Night Sky

九十九光

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ざんざん ぎゃりぎゃり ばるばるーらる ばんばん ががが いえいいえいだ ぱーりーー5

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 花子は周囲を見渡しながら、ない知恵を絞り出そうとする。十二勇士はどいつもこいつも平気で兵士やその候補生を数人まとめて相手できる実力者。だがこちらの負傷者はすぐに命に関わるレベルのケガをしている人間はいない。

 だったらやることは一つしかなかった。

 花子は遊大を持ち上げた。

「今から投げる!」

「え? 投げるって」

「アルティメット真拳奥義! 南斗人間砲弾!」

 花子は遊大を空に向けて投げた。これで普段以上の初速の推進力を得た遊大は、ローランですら目で追えない速度で飛んでいった。

「適当な兵士詰所か警察署に飛んで増援を呼べ! 目標が支部から出れば向こうも逃げるだろ!」

 花子が地上から指示を出す。遊大もその指示通りに動く気でいた。

 仁が遅れてやって来るまで。

「ダメだ! 瀕死の重症が出た!」

 その言葉と同時に、1機の零戦が飛んでくる。機体は杭名の声で、無線でこう伝えてくる。

『照州さんが脇腹と胸を撃たれた! 夜空君じゃないと助からない!』

《川蝉杭名 ユニゾン名:ジェイルブレイク……零戦になれる。その間は自爆以外では傷つかない。自爆すると死亡する。》

 杭名が化けた零戦のコックピットには、何かを叫ぶ信也と生気を感じられない光が見える。

 遊大が空中で止まった。

 そこを教官棟の屋上に移動していたテュルパンが舌で遊大をとらえる。

「目標確保! 至急脱出!」

 テュルパンの合図で、各自のボディカメラのレンズ前からワープゲートが出現する。

「アイツの舌を切断しろ! 遊大をつれてかれる!」

 大樹が叫ぶ。

 颯天がミサイル飛行で飛んでいくが、その軌道上にジラールが立ちはだかる。王子がプラスチックの刃を伸ばして舌の切断を試みる。だが舗装されていない地面から水のカッターが伸び、彼の脚の腱を斬って軌道を反らす。あの水女、地面に潜って移動することもできるのかと気づいた。杭名も機銃を使って舌の切断をしようとするが、遊大は翼ごと縛られた状態で120メートルの高さにいる。受け止められる人間がいない以上、下手に撃つのはかえって危険だった。
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