を片付ける。お前はその間作っておいてくれ」
そう言ったものの、やはり夕飯の出来栄えが気になる。なにせ元の具材がアレなのだ、如何に料理上手でも具材が悪ければ質は落ちる。今日のところは諦めて、明日は俺が作ろう。
三十分ほど経った。それだけの時間があれば最低限暮らせるスペースは出来る。
「ふぅぅ、こっちも終わったわ」
「そうか、お疲れ。あれ……心なしかいい匂いがしてくるな」
「そうでしょう、概ね料理は成功したと言えるわね」
「概ね、という言葉に引っかかるが……流石は調味料。あのゲテモノにこれほど芳しい香りを放たせるとはな」
「調味料ではなく、具材の良さよ。ほらっ」
俺に鍋の中を見せてくれた。
「これはシチュー……か? 紫色に沸騰しているが」
「よくわかったわね、グラスっ。流石魔界料理を口にしただけのことはあるわね」
「おい待て、鍋の中でタコが踊り狂ってるぞ」
「え。だって生きているもの、動いているのは当然じゃないかしら」
拝啓、お母さん。俺は今日、死ぬかもしれません。
ナイフとフォーク、それからスプーンを(強制的に)持ち、俺は目の前のそれを拝んだ。
「スプーン、溶けたりしないよな。ギャグ的な世界線じゃなく、普通に俺死ぬからな……?」
「捨てられた子犬みたいな目でこっちを見ない! 大丈夫よ、食べても死にはしないわっ」
「死ぬ以外なら起こるんだな……まじで勘弁してくれ」
とはいえ、だ。せっかく作ってくれたのに食べないでは食材にもラケナリアにも悪い。ここは、男たるもの食べてみようではないか。
スプーンに少量掬い、舌の奥に乗せて嚥下する。
どこかで聞いた話だが、舌には味覚を感知する場所が味の種類によって変わるらしい。特に毒物などの苦みは喉元近く、生命維持の為、最も確実性のある部分で感知するのだ。
苦みを感じればそれは毒、俺は毒を口にしないという大義名分を得ることになる。
「……っ、いただきます」
さて、苦みの方は如何なものか。
「あれ、なんだろう。ほのかな甘さと幸せを包み込むこのコクのある味わいは」
「でしょう、あはっ、良かったわ、グラスに気に入って貰えて」
「そして、余計に悔しいのは、ぷりうりのタコが更に味を引き立たせて美味い事だ……!」
俺は今日、見た目に騙されてはいけないという教訓を得た。見た目で騙すのは、女と料理だ。
「ふぅ、美味かった」
「久しぶりに自分で作ったけど、案外うまくいくものね、びっくりしたわっ」
「そんな不安を抱えながら料理をしていたのか。どうりで少し顔が強張ってたわけだ。さて、片付けが俺がやっておくから、お前はシャワーでも浴びてこい。丸一日入ってないんだろ」
「その前にひとつ、やる事があるわ」
何か深刻そうな雰囲気でラケナリアは言葉を零す。何か重要な話を俺に言いそびれていたのか、と少し身構えて、曲りなりも彼女の事が分かってきた俺はすぐに違うと気づいた。
「ああ、分かった。忘れてたよ」
「では言うわよっ、『『ごちそうさま』』」
後に、『いただきます』という事前儀式がある事を伝えると、大層のたうち回ったそうな。
『母さんはね、お花が好きなの。分かる、お花? 世界中のいろんな場所を冒険していろんな花を見て来たわ。その中で一番好きだった花はグラジオラス……花言葉は、勝利よ』
幼い俺は当時、どうして勝利に拘るのかが疑問だった。
しかし今になっては当然の事だと思う。
例えば、二人の男が戦いそれに勝てば、問題にならない。では、敗者は? と問われれば、敗者は地面に血を流して倒れている姿を想像しただろう。
敗者は普通必要とされない。常に自然淘汰が繰り返されるうちに、世界には勝者のみが残っていく。悲惨な目に合うのは、世界に見捨てられた敗者のみ。
そして、俺はこの世界に一度敗北している。
「さて、夕飯を作るわよ!」
ふんすっ、とやる気満々に胸を張るのは今日から居候の身になった少女ラケナリアだ。
白銀の長髪を後ろで結わえ纏めた。後ろからその様子を見ていた俺は、僅かに覗かせるうなじが妙に艶めかしくて、思わず目を逸らしてしまった。
「へえ、料理できるんだな、意外だ」
「当たり前でしょう、これでも女の子よ? それに、居候の身になったからにはせめてグラスの役に立ちたいと思うのも当然だわっ」
「そうか、そうか。俺に負担をかけないように気遣ってくれるのは大変うれしいのだが……これはなんだ、答えろ?」
「え、食材だけど???」
本日の食材をご紹介しましょう。
紫色の何か、何か、何か……あ。今、目が動いた。
「人族の街でどうしてこうもよくわからない食材が簡単に手に入る?」
「よくわからなくないでしょう、ほらこれなんて猛りダコよっ、貴重な食べ物なのよっ!?」
「頭を掴んで押し付けるな……貴重かなんだか知らんが生理的に受け付けないんだ……!」
俺の必死な訴えに、ラケナリアは哀れみの目を向ける。
「グラス……好き嫌いは良くないわ、食べてもないのにまずいなんて思っちゃだめよ? 猛りダコは単に栄養価が高いだけでなく、魔力容量まで増やす優れもの。魔界じゃみんな食べてたわ」
「お前の所の郷土料理か……なんか見覚えがある気がしたんだ」
「へえ、グラスは魔界料理を食べた事があるのねっ、凄いわ!」
「違う、うちの母親が前に作った事があったんだ、その日から俺が料理当番を代わったけどな」
興味深げに身を乗り出すラケナリアの顔を押し返すと、しゅん、としながら料理を始めた。
「魔族の食材は例の怪しげな店か」
「食品売り場に一件、ピンと来たの。ここだってね」
「俺は行ったことが無かったというか、行く気が毛頭なかったというか」
冒険者ギルドから食品売り場に直行した際、煙突から緑の煙が上がる魔女の住処のような店が建っていた場所があった。店内に多少の興味はあったが、入ったら二度と帰れなくなりそうな気がして、ラケナリアに買い物を一任したのだ。
その結果がこれとあっては、引きずってでも別の食材を買わせるべきだった。食費的には破格の値段で済んだ挙句、これで足りるといった時には天使かと思ったものだが。
正しくは、悪魔……魔人だったというオチだ。
「じゃあ今から作るから、グラスはリビングで寛いでていいわ」
そう言われて、俺の住処を見渡した。
アパートの一室、家賃は銀貨3枚の1LDK。昔バイト先のよしみで譲ってくれた物件だが、二人で済むとなるとやや狭い。
さらに言えば、俺は片付けが得意な方ではない。散乱した生活用品を跨いでようやくカーペットの上に立つ。せめて歩けるだけの床を用意するべきだろう。
「俺は部屋を片付ける。お前はその間作っておいてくれ」
そう言ったものの、やはり夕飯の出来栄えが気になる。なにせ元の具材がアレなのだ、如何に料理上手でも具材が悪ければ質は落ちる。今日のところは諦めて、明日は俺が作ろう。
三十分ほど経った。それだけの時間があれば最低限暮らせるスペースは出来る。
「ふぅぅ、こっちも終わったわ」
「そうか、お疲れ。あれ……心なしかいい匂いがしてくるな」
「そうでしょう、概ね料理は成功したと言えるわね」
「概ね、という言葉に引っかかるが……流石は調味料。あのゲテモノにこれほど芳しい香りを放たせるとはな」
「調味料ではなく、具材の良さよ。ほらっ」
俺に鍋の中を見せてくれた。
「これはシチュー……か? 紫色に沸騰しているが」
「よくわかったわね、グラスっ。流石魔界料理を口にしただけのことはあるわね」
「おい待て、鍋の中でタコが踊り狂ってるぞ」
「え。だって生きているもの、動いているのは当然じゃないかしら」
拝啓、お母さん。俺は今日、死ぬかもしれません。
ナイフとフォーク、それからスプーンを(強制的に)持ち、俺は目の前のそれを拝んだ。
「スプーン、溶けたりしないよな。ギャグ的な世界線じゃなく、普通に俺死ぬからな……?」
「捨てられた子犬みたいな目でこっちを見ない! 大丈夫よ、食べても死にはしないわっ」
「死ぬ以外なら起こるんだな……まじで勘弁してくれ」
とはいえ、だ。せっかく作ってくれたのに食べないでは食材にもラケナリアにも悪い。ここは、男たるもの食べてみようではないか。
スプーンに少量掬い、舌の奥に乗せて嚥下する。
どこかで聞いた話だが、舌には味覚を感知する場所が味の種類によって変わるらしい。特に毒物などの苦みは喉元近く、生命維持の為、最も確実性のある部分で感知するのだ。
苦みを感じればそれは毒、俺は毒を口にしないという大義名分を得ることになる。
「……っ、いただきます」
さて、苦みの方は如何なものか。
「あれ、なんだろう。ほのかな甘さと幸せを包み込むこのコクのある味わいは」
「でしょう、あはっ、良かったわ、グラスに気に入って貰えて」
「そして、余計に悔しいのは、ぷりうりのタコが更に味を引き立たせて美味い事だ……!」
俺は今日、見た目に騙されてはいけないという教訓を得た。見た目で騙すのは、女と料理だ。
「ふぅ、美味かった」
「久しぶりに自分で作ったけど、案外うまくいくものね、びっくりしたわっ」
「そんな不安を抱えながら料理をしていたのか。どうりで少し顔が強張ってたわけだ。さて、片付けが俺がやっておくから、お前はシャワーでも浴びてこい。丸一日入ってないんだろ」
「その前にひとつ、やる事があるわ」
何か深刻そうな雰囲気でラケナリアは言葉を零す。何か重要な話を俺に言いそびれていたのか、と少し身構えて、曲りなりも彼女の事が分かってきた俺はすぐに違うと気づいた。
「ああ、分かった。忘れてたよ」
「では言うわよっ、『『ごちそうさま』』」
後に、『いただきます』という事前儀式がある事を伝えると、大層のたうち回ったそうな。
0
お気に入りに追加
179
あなたにおすすめの小説
今世ではあなたと結婚なんてお断りです!
