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行き場の無い問いが蟠るー4
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『どうした、坊主。ここはいわゆる極道の本部だぞ。お前みたいなガキが来る場所じゃねえ』
『アンタがここで一番偉い人か?』
『……? その翼、その時間経過のユニゾン……』
『兵士だった親父は脱税で、政治家だったお袋は政治資金の不正利用で捕まった。ずっと正しいことをしろと俺に言い聞かせてきた連中2人がだ。もう表の世界の何も信じられない。俺をこの組に入れてくれ』
『いいか、絶。売られたケンカはなんでもかんでも買えばいいってもんじゃないんだ。極道には極道なりに通す筋ってもんがある。お前も14だろ。それを理解しろ』
『何が通す筋だ。ただ単に警察や兵士の目が怖いだけだろ。俺のユニゾンの強さは知ってるだろ? この力さえあればどんな組織でも黙らせて』
『ダメだ、絶』
『表は腐ってて、裏は臆病者の集まり。なんて生き甲斐のない世界なんだ。こんな組、いっそ俺の手で……』
『それで自分が所属する暴力団を自分で潰したと。いいじゃないか。その血気盛んな性格。僕のところで活かさないか? 僕らは正しいことを大々的にやる組織だ。すべて壊そう。こんなやり甲斐搾取の世界』
颯天が気がつくと、辺り一面焼け野原となっており、ローランも見当たらなかった。
*
『ローランを倒した』
LINE上にそうメッセージが送られ、安堵や喜びの声をあげるターミナル組。
「これで残るは遊大君の説得だけだね!」
小麦が何の気なしにそう言うと、それを文活が否定する。
「そううまくいけばいいがな」
それに続いて雨が持論を展開する。
「遊大は元々、一度決めたことは貫き通そうとする意固地な性格だった。それが今、世界再構築なんていうなんでもありなユニゾンを手に入れたことで歯止めが効かなくなってる。ここから暴力に訴える可能性もゼロじゃない」
糸美も不安げな顔をする。
「全員、使徒との戦いで負った傷自体は回復してますが、痛みやしびれといった感覚はそのまま。この状態で仮に戦闘に発展して、どこまで戦えるか……」
『アンタがここで一番偉い人か?』
『……? その翼、その時間経過のユニゾン……』
『兵士だった親父は脱税で、政治家だったお袋は政治資金の不正利用で捕まった。ずっと正しいことをしろと俺に言い聞かせてきた連中2人がだ。もう表の世界の何も信じられない。俺をこの組に入れてくれ』
『いいか、絶。売られたケンカはなんでもかんでも買えばいいってもんじゃないんだ。極道には極道なりに通す筋ってもんがある。お前も14だろ。それを理解しろ』
『何が通す筋だ。ただ単に警察や兵士の目が怖いだけだろ。俺のユニゾンの強さは知ってるだろ? この力さえあればどんな組織でも黙らせて』
『ダメだ、絶』
『表は腐ってて、裏は臆病者の集まり。なんて生き甲斐のない世界なんだ。こんな組、いっそ俺の手で……』
『それで自分が所属する暴力団を自分で潰したと。いいじゃないか。その血気盛んな性格。僕のところで活かさないか? 僕らは正しいことを大々的にやる組織だ。すべて壊そう。こんなやり甲斐搾取の世界』
颯天が気がつくと、辺り一面焼け野原となっており、ローランも見当たらなかった。
*
『ローランを倒した』
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「これで残るは遊大君の説得だけだね!」
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それに続いて雨が持論を展開する。
「遊大は元々、一度決めたことは貫き通そうとする意固地な性格だった。それが今、世界再構築なんていうなんでもありなユニゾンを手に入れたことで歯止めが効かなくなってる。ここから暴力に訴える可能性もゼロじゃない」
糸美も不安げな顔をする。
「全員、使徒との戦いで負った傷自体は回復してますが、痛みやしびれといった感覚はそのまま。この状態で仮に戦闘に発展して、どこまで戦えるか……」
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