306 / 379
「全肯定」に酔ってる勇者に反吐が出たー10
しおりを挟む
《バルトロマイのリナルド 本名:熊田犬子 ユニゾン名:ルマ……ドーベルマンの力が身につく。細身ながら筋肉質であり、敏捷性と走力に優れる。 第二のユニゾン名:ジョウモン・エクスプロージョン・ガール……触れた物体を退化させる。スマホならポケベルに、鉄の槍なら石の槍に、鳥なら恐竜になる。》
『敵はユニゾン2つ餅だ。たぶん他のやつらもそう』
太陽から送られた追加のメッセージ。下田通りの大通りで戦っている人陰は混乱した。
(餅? 餅のユニゾンを持ってるってことか? 他の奴らもそうとは言うが……。秋晴さんの最初の煮るって言葉と何か関係あるのか?)
「来ルゾ、相棒!」
ラストバトルがテュルパンの伸びる舌への警戒を促す。ラストバトルは素早く人陰の前に出て舌を掴んだ。
「なんでさっさと負けてくんねえんだよぉ! 早く成果を出さないと創造主様に捨てられちゃうかもなのにぃ!」
そう言いながらテュルパンは伸ばした舌を根元から縮ませ、ワイヤーを巻き取るようにして人陰たちに接近する。テュルパンは体の重心を器用に動かし、両手の塞がったラストバトルをかわして人陰に抱きついた。
「どういうことだ! 餅のユニゾンって」
「悪口が聞こえる」
テュルパンは人陰の質問を遮って、脈絡のない発言をする。
するとどこからともなく、人陰の耳に一連の言葉が聞こえてきた。
「陰キャ」
「コミュ障」
「ラストバトルのおまけ」
「ぶっちゃけそのユニゾン、お前より使いこなせる奴いくらでもいるだろ」
「やっぱり親父に捨てられたんじゃない?」
「好きなものはお母さ~ん」
それらの言葉は他のどの言葉も遮り、ラストバトルの心配する言葉さえかき消した。
テュルパンが離れると同時に、人陰は悪口の数々に耐えきれなくなり、その場に崩れ落ちる。ラストバトルの出力も同時に落ち、舌を放してしまった。
「勝つからな! どんな手を使っても勝つからな! 創造主様に捨てられてたまるか!」
《マタイのテュルパン 本名:鬼仔名無 ユニゾン名:シックス・トリオン・イヤーズ・アンド・ワン・ナイト・ストーリー……最大100メートルまで舌を伸ばせる。切断されても即座に再生する。 第二のユニゾン名:ヒビカセ……聞かせた擬音や命令が一定時間相手の頭に染み付く。風が吹く擬音を聞かせれば風に吹かれる感覚を覚え、動くなと命令されれば動けなくなる。》
『敵はユニゾン2つ餅だ。たぶん他のやつらもそう』
太陽から送られた追加のメッセージ。下田通りの大通りで戦っている人陰は混乱した。
(餅? 餅のユニゾンを持ってるってことか? 他の奴らもそうとは言うが……。秋晴さんの最初の煮るって言葉と何か関係あるのか?)
「来ルゾ、相棒!」
ラストバトルがテュルパンの伸びる舌への警戒を促す。ラストバトルは素早く人陰の前に出て舌を掴んだ。
「なんでさっさと負けてくんねえんだよぉ! 早く成果を出さないと創造主様に捨てられちゃうかもなのにぃ!」
そう言いながらテュルパンは伸ばした舌を根元から縮ませ、ワイヤーを巻き取るようにして人陰たちに接近する。テュルパンは体の重心を器用に動かし、両手の塞がったラストバトルをかわして人陰に抱きついた。
「どういうことだ! 餅のユニゾンって」
「悪口が聞こえる」
テュルパンは人陰の質問を遮って、脈絡のない発言をする。
するとどこからともなく、人陰の耳に一連の言葉が聞こえてきた。
「陰キャ」
「コミュ障」
「ラストバトルのおまけ」
「ぶっちゃけそのユニゾン、お前より使いこなせる奴いくらでもいるだろ」
「やっぱり親父に捨てられたんじゃない?」
「好きなものはお母さ~ん」
それらの言葉は他のどの言葉も遮り、ラストバトルの心配する言葉さえかき消した。
テュルパンが離れると同時に、人陰は悪口の数々に耐えきれなくなり、その場に崩れ落ちる。ラストバトルの出力も同時に落ち、舌を放してしまった。
「勝つからな! どんな手を使っても勝つからな! 創造主様に捨てられてたまるか!」
《マタイのテュルパン 本名:鬼仔名無 ユニゾン名:シックス・トリオン・イヤーズ・アンド・ワン・ナイト・ストーリー……最大100メートルまで舌を伸ばせる。切断されても即座に再生する。 第二のユニゾン名:ヒビカセ……聞かせた擬音や命令が一定時間相手の頭に染み付く。風が吹く擬音を聞かせれば風に吹かれる感覚を覚え、動くなと命令されれば動けなくなる。》
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
INFECTION<感染>
fwix7301
SF
地球の周回軌道を回っていたロシアの軍事衛星に小さな隕石が衝突した。その隕石には未知の微生物が付着しており、人工衛星は病原体を撒き散らしながら大気圏に突入してしまった。そして拡散した微生物は戸外にいた人間全てに感染してしまった。これに感染すると無事だった人たちを襲い感染者を増やしていくという恐るべき病原体だった。
元自衛官の高橋秀人は高校の先輩である藤岡義明のマンションを訪れていた。この災害に遭遇してしまった高橋たちが生き抜く事は決して容易ではなかった。
そして、米軍の核兵器紛失、自衛隊戦車中隊の反乱など様々な事が起こる中、高橋はある人のため必死に戦うのだが…
聖女戦士ピュアレディー
ピュア
大衆娯楽
近未来の日本!
