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拉麺が美味いことだけはー4
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「こんな雑草で人を縛ろうなんて」
沙漠が余裕を見せたのもつかの間。植物の小麦は狭い範囲から何千、何万と伸びてきて、瞬く間に彼を包み込んだ。
どんな植物だろうと、幾千も束になれば人力ではちぎれない。小麦のユニゾンは拘束に特化したユニゾンなのだ。
「先生、警察と兵隊に連絡を。たぶんこのユニゾン、生き物は砂にできないと思います。できてれば私たちも今頃砂になってます」
小麦が仁に指示すると、次の異変が起きた。
周囲の砂が浮かび上がり、植物の小麦の周りを回転し出す。その速度は次第に増していき、仁も小麦も目を開けられない状態になった。だが砂嵐の音の中に、砂粒が茎に当たり、切っていく音も聞こえる。
「やっぱりヘボユニゾンだ。こんな雑草で拘束なんて無理なんだよ」
砂嵐が終わると、バラバラになった植物の小麦の中心に、沙漠が立っていた。
《林檎沙漠 ユニゾン名:サンド・プラネット……触れた無生物を砂にでき、砂を操れる。》
沙漠は再び砂を操り始める。今度は槍状に固めて小麦たちを攻撃する気でいた。
「今日は俺の14歳のバースデー! 俺はこの日を革命記念日にする!」
「秋晴君。ここは僕がやる」
敵意むき出しの沙漠に対して、仁が前に出る。そして続けて小麦に指示を出した。
「周辺の民間人の避難誘導と、警察、兵隊を呼んでくれ。あと、救急車を1台」
それを聞いて、小麦は隣の車線に向かって走り出す。
「救急車? お前を乗せる救急車か!?」
沙漠が孤立した砂の槍を仁の顔にめがけて打ち出す。
しかし槍は仁にダメージを与えられなかった。仁の体が突如として灰塵になり、槍が後方へ向かって貫通したのだ。
そのまま全身を灰にした仁は、沙漠に向かって突っ込んでいく。沙漠は思わず目を閉じて、顔を両腕で守る。しかし沙漠に外傷はなく、仁は沙漠の後方で元の体に戻った。
「なんだ、こけおどしか。先生もダメ人間とは驚いたゲホッ」
沙漠が咳き込む。その咳は次第に激しくなり、彼はついに耐えきれずその場にうずくまった。
沙漠が余裕を見せたのもつかの間。植物の小麦は狭い範囲から何千、何万と伸びてきて、瞬く間に彼を包み込んだ。
どんな植物だろうと、幾千も束になれば人力ではちぎれない。小麦のユニゾンは拘束に特化したユニゾンなのだ。
「先生、警察と兵隊に連絡を。たぶんこのユニゾン、生き物は砂にできないと思います。できてれば私たちも今頃砂になってます」
小麦が仁に指示すると、次の異変が起きた。
周囲の砂が浮かび上がり、植物の小麦の周りを回転し出す。その速度は次第に増していき、仁も小麦も目を開けられない状態になった。だが砂嵐の音の中に、砂粒が茎に当たり、切っていく音も聞こえる。
「やっぱりヘボユニゾンだ。こんな雑草で拘束なんて無理なんだよ」
砂嵐が終わると、バラバラになった植物の小麦の中心に、沙漠が立っていた。
《林檎沙漠 ユニゾン名:サンド・プラネット……触れた無生物を砂にでき、砂を操れる。》
沙漠は再び砂を操り始める。今度は槍状に固めて小麦たちを攻撃する気でいた。
「今日は俺の14歳のバースデー! 俺はこの日を革命記念日にする!」
「秋晴君。ここは僕がやる」
敵意むき出しの沙漠に対して、仁が前に出る。そして続けて小麦に指示を出した。
「周辺の民間人の避難誘導と、警察、兵隊を呼んでくれ。あと、救急車を1台」
それを聞いて、小麦は隣の車線に向かって走り出す。
「救急車? お前を乗せる救急車か!?」
沙漠が孤立した砂の槍を仁の顔にめがけて打ち出す。
しかし槍は仁にダメージを与えられなかった。仁の体が突如として灰塵になり、槍が後方へ向かって貫通したのだ。
そのまま全身を灰にした仁は、沙漠に向かって突っ込んでいく。沙漠は思わず目を閉じて、顔を両腕で守る。しかし沙漠に外傷はなく、仁は沙漠の後方で元の体に戻った。
「なんだ、こけおどしか。先生もダメ人間とは驚いたゲホッ」
沙漠が咳き込む。その咳は次第に激しくなり、彼はついに耐えきれずその場にうずくまった。
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