220 / 379
僕ら 今、敬礼の合図をとり 三流映画の主役に成り下がったー5
しおりを挟む
「何やってんだ、ラストバトル! 乱薔薇と出藻倉先生が」
「コウデモシナイトオ前マデ死ヌトコダッタンダ! 許シテクレ、相棒!」
「……! 土竜! 応答しろ、土竜!」
煮え切らない思いの人陰は、通信機で雨に訴える。
外はあちこちに、ミサイルによってできた深さ3メートルほどの穴が空いており、人陰は足場を踏み外さないように小走りした。
そして見たくなかったものを見てしまった。
焼き切れている自動小銃の銃身と、雨のものと思わしき腕だった。
『遊大、こっちだ』
装甲車の後部座席から、空襲を受けた街並みを見ていた遊大の景色が、例の鳥籠の中に変わる。
遊大の目の前には、1週間前の文活と同じ格好をしている雨がいた。
「土竜さん、まさか……」
『悪い。なんの成果も残せず真っ先に死んじまった』
雨は頭をかき、申し訳なさそうに言う。
『でもベストは尽くしたつもりだ。無茶はしてないつもりだ。それだけは信じてくれ』
雨は遊大に弁明するが、ショックが大きい遊大にそんな言葉は届かない。
『これが試練その3だ。これで試練は1/4を終えた。言い換えればまだ3/4の分が残ってる。へこたれてる場合じゃない。目の前の仕事に集中しろ』
その後雨は、先の2人同様、個人的な話をし始める。
『今思えば、やりたいこと、試したいこと、いろいろあったな。以前は物欲とか向上心とかあんましなくて、そこそこの人生と安定した老後を送れればそれでいいと思ってた。でも向上心の塊みたいなお前が来て、そんなお前と一戦交えて、ちょっと変わった。もっと自分の欲望に忠実になろう。もっとカッコいい戦い方を追求しようって。それができなかったのが悔いかな。……。頑張れよ』
次の瞬間、遊大の目の前の景色が破壊された街並みに戻った。ガラスに映る自分の髪も、また白い部分が増えていた。
渋谷区に派遣された颯天、王子、零二、赤目、優磨、隙焼。都心も戦火にさらされ、先発の兵士や警察予備隊が革命隊の戦士たちと激突しており、激しい戦いが起こっていた。
「コウデモシナイトオ前マデ死ヌトコダッタンダ! 許シテクレ、相棒!」
「……! 土竜! 応答しろ、土竜!」
煮え切らない思いの人陰は、通信機で雨に訴える。
外はあちこちに、ミサイルによってできた深さ3メートルほどの穴が空いており、人陰は足場を踏み外さないように小走りした。
そして見たくなかったものを見てしまった。
焼き切れている自動小銃の銃身と、雨のものと思わしき腕だった。
『遊大、こっちだ』
装甲車の後部座席から、空襲を受けた街並みを見ていた遊大の景色が、例の鳥籠の中に変わる。
遊大の目の前には、1週間前の文活と同じ格好をしている雨がいた。
「土竜さん、まさか……」
『悪い。なんの成果も残せず真っ先に死んじまった』
雨は頭をかき、申し訳なさそうに言う。
『でもベストは尽くしたつもりだ。無茶はしてないつもりだ。それだけは信じてくれ』
雨は遊大に弁明するが、ショックが大きい遊大にそんな言葉は届かない。
『これが試練その3だ。これで試練は1/4を終えた。言い換えればまだ3/4の分が残ってる。へこたれてる場合じゃない。目の前の仕事に集中しろ』
その後雨は、先の2人同様、個人的な話をし始める。
『今思えば、やりたいこと、試したいこと、いろいろあったな。以前は物欲とか向上心とかあんましなくて、そこそこの人生と安定した老後を送れればそれでいいと思ってた。でも向上心の塊みたいなお前が来て、そんなお前と一戦交えて、ちょっと変わった。もっと自分の欲望に忠実になろう。もっとカッコいい戦い方を追求しようって。それができなかったのが悔いかな。……。頑張れよ』
次の瞬間、遊大の目の前の景色が破壊された街並みに戻った。ガラスに映る自分の髪も、また白い部分が増えていた。
渋谷区に派遣された颯天、王子、零二、赤目、優磨、隙焼。都心も戦火にさらされ、先発の兵士や警察予備隊が革命隊の戦士たちと激突しており、激しい戦いが起こっていた。
0
お気に入りに追加
1
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる