Night Sky

僕ら 今、敬礼の合図をとり 三流映画の主役に成り下がったー13

「間違いありません！　次元光年が、元兵士がロイドにされています！」

《ロイド番号：ou-ZYF0WO20　素体名：次元光年　ユニゾン名：パーフェクト・バイオシス……造形の存在する創作物のキャラクターを、本や映像などの媒体から呼び出して操れる。》

「拉致されてロイドにされたのか、自分からロイドになったのか……」

　髪の毛で生物のキャラクターを絞め落とす臣蛇が呟く。

　現在この地区では、ロイドによって放たれた大量の創作のキャラクターに、現実の革命隊の戦士も混じり、物量差で押されている状態だった。

「俺に任せろ！　全員ネカフェから離れろ！」

　虫がネットカフェから少し離れた位置に立って、建物に指示を出す。

「１！　その場で倒壊しろ！」

　すると虫のユニゾンの命令で、ネットカフェの入るビルはその場で崩れ落ちた。

「とりあえずこれで追加の戦力が出てくることは」

　虫がそう言った次の瞬間だった。

　倒壊したビルから鉄筋やガラス片が一斉に虫に向かって飛んでくる。不意の出来事と自身のユニゾンで指示できない数の攻撃に、虫はなす術なく全身を撃ち抜かれた。

「……！　別のユニゾン持ち……！　あそこだ！」

　爆美が倒壊したビルの横に、小太鼓を叩くピエロのロイドを見つけた。

「ツギハギ模様ノ旗掲ゲ……。サァ、始メヨウカ……」

《ロイド番号：59osEET-EpY　素体名：吾味函枯季(ゴミバコ　カレキ)　ユニゾン名：ジャンク・パレード……人間10人分までの重量の無生物を自由に操れる。》

　一同が新手に警戒していると、彼彼女らの横から声がする。

「やれやれだぜ。てめえらはこの空条承太郎が、直々にぶちのめす」

　学帽に学ラン姿の高身長の筋肉質な男が立っていた。当時のマンガの知識などない女子２人と信也は、新手のロイドかと勘違いした。

「ロイドじゃない！　新しく出てきた創作のキャラクターだ！」

　知識のあった臣蛇と氷助が構えた瞬間、「スタープラチナ・ザ・ワールド！」と男が叫ぶ。

　その瞬間、男は糸美たちに背を向け、臣蛇と氷助が全身を殴打されたかのようになって吹き飛んだ。