Night Sky

Hip hip HOORAYー５

「誰の～せいで♪　そんなショボクレ～とんねん♪　だからゆ～てるやろいつも！　何かガマンしてんのんちゃうん？　そーちゃうん？　もっとうれしそうな顔してる時あるやん？　服買ったときとかさ～！　そうそう♪　ほれみー♪　あのオッサンの顔♪　おまえもあんなん♪　なってまうよ♪」

　遊大が生まれる前の時代のアニメソングを歌う花子。遊大はショボクレた顔でピザを食べていた。

「ビーシントディ♪　イェーエーガー♪　おーのれを矢に込ーめてー♪　嗚呼ビーシントディ♪　イェーエーガー♪すーべてを貫ーいてーいけー♪

(間奏)

あ、アングリフ　オウフ　ダイ　タイタン　ダー　ジャングボン　え、エインスト　ワード……、なんて読むんだ？」

　唐突に歌詞に出てきたドイツ語が分からない花子。それを遊大は、いろんな種類のポテトがあるんだなと思いつつメニュー表を眺めながら聞いていた。

「Leap on Leap on　空を見ろ♪　海を見ろ♪　染まった一色の青青青♪　知らないものとかもっと♪　知りたいからGO GO出港♪　燃りょ……！　あ、待って！　歌詞流れるの早い！」

　歌えないならなぜその曲をチョイスしたんだ、と思いながら、遊大は熱のこもった室内でチョコレートパフェを食べていた。

「恋は♪　スリルショック♪　サースペーンス♪　見えーない力便ーりにー♪」

　パラパラを躍りながら遊大の知らないアニメソングを歌う花子。ジンジャーエールはあまり美味しくないなと思いながら、遊大は聞き流していた。

「何さ、夜空君！　全然盛り上がらずに飲んで食ってばっかり！　私だけでノンストップで70曲近く歌ってるよ！　もう喉イガイガだよ！」

「普通の人間は70曲歌ったら喉から血が出ますよ。本当に人間離れしてますね」

　遊大があきれながら返答すると、花子が選曲用のタブレットを遊大に突きつける。

「１曲くらい歌ってよ！　この際童謡とかでもいいからさ！」

　そんな無茶振りをされてあたふたする遊大。歌えと言われても何を歌えばいいのか。

　タブレットを手渡されて選曲に困る遊大。童謡を歌うのは恥ずかしいし、アニメソングはほとんど知らなかった。

　こうして消去法で曲を探していると、とある曲が脳内をよぎった。