水川サキ
恋愛
私は夫に殺された。
正確には、夫とその愛人である私の親友に。
夫である王太子殿下に剣で身体を貫かれ、死んだと思ったら1年前に戻っていた。
もう二度とあんな目に遭いたくない。
今度はあなたと結婚なんて、絶対にしませんから。
あなたの人生なんて知ったことではないけれど、
破滅するまで見守ってさしあげますわ!
【本当にあった怖い話】
ねこぽて
ホラー
※実話怪談や本当にあった怖い話など、
取材や実体験を元に構成されております。
【ご朗読について】
申請などは特に必要ありませんが、
引用元への記載をお願い致します。
義妹を溺愛するクズ王太子達のせいで国が滅びそうなので、ヒロインは義妹と愉快な仲間達と共にクズ達を容赦なく潰す事としました
やみなべ
恋愛
<最終話まで執筆済。毎日1話更新。完結保障有>
フランクフルト王国の辺境伯令嬢アーデルは王家からほぼ選択肢のない一方的な命令でクズな王太子デルフリと婚約を結ばされた。
アーデル自身は様々な政治的背景を理解した上で政略結婚を受け入れるも、クズは可愛げのないアーデルではなく天真爛漫な義妹のクラーラを溺愛する。
貴族令嬢達も田舎娘が無理やり王太子妃の座を奪い取ったと勘違いし、事あるごとにアーデルを侮辱。いつしか社交界でアーデルは『悪役令嬢』と称され、義姉から虐げられるクラーラこそが王太子妃に相応しいっとささやかれ始める。
そんな四面楚歌な中でアーデルはパーティー会場内でクズから冤罪の後に婚約破棄宣言。義妹に全てを奪われるという、味方が誰一人居ない幸薄い悪役令嬢系ヒロインの悲劇っと思いきや……
蓋を開ければ、超人のようなつよつよヒロインがお義姉ちゃん大好きっ子な義妹を筆頭とした愉快な仲間達と共にクズ達をぺんぺん草一本生えないぐらい徹底的に叩き潰す蹂躙劇だった。
もっとも、現実は小説より奇とはよく言ったもの。
「アーデル!!貴様、クラーラをどこにやった!!」
「…………はぁ?」
断罪劇直前にアーデル陣営であったはずのクラーラが突如行方をくらますという、ヒロインの予想外な展開ばかりが続いたせいで結果論での蹂躙劇だったのである。
義妹はなぜ消えたのか……?
ヒロインは無事にクズ王太子達をざまぁできるのか……?
義妹の隠された真実を知ったクズが取った選択肢は……?
そして、不穏なタグだらけなざまぁの正体とは……?
そんなお話となる予定です。
残虐描写もそれなりにある上、クズの末路は『ざまぁ』なんて言葉では済まない『ざまぁを超えるざまぁ』というか……
これ以上のひどい目ってないのではと思うぐらいの『限界突破に挑戦したざまぁ』という『稀にみる酷いざまぁ』な展開となっているので、そういうのが苦手な方はご注意ください。
逆に三度の飯よりざまぁ劇が大好きなドS読者様なら……
多分、期待に添えれる……かも?
※ このお話は『いつか桜の木の下で』の約120年後の隣国が舞台です。向こうを読んでればにやりと察せられる程度の繋がりしか持たせてないので、これ単体でも十分楽しめる内容にしてます。
所詮は他人事と言われたので他人になります!婚約者も親友も見捨てることにした私は好きに生きます!
ユウ
恋愛
辺境伯爵令嬢のリーゼロッテは幼馴染と婚約者に悩まされてきた。
幼馴染で親友であるアグネスは侯爵令嬢であり王太子殿下の婚約者ということもあり幼少期から王命によりサポートを頼まれていた。
婚約者である伯爵家の令息は従妹であるアグネスを大事にするあまり、婚約者であるサリオンも優先するのはアグネスだった。
王太子妃になるアグネスを優先することを了承ていたし、大事な友人と婚約者を愛していたし、尊敬もしていた。
しかしその関係に亀裂が生じたのは一人の女子生徒によるものだった。
貴族でもない平民の少女が特待生としてに入り王太子殿下と懇意だったことでアグネスはきつく当たり、婚約者も同調したのだが、相手は平民の少女。
遠回しに二人を注意するも‥
「所詮あなたは他人だもの!」
「部外者がしゃしゃりでるな!」
十年以上も尽くしてきた二人の心のない言葉に愛想を尽かしたのだ。
「所詮私は他人でしかないので本当の赤の他人になりましょう」
関係を断ったリーゼロッテは国を出て隣国で生きていくことを決めたのだが…
一方リーゼロッテが学園から姿を消したことで二人は王家からも責められ、孤立してしまうのだった。
なんとか学園に連れ戻そうと試みるのだが…
悪堕ち王子の快楽ダンジョン、女冒険者を帰さない ~エロゲの悪役に転生した俺、ひっそりスローライフを送りたいだけなのに美少女たちが集まってくる
タイフーンの目
ファンタジー
同人18禁ゲーム【悪堕ち王子の快楽ダンジョン】に転生した主人公、もと日本人のアルト・レイモンド。
〝王家の権力争いで命を狙われた王子アルトは、逃亡生活のすえ、瀕死の状態でとあるダンジョンに転がり込んだ。
邪悪な瘴気に魅入られ、魔族に変貌し、ダンジョンマスターとして君臨。モンスターを強化したり罠を開発して、探索に来た女冒険者たちを非道な手でやり込めるようになる――〟
というのが本来のゲームシナリオ。
しかし、その通りに進めるとアルトには破滅が待っている。
「それくらいならひっそりと暮らしたい!」
人畜無害なダンジョンを装い、自分が快適に過ごすためにあちこち改良するアルト。《クリエイト》スキルと生来の凝り性で、ダンジョンをいじるのに没頭する。
見た目の恐ろしいモンスター娘たちも、《キャラクターメイク》の能力で美少女に。
そうしているうち、やがて女冒険者たちが攻略にやって来た。
アルトは彼なりの『撃退方法』で対処するが――そのあまりの気持ち良さに女冒険者たちが入り浸るようになって……!?
強気な剣士、清楚なシスター、狡猾な盗賊、お忍びでやってきた隣国の皇女まで……信じて送り出した美女・美少女たちが、そのダンジョンから帰ってこない!!!!
※他サイトにも掲載中です。
※○○○シーンはありません。
※鬱展開や、女の子が酷い目に遭うシーンはありません。
※「ダンジョンに夢中になった女冒険者たちが恋人や婚約者よりもこちらを優先させちゃう」的な意味ではちょっとNTR?(BSS?)あり。
茶番には付き合っていられません
わらびもち
恋愛
私の婚約者の隣には何故かいつも同じ女性がいる。
婚約者の交流茶会にも彼女を同席させ仲睦まじく過ごす。
これではまるで私の方が邪魔者だ。
苦言を呈しようものなら彼は目を吊り上げて罵倒する。
どうして婚約者同士の交流にわざわざ部外者を連れてくるのか。
彼が何をしたいのかさっぱり分からない。
もうこんな茶番に付き合っていられない。
そんなにその女性を傍に置きたいのなら好きにすればいいわ。
寵妃にすべてを奪われ下賜された先は毒薔薇の貴公子でしたが、何故か愛されてしまいました!
ユウ
恋愛
エリーゼは、王妃になる予定だった。
故郷を失い後ろ盾を失くし代わりに王妃として選ばれたのは後から妃候補となった侯爵令嬢だった。
聖女の資格を持ち国に貢献した暁に正妃となりエリーゼは側妃となったが夜の渡りもなく周りから冷遇される日々を送っていた。
日陰の日々を送る中、婚約者であり唯一の理解者にも忘れされる中。
長らく魔物の侵略を受けていた東の大陸を取り戻したことでとある騎士に妃を下賜することとなったのだが、選ばれたのはエリーゼだった。
下賜される相手は冷たく人をよせつけず、猛毒を持つ薔薇の貴公子と呼ばれる男だった。
用済みになったエリーゼは殺されるのかと思ったが…
「私は貴女以外に妻を持つ気はない」
愛されることはないと思っていたのに何故か甘い言葉に甘い笑顔を向けられてしまう。
その頃、すべてを手に入れた側妃から正妃となった聖女に不幸が訪れるのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる