Night Sky

魔法がとけるチョコみたいにー４

「誰にやられた……、と聞いても答えれないか。口かせもされてる」

　文活は自身のユニゾンで大樹の拘束具をすべてバラバラにして外し、とりあえず彼を救出する。

「なんて運のいい奴なんだ！　ジラールを倒したわけじゃないのにここまで到達するなんてよぉ！」

　リッチャルデットは２人からだいぶ離れた地点から文句を言う。

「苦しそうだが、何をされた」

　大樹は第一声で文活に質問する。

「小さくなりすぎた奴の分身を吸い込んだ……。お陰でこの様だ……。ゴホッ！　今も体の中で暴れてる……！」

　文活が血反吐を吐く。

「……。ここで少し休んでろ」

　大樹は文活を近くの音声ガイドつき案内板に、背を持たれかけさせる形で休ませる。

「何をする気だ……！　ゲホッ！」

「借りの作りっぱなしをしないだけだ」

　大樹は上着を脱いでそれをマスク代わりにするように口と鼻の周りに巻きつける。

「お、お前も俺とやろうってのか!?　そこの奴みてえに内側からボロボロにしてやるぞ！」

　リッチャルデットが大樹を脅す。

「生憎だが、俺の内臓は人より丈夫だぞ。それに吸い込んだらアウトな敵とは一度戦っている。簡単には音を上げんと思え」