汚染物質が突然変異でモンスター化し、人類に襲いかかる事件が多発していた。
そんな敵に立ち向かう為に開発されたピュアスーツ(スリングショット水着とほぼ同じ)を身にまとい、聖水(オシッコ)で戦う美女達がいた!
その名を聖女戦士 ピュアレディー‼︎
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
【短編完結】地味眼鏡令嬢はとっても普通にざまぁする。
鏑木 うりこ
恋愛
クリスティア・ノッカー!お前のようなブスは侯爵家に相応しくない!お前との婚約は破棄させてもらう!
茶色の長い髪をお下げに編んだ私、クリスティアは瓶底メガネをクイっと上げて了承致しました。
ええ、良いですよ。ただ、私の物は私の物。そこら辺はきちんとさせていただきますね?
(´・ω・`)普通……。
でも書いたから見てくれたらとても嬉しいです。次はもっと特徴だしたの書きたいです。
ドラゴンディセンダント
ドクターわたる
ファンタジー
結界によって隔離された“降魔の地”と呼ばれる関東の僻地に六つの高校がある・・・“降魔六学園”と呼ばれている。
世界でも珍しい召喚士だけが入学できる全寮制の高校群で一般人は基本的に立ち入り禁止となっている。召喚士は魔族と戦うために4000年ほど前に生まれたと言われるが、その役割は文明が発展して変わりつつある。定期的に・・・約400年に一度、魔族は大規模地上侵攻を目論むが古い召喚士は必要なくなりつつあった。来年11度目の地上侵攻が起こることは事前にほぼ場所・時・規模の予想が付いており来年の世界各地で起きるであろう地上大侵攻は1名も命を落とさず人類側が勝つ予定ではある・・・
“感覚合一の儀”を行うことで人口の約2%が召喚獣の卵と契約できて召喚士となる、つまり魔術や超能力のような力が使用可能になるわけである。一般人とはすこし異なる存在となるわけだ、古くは陰陽道と言われたが、現代では召喚士は試験にパスする必要があるが国家資格となっており様々な権限を持ち優遇される。
さらに召喚士にも差がある・・・最も大きな差は召喚獣が竜族かどうかである・・・竜族の召喚士は非常に強力である、ただし竜族と契約できるものは僅かである。
ここ、“降魔六学園”の生徒のほとんどは召喚士だが魔力を解放した戦闘・・・“召喚戦闘”での切磋が義務付けられ各校内ではランク戦、全国では公式戦が行われ優秀な召喚士を輩出している。
今年4月、六つのうち一つ、第3高校に如月葵という少女が入学してくる。
強力な召喚士は中学時代から全国に名前が知れ渡るのが通常だが彼女は全くの無名である。・・・彼女の身に宿している召喚獣は火竜・・・それもあり得ないほど強力な・・・世界の在り様に関与するほどの力を内包しているが彼女は何も気にしていない・・・基本適当で行き当たりばったりだから・・・。
六学園すべてで新入生3000人ほどの合同入学式は終わる。如月葵だけではない・・・どうやら他にも強力な力を持った新入生がいるようだ。
第1高校3年に西園寺桔梗という六学園の代表たる総生徒会長がいる、全国大会では団体戦も個人戦も数年負けていない。旧財閥の家系であらゆる権力を持っており中央集権的に圧政を強いている。
自由気ままな如月葵と権力の権化である西園寺桔梗は周囲を巻き込みつつ衝突する。
しかし予想外の人物の登場で事態はあらぬ方向へ転がる。
病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~
於田縫紀
ファンタジー
ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。
しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。
そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。
対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。
私から略奪婚した妹が泣いて帰って来たけど全力で無視します。大公様との結婚準備で忙しい~忙しいぃ~♪
百谷シカ
恋愛
身勝手な理由で泣いて帰ってきた妹エセル。
でも、この子、私から婚約者を奪っておいて、どの面下げて帰ってきたのだろう。
誰も構ってくれない、慰めてくれないと泣き喚くエセル。
両親はひたすらに妹をスルー。
「お黙りなさい、エセル。今はヘレンの結婚準備で忙しいの!」
「お姉様なんかほっとけばいいじゃない!!」
無理よ。
だって私、大公様の妻になるんだもの。
大忙しよ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる