Night Sky

九十九光

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僕らの革命前夜ー2

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「たまごっちのプチプチおみせっち」

「てめえしゃべんなっつったろが!」

 颯天が人陰の顎をグーで殴る。それに反応してラストバトルが出てきた。

「テメエ相棒ニ何シテンダ! ブチノメスゾ!」

「っせえな! コイツが約束破ったのが悪りいんだろうがよ! この陰キャの金魚の糞が!」

「言イヤガッタナ、テメエ! ブッ殺シテヤル!」

 騒がしくなった廊下に、一同がゾロゾロと出てきた。この世界に長期間閉じ込められた結果、颯天とラストバトルのケンカを止めようとする者はおらず、人陰も自分に被害が及ばないようにと、ラストバトルを消さなかった。

「西後。その袋、何を持ってきたんだ?」

 部屋から出てきた大樹が人陰に尋ねる。

「ああ、颯天がゲームを漁ってる間に、この世界のマンガや絵本なんかを漁ってたんだ。そしたら恐ろしいことが分かったんだ」

 恐ろしいこと。それを聞いて小麦はすべてを察した。

「改編されてたんだね。内容が」



 大樹たちの部屋に集まった一同は、人陰が持ってきた中古本を床に広げる。

 まずは絵本。ももたろう、さるかにがっせん、にんぎょひめの3冊があった。

「で、どんな内容に改編されたんだ? 見せてみろ」

 太陽がももたろうの絵本を取り上げ、最初のページからめくっていく。

「どうだ」

 文活が質問する。

「じいさんばあさんが桃拾って桃太郎が生まれて成長するところまでは同じだ。その先が改編されてる。病気で倒れたおばあさんを治す事ができるというきび団子を鬼達が作っていると知り、桃太郎がおばあさんの病を治すために鬼ヶ島へと向かう。犬、猿、キジは桃太郎から旅の目的を聞くと、自ら協力を申し出て仲間に。鬼ヶ島に着いた桃太郎達は鬼にもてなされたうえに、山のように積まれた団子を受け取り家へと戻った、って話だ」

「さるかにがっせんは」

「猿とカニたちが仲良く柿を分け合って食べている所に、改編前にカニの子供の仕返しに協力していた臼、栗、ハチが柿を分けてもらうためにやってくる、って話。カニの子どもははじめからいる」
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