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おっきいね おっきいね 夢 おっきいね おっきいねー2
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「てめえ……! どうやってこっちの位置特定してんだ!」
息継ぎのためにユニゾンを解除した雨に、オジェが尋ねる。
「……! 答えるかよ!」
再び雨が地面に潜る。
多数の切り傷からの出欠多量で倒れるのが先か、運悪くもらった急所への一撃で倒れるのが先か。いずれにせよ時間をかけるのはまずい。
そう考えたオジェは決死の覚悟を見せつける。
すぐそばの壁へと駆け出し、そこに腹側をつけて大の字になったのだ。
「ここだ、土竜雨! 腹に向かって刺してこい!」
突然の行動に、雨は天井からの攻撃をすんでのところでやめる。
何を誘っているのか。いずれにせよとどめを刺す絶好のチャンスだ。
雨は挑発に乗った。オジェの真正面から彼の腹に包丁を突き刺した。包丁は背骨をかわし、完全にオジェの腹を貫通する。
吐血するオジェ。しかしその激痛の中、彼は雨の包丁を握る手と腕を掴み、力任せに彼を引きずり出した。
「お前忘れてないか! これは前哨戦! すべての使徒を仮に倒せたとしても、創造主様との戦いが待っている! 僕らとの戦いで消耗しきったその体で勝てるとはとても思えない! どうせ音を上げるなら早いほうがいい! 潔く今すぐ降参しろ! 土竜雨!」
オジェは面と向かって雨に話しかける。
「断る! みんながここまで繋いでくれたバトンを! こんなところで投げ捨ててたまるか! 表面上だけの笑顔や幸せ! 飴玉感覚で渡されたって嬉しくないんだ!」
雨はなんとか刃を動かしてオジェに完全なとどめを刺そうとするが、手負いの人間とは思えない力のせいで刃を動かせない。火事場のバカ力というやつか、と思った次の瞬間。
雨の視界が急にぼやけ、オジェの息づかいも小さく聞こえてくる。包丁を握る感覚、足を踏ん張る感覚、あらゆる感覚が鈍くなっていくのを実感した。
「この状況を作ったのは、お前と話す時間がほしかったからだ。僕の第2のユニゾン、オール・アイ・ニード・アー・シングス・アイ・ライクで、お前の五感を奪うための条件と時間が」
息継ぎのためにユニゾンを解除した雨に、オジェが尋ねる。
「……! 答えるかよ!」
再び雨が地面に潜る。
多数の切り傷からの出欠多量で倒れるのが先か、運悪くもらった急所への一撃で倒れるのが先か。いずれにせよ時間をかけるのはまずい。
そう考えたオジェは決死の覚悟を見せつける。
すぐそばの壁へと駆け出し、そこに腹側をつけて大の字になったのだ。
「ここだ、土竜雨! 腹に向かって刺してこい!」
突然の行動に、雨は天井からの攻撃をすんでのところでやめる。
何を誘っているのか。いずれにせよとどめを刺す絶好のチャンスだ。
雨は挑発に乗った。オジェの真正面から彼の腹に包丁を突き刺した。包丁は背骨をかわし、完全にオジェの腹を貫通する。
吐血するオジェ。しかしその激痛の中、彼は雨の包丁を握る手と腕を掴み、力任せに彼を引きずり出した。
「お前忘れてないか! これは前哨戦! すべての使徒を仮に倒せたとしても、創造主様との戦いが待っている! 僕らとの戦いで消耗しきったその体で勝てるとはとても思えない! どうせ音を上げるなら早いほうがいい! 潔く今すぐ降参しろ! 土竜雨!」
オジェは面と向かって雨に話しかける。
「断る! みんながここまで繋いでくれたバトンを! こんなところで投げ捨ててたまるか! 表面上だけの笑顔や幸せ! 飴玉感覚で渡されたって嬉しくないんだ!」
雨はなんとか刃を動かしてオジェに完全なとどめを刺そうとするが、手負いの人間とは思えない力のせいで刃を動かせない。火事場のバカ力というやつか、と思った次の瞬間。
雨の視界が急にぼやけ、オジェの息づかいも小さく聞こえてくる。包丁を握る感覚、足を踏ん張る感覚、あらゆる感覚が鈍くなっていくのを実感した。
「この状況を作ったのは、お前と話す時間がほしかったからだ。僕の第2のユニゾン、オール・アイ・ニード・アー・シングス・アイ・ライクで、お前の五感を奪うための条件と時間が」